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見えない糸の絡まり
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結局、何もせずに放課後になってしまった。
…怖いけど。すごく怖いけど。
俊介の言う蒼の話がすごく気になって、昨日も寝付けなかったのでどうしても今日聞いておきたい。
蒼に『本当にごめん。蒼も今日、友達と遊びに行くんだよな。楽しんできてください』とメールを打って送信する。
あの後、蒼はどうしたんだろう。
男子生徒と一緒に食べたのかな。
…というか、同級生を”様”付けってどうなんだろう…。
今まで蒼のことをそういう意味で好きになった人を沢山見てきたけど、本当に同性を好きになる人っているんだな。
遠い世界だ、なんてぼんやり考えていると、委員会の仕事を終えて戻ってきた俊介が教室に入ってくる。
「わりい、真冬。ここだとちょっと人目につくからさ、場所変えようぜ」
「え?うん」
俊介に促されるまま空き教室に入る。
そんなに誰にも聞かれたくない話なのか。
(…蒼の話ってなんだろう)
電話の口調だと、なんかあんまりいい話じゃないっぽいけど。
俺の後ろの席に座った俊介が俺をじっと見てくる。
「真冬はさ、」
「うん」
「一之瀬のこと、好きなんだよな?」
前にも聞いたけど、と付け加えられて、首を縦に振った。
俊介の目がじっと俺を見つめたまま瞬きさえしないので、ちょっと緊張する。
「それってさ、恋愛じゃなくて、友達としてなんだよな?」
「うん」
当たり前じゃないか、と思う。
そのことを俊介だって知ってるはずなのに。
(…どうして皆、こんな話ばっかりしたがるんだろう)
蒼の考えてることも、俊介の考えてることも、いまいちよくわからなくて戸惑う。
好きだって言ってることが、すでにもうおかしいのか?
でも、これは皆も言ってることだし、逆に「普通」とか答える方が個人的になんか微妙だと思うんだけど。
眉を顰める俺に、直接的な質問が投げつけられる。
「昨日、お前と一之瀬、抱き合ってなかった?」
「え、」
(抱き合ってたって、)
昼放課の話だよな。
…見られていたのか、と知ると同時に、じゃああの走り去っていったような足音は俊介のものだったんだと気づいた。
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