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2-2 媚薬
しおりを挟む自分の言葉には責任を持つこと。
この言葉の重要さをこの日、身をもって体感するのだった。
「あっぁぁっ、んっぅあ、んんっ」
ついさっきまでソファに押し倒されていた身体はいつの間にか床までズリ落ち、座面に縋り付くよう後ろから楓真くんに激しく突かれていた。
腰を突き出し膝立ちの脚の間には楓真くんの脚が入り込み、突かれる度に自然と脚を開かれていく。そしてその振動は僕の性器をも触ってないのに追い詰めていく。動く度にソファに擦られてしまうのだ。
「ぁ、ふ、ふまく、ふまくっ」
「は……つかささん、きもち?」
「んっ、んぅ、」
両手はそれぞれ上から覆い被さるように顔の横で繋ぎ、右を向けば楓真くんの顔が覗き込んでくる。その顔が近づき、唇を受け入れた時、舌で渡される甘いモノ。
3粒目のチョコレート
気付いた時には楓真くんと僕の舌の間で跡形もなく無くなり、残味を探すかのようにお互いの甘い舌を絡め合う。
楓真くんまで食べてしまった。
2人で媚薬を盛りあったら、果たしてどうなってしまうのか……期待と不安でお尻がきゅんっと疼く。
「ん?つかささん、いま何を想像したの?」
「ぁ、な、にも」
「嘘。えっちなこと考えたでしょ」
その瞬間、前後ではなくグルリと大きく円を書くようにグラインドされた。
「ひぁっ」
「感度、また上がったね」
「あ、ぁっ、ん、ごりごり、されるの気持ちぃ」
素直にそう言えば弱い一箇所を集中的に攻められ脚がガクガク痙攣を起こす。
どうしよう、さっきから気持ちいいが止まらない。
次第にそれは何か射精とは違う爆発寸前の昂りへと姿を変え、追いつかない快感に頭はパニックを起こす。
「ふ、ふまく、なんか、なんかくる、なんかきちゃぁ――」
たすけて――その言葉を言う暇もなく、
プシャァァァ
性器から勢いよく放出される、精液でも、尿でもない、透明のサラサラなモノ。それがソファと床のカーペット一面の色を変えさせた。
羞恥で涙が止まらなかった。
「ひっ、ひぅ、も、もらしちゃ……」
「おもらしじゃないです、つかささん」
「ひっく、っひ、でも」
「大丈夫大丈夫、初めてですもんね――潮吹き」
潮、これが……
そういう知識は知っていたが、まさか自分が体験するとは思いもしなかった。
とにかく、おもらしじゃない、この事実への安堵に一気に脱力感が激しい。
気付けばふっと意識を手放していた。
*****
あまりにも刺激が強かったのか、お尻に俺のモノを入れたまま、つかささんは意識を失ってしまった。
あまりにも視覚の暴力なこの光景に、このまま好き勝手に動いてしまいたい、そんな欲を必死に抑え、そっとつかささんの中から名残惜しげに抜き去る。
こぽっと中に出した白濁がつーと溢れ、内ももを伝う光景は何度見ても絶景で第二の視覚の暴力。
ぐっと我が身を落ち着かせると、このまま残っているモノも出してしまおうと、眠るつかささんのおしりの穴をくにくに弄りながら改めてチョコレートの効果の絶大さを思い起こす。
実際、媚薬入りのチョコレートは最初の一粒のみだった。
あとはただのチョコレート。
勝手に媚薬入りだと思い込んだつかささんはどうやらマインドコントロールが効きやすいようだ。感度が倍どころか潮をふくくらい上がっていた。
最初、花ちゃんに媚薬入りチョコレートの話を聞いた時は半信半疑だった。どうせお酒の酩酊状態とほぼ変わらないだろう、と。だけど、お膳立てはしっかりいただくタイプ。
つかささんがお風呂へ入っている間にリビングに放置されていたチョコレートを確保し、あとはさっきの通り。感じるつかささんの色っぽさもさることながら、とにかく中が凄かった。うねって離さない蠕動運動は正直こちらまでもってかれてしまうかと何度もヒヤヒヤした。
普段と違うセックスになったことを満足に思いながら手元に残った残り4粒。
使い続ければ変なクセがついてしまいそうだ、と苦笑するともうこれは使わないかな、とせっかく用意してくれた花ちゃんに心の中で謝罪し、処分を決める。
何ものにも頼らず、つかささんが満足できるセックスを極めればいい。
「次は純粋に俺だけで気持ちよくなってくださいね」
眠るつかささんにキスをおくり、そっと横抱きで抱き上げると大切に大切に寝室へ運んだ。
-END-
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