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四話、【夢か現実か】(流羽ver)

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***


聞いた話によると、俺は一度寝たら大抵のことでは起きないらしい。

気づいた時には指でグチャグチャになるまで肚の肉壁を擦られてこねられてたりしたこともあった。
ジンジンしすぎてる肚がもうイく直前で、目が覚めた瞬間に絶頂させられて。
シーツもお尻も汁でぐっしょり濡れまくってた。

…だから、優さんに寝ている間に何をされても、起きた時にはほとんどその時の記憶がなかった。

挿入され始めたら、流石に途中で目が覚めるけど。


…でも、 

その時の身体の敏感さと
エロすぎる動作で腰を振りながら、すごく楽しそうに色気だだもれで妖艶に微笑んでる優さんの笑顔と
寝起きの頭の働かなさの差が大きすぎて。

……いつもパニックになりながら、起きた途端に奥を激しく亀頭で突き上げられ、肚のナカを掻き回され、失神するまで犯される。


「……っ、は、ぁ!ぅ…う…っ」


(…でも、その時の優さんの表情が…たまらなく、好きで、大好きで…)

その時のことを思い出し、…睡魔の中、同じような感覚を身体に覚えながら瞼を持ち上げる。
…寝ている間に充分解されていたらしい孔。

そこは温度を上げてぬるぬると蕩けているから大した痛みもなく、包み込むように蠢きながらその物体を受け入れている。


「…っ、ぁ…ああ…」


何度も擦ったり、引いたりして入ってくるモノに、背中をびくびくと震えさせた。

痛くはない。
むしろ、かなり蕩けている孔の内壁にごりごりとしたちんちんが擦れる感触は気持ちが良い。

挿入される間にも、ゆさゆさと前後左右に揺れて孔の温度や変化を堪能され、擦れるたびに声が漏れて腰が甘く痺れた。

けど相変わらず孔に挿入される感覚だけは慣れなくて、

…というか


「…?、ん、は…っ、」


孔で隅々までリアルに感じる…優さんのちんちんの感触。
まだ良いって言われてないから、必死に目をあけたいのを我慢した。

(…どうしてだろう。なんか、…)

……いつもと太さとか、長さとかが違うように感じるのは…気のせい、なのかな。
普段なら嬉しくて、幸せで、それだけしか感じられないはずのそのちんちんの形に、何故か疑念が生じた。

それに、顔の前にある何かの荒い息は余計に酷くなって、もっと匂いもきつくなった。


…と、


「…ぇ…?」


何故か、『犬』に犯されていた。


「あーあ、目開けちゃった」


くす、と笑う優さんの声は、目の前からじゃない。
少し離れたところからで。

今俺とセックスしている相手のはずなのだから、すぐ傍にいなければならないなのに。


「…ひっ、どう、いう…」


別人…というか、『人』ですらない。

――――すぐ目の前に、普段の道端では見るはずもない………発情している犬の顔。

黒色の毛で覆われていて、前足を俺の胸元において、興奮した様子で舌を出していた。

視界には映っているのに、
何も理解できていなくて、
理解したくなくて、

おれ、は


―――――――



「―――っ、…ぅ、……」


半ば強引に、意識を覚醒させた。

ゆっくりと重い瞼を持ち上げる。
泣きすぎた後みたいに、目が痛い。
頬も濡れて固まってしまっているように肌に何かが張り付いてるみたいだった。

…それに身体が酷く怠くて、指一本動かせるような気がしない。


けど、


「…は、……は、…ぁ、…」


無理やり目を開けたせいで、心臓の鼓動が早くてとまらない。

けど、身体に回されている腕と覚えのある包み込むような体温によって、一瞬でそんな不快感は消えた。

顔をあげる。


(…ああ、優さんが、…)


「…抱きしめて、くれてる…」

「起きて初めての言葉がそれなんだ?おはよう、るう。よく眠ってたね」

「…ん、って、た…」


頭がうまく働かないけど、何か返したいから、とりあえず呂律の回らない舌でおうむ返しをしてみた。

寝起きに好きな人に微笑まれ、言葉をかけてもらえる。
なんて幸せなことなんだろう。

それから優しい手にも髪を撫でてもらえて、その腕の中で緩んだ笑顔を零した。

…だけど、

先ほどの光景に涙があふれ、声が漏れる。
なんで、体がこんなに痛いんだっけ。と記憶を探って、ぎゅっと眉が中心に寄った。


さっき、の、


(…おれ、……犬、に、)


鮮明に思い出してしまった。
反射的に込み上げてきた嘔吐感と涙に口をおさえる。


「ぅ…っ、ぇ…ッ、」

「体調悪い?」


心配そうな表情で背中を擦ってくれる手に、首をふるふると横に振った。
身体に何か異常が起きてて熱があるとか、そういうのじゃない。


「ちが、…っ、きのう、の、いぬの…」


やっとのことで言葉を絞り出す。

そうだ。さっきの、耳の形とか顔の雰囲気に、なんとなく見覚えがあるような気がした。

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