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2【動き出す思惑】
2-11強制ラット(1)※
しおりを挟む「んっ、ぅ……は、」
「ふー…ふー、」
溺れてしまうのではないかと錯覚するほど激しく求められる口付けから一度解放され、ソファとローテーブルの狭い隙間で横たわる僕を組み敷くように上から見下ろす楓真くんの中心はスーツのズボンをキツく押し上げるよう強く主張している。
余裕なんて一切ないくせに、僕を傷付けないよう自分の唇を強く噛み必死に理性と戦う苦しそうな楓真くんの表情を見上げていると、どうにかしてあげたいと、思ってしまうんだ。
「楓真くん……僕は、大丈夫だよ」
「っ、で、も…これ、はマジでやばい…やつ、」
「そうだね、目がギンギンしてる」
ふふ、と笑いながら手を伸ばし楓真くんの頬を撫でる。
「っ、つかさ…さん――」
あつく熱を帯びた頬や耳の裏、首筋を順々に撫で、肩まで到達すると不意にくいっと僕の方へ引き寄せる。あまり強く力を入れずとも、抵抗なくされるがままな楓真くんをよしよしと抱き寄せ、仰向けによこたわる僕の胸の上へ頭をかき抱くとギュッと両腕で抱きしめた。
「自分が一番辛くて苦しいのに、僕の事を一番に気にしてくれる楓真くんは優しくていい子だね…」
「っ――」
「だから、そんな楓真くんに僕は身を委ねるよ」
「……つかささん」
そろりと顔を上げた楓真くんの普段稀に見る余裕のない表情と、額には汗を滲ませた様子に苦笑を浮かべ、再び腕を持ち上げるとわざとオメガのフェロモンが強く香る首筋に抱き寄せ、耳元で囁いた。
「我慢、しなくていいんだよ――」
「っ、」
息を呑んだ楓真くん。
黙り込むこと数分、小さく、「ごめんなさい…」と聞こえたが最後、一気に楓真くんのフェロモンがぶわっと広がり、かと思った次の瞬間――首筋をガッと容赦なく噛まれた強い衝撃にギュッと目を瞑り、じわじわ広がる痛みを紛らせる為、身体をまさぐる手の感触に集中した。
シャツ越しの脇腹や胸元などへの愛撫は確実に僕を昂めていく。ドクドクと早まる鼓動。身体は確実にアルファを受け入れる体勢に入りつつあった。
「っ、ふ、…んぅ」
直接触られず疼く下半身からどうにか快感を得ようと無意識のうちに立てた膝どうしを擦り合わせていると、不意に体を起こし自分のスーツのジャケットとネクタイを煩わしげにソファへ放った楓真くんは、僕のネクタイも解いてシャツのボタンを開けていく。
その間、僅か数秒。
あっという間にシャツは全開で素肌を晒し横たわる僕を焦点の合わないボーっとした目で見下ろす楓真くん。
しかしその目の下に潜む欲情はしっかり僕を捕え、口元を僅かに汚す血液を妖艶にぺろりと舐めとる光景を、ゴクリと息を呑んで見つめていた。
そっと頬を撫でる優しい手の感触にすらビクッと反応してしまう。
「………腰、動いてる……かわいい」
「っ」
ふっと笑う楓真くんの言葉にカッと顔を熱くすると突然いまだ一度も触れられていなかった下半身の股の間をズボン越しにすーっとなぞられ、ビクッと身体を固くする。そんな僕をさらに容赦なくトンットンットンッと中指がある一点をノックし追い詰めていく。
そこは、普通の男だったら濡れるはずのない、オメガ男性の特別な場所。
「ぁ……あっ…」
「聞こえる?ズボン越しに、くちゅ、って」
「やめ、ぁっ…や……」
音でも僕を昂めようとわざと卑猥な音を響かせ、じわぁと下半身を熱くさせる。
だんだん余裕をなくしている間にも気付けば腹部に股がっていたはずの楓真くんは僕の股の間に移動し、大きく開かされた股はズボン越しにお互いの凹凸がぴったり擦り合いもどかしい快感を生み出していた。
「んぁっ、あ、ふ…」
「あーーー今すぐここに入りたいぐちゅぐちゅなつかささんの中、入りたい、いい?ねぇ、入ってもいい?」
「あっ、あ、あっ」
「いいよね、俺のためにぐちゅぐちゅになってくれてるんだよね」
耳元で乞い願う楓真くんの言葉を聞かされながら下半身は邪魔な布があと一歩をくれない生殺し状態。
既に頭は楓真くんが欲しいで埋め尽くされていた。
「は、は…ね、つかささん、一緒に気持ちよくなろ」
「んっ、んぅ」
こくこくと無我夢中で頷く僕の返事を確認したのかしてないのか、一気に下半身を覆う布全てを引きずり下ろされ中途半端に片足に引っかかったまま。どろどろに濡れたそこは突然外気に晒されひくついている。
はやく……
はやく、埋めて欲しい…
おなかいっぱい、大きいのでぐずぐずに、し──
「っ!!んぁ───」
楓真くんが欲しいしか考えられなかった思考回路すらも停止させる熱くて硬い物が一気に僕を貫いた。
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