【BL R18】欠陥Ωの淫らな記録

カニ蒲鉾

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2-1 媚薬

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楓真(22)×つかさ(29)

 *****

 
 
「ぁっ、んぅ…ふ…ま、く……」
「は……つかささん…」
 
 
 こんなにも激しく乱れた姿を楓真くんに晒し、恥ずかしくてたまらない。
 けれど、どうしても身体の疼きが止まらない。
 
 
 これも全て、職場の後輩、花野井くんが持ってきた謎のチョコレートが全ての元凶だった。
 
 
 
 ◆◇◆◇◆
 
 
 
「先輩じゃぁ~ん!僕、手に入れてしまいました!」
「?なぁに、それ」
「ふっふっふ…魔法のチョコレートです!」
 
 
 いま若者のあいだではやっているという、一粒食べると普段の倍感度が上がる魔法のチョコレート。
 それを面白半分で手に入れてきた花野井くんは、先輩ぜひ楓真くんと試してくださいっと僕に渡してきた。
 もちろんそんな怪しげなものを口にできるはずもなく、丁重にお断りした――はずだった。
 
 
 仕事が終わり、同じ職場のパートナー…楓真くんよりも先に帰宅した僕は見慣れない包装の綺麗な箱が1つカバンの中に入っているのをリビングで見つけ、ため息を漏らす。
 
 
 断ったはずのチョコレートを家まで持って帰ってきてしまった。
 
 
 見た目は普通のチョコレートと何も変わらないそれを、誤って楓真くんが食べてしまわぬようしっかり処分しなくては。
 この時、すぐにそれをすればよかったのに、一旦リビングの机に置き、先にお風呂を済ませようと浴室へ向かってしまったのがいけなかった。
 
 
 
 お風呂からあがると、いつの間に帰宅したのか、仕事から帰った楓真くんが部屋着に着替えリビングで寛いでいた。
 
 
「楓真くん、帰ってたんだ。おかえりなさい」
「つかささんもお疲れ様です」

 
 肩にかけたタオルで髪の毛を乾かしながら楓真くんの座るソファまで近寄り自然と交わすおかえりのキス。
 おはようからおやすみ、行ってきますからおかえりなさい、全ての挨拶にキスが伴うようになったのはいつからだったか……思い出せないほどいつの間にか二人の間で自然な行為となっていた。
 
 
 髪乾かすからココ座って、と示されたソファに座る楓真くんの足元の床へ腰を下ろす。
 ドライヤーを持って戻ってきた楓真くんの優しい手つきで髪を乾かしてもらっていると、その心地良さについ寝てしまいそうになっていた。
 
 
「眠いですか?」
「んー…んーん、せっかくの金曜だからもっとゆっくりしたい」
 
 
 明日は土曜で休日、しかも何も予定のない日だった。そんな日はゆっくりお酒でも飲みながら夜更かししてしまいたい。
 
 
「じゃあ一杯やります?」
「賛成」
 
 
 にっと笑いお酒とおつまみを取りにキッチンへ向かう楓真くんを見送り、僕はテーブルの上を簡単に片付け整えた。
 
 
 この時にはもう頭の中からすっかりチョコレートの存在など抜けてしまっていた。
 
 
 
 
 ワイングラスを数杯飲み干した頃、程よいほろ酔い気分で楓真くんの肩に頭をあずける。
 
 楓真くんが適当に口に入れてくれるチーズのおつまみを与えられるがまま咀嚼していると、いつの間にかそれが甘いチョコレートに変わっていた。
 ひとつ食べ終え、チョコレート……と何か引っかかりを覚えながらもふたつ目が与えられ、唇で受け取る際に楓真くんの人差し指も一緒に押し入ってくる。
 
 
「ん」
 
 
 すぐに消えてなくなるチョコレートと違って、楓真くんの指は無くならない。
 指についたチョコを舐めて、と言われているかのように執拗に口内の舌をくすぐってくる指に次第に息があがる。
 
 
「ん、んぁ、ん」
 
 
 僕の手にあったグラスはとっくの昔に楓真くんによって机の上に置かれ、隣合って座っていた格好はいつの間にか天井を見上げていた。
 
 
 何故かさっきから普段以上に息が上がって心臓も激しく脈打っている気がする。
 それに、触ってもない前が僅かに頭をもたげはじめていた。
 
 
 一体なぜ―――
 
 
 混乱している間にも口の中の指は二本に増え、くちゅ、くちゅと音を立てながら上顎を交互に擽り快感を植え付けてくる。
 
 
「んぅ、ぁ……っは、は、はぁ…」
 
 
 満足したのか一度抜かれた指が再びチョコレートを持って目の前に戻ってくる時、突然、はた、とその存在を思い出した。
 
 
「………ぇ、っあ、それ、もしかして、」
「気づきました?リビングのテーブルの上にあったチョコレートです。これ、花ちゃんから貰ったやつ、ですよね?」
 
 
 ―――媚薬入りの
 
 
 耳元で囁かれにこりと微笑まれる。
 
 
「っ――」
 
 
 若者の間ではやっている一粒食べれば感度が倍になる魔法のチョコレート。
 
 
 そんなチョコレートを既に2粒も食べてしまっている。
 
 
 自覚した途端、ドクンッと心臓が大きく跳ねた。
 
 ドクドクドクと、血液がすごいスピードで身体中を駆け巡るのを感じる。それは下半身のそれも同様で、下着やズボンを押上げ完全に立ち上がっていた。
 
 
「ぁ、あ……は、あつ、ぃ」
 

 フェロモンを感じることのできない僕は、自分のフェロモンが今どういう状況かわからず判断できない。が、おそらく垂れ流し状態なのだろう、楓真くんが引き摺られている。
 
 
「くっ、効き目すご……安心してくださいつかささん。ちゃんと事前に安全な物という事は調査済みです。いくら花ちゃんから貰ったものとはいえ、得体の知れないものをつかささんの口に入れさせません。だから――」
 
 

 安心して乱れてください。
 
 
 
 
 
「ん、んぅ、んんん、ふまく、もいい、もぅいいからぁ」
 
 
 ソファに押し倒された僕の脚の間に陣取る楓真くんは僕のスエットと下着の中へ手を突っ込むとそのまま執拗に尻の穴を愛撫する。
 
 ぐちゅぐちゅぐちゅと、卑猥な音が鳴り響く。
 
 前は前で、脱がせて貰えない下着達が立ち上がった性器にまとわりつき、触ってもいないのに快感を拾っていた。
 
 
 射精もドライも、何度イッたかわからない。
 
 
 乱れる僕とはうってかわって覆い被さる楓真くんは衣服一つ乱れておらず、唯一下半身だけは、キツそうに存在を示していた。
 
 
 
 もう、指でイキたくない。
 
 
 
「ふ、ふうまく、んっ、ぁ、あっゆび、もうゆびやだやだぁふうまくのいれ――あぁっっ」
 
 
 最後に一度、ぐりっと強く押された前立腺で再び頭が真っ白になった僕が正気に戻るよりも先に一瞬でズボンと下着を剥かれると、晒されたそこに熱い質量のモノがくちゅ…と当てられる。
 
 
「ぁ、あ、」
 
 
 指より何倍もの太さのものがゆっくり、ゆっくりと飲み込まれていくのは楓真くんが押し入っているからなのか、それとも僕の下が中へ中へと導いているからなのか……
 
 一番太い部分がつぷんっと通過した時には既に息が上がりきっていた。
 
 
「つかささん、まだ先っぽだけだよ頑張って」
「はっ…は、…ぁっ、んぅぅ、」
 
 
 ゆっくりがもどかしい。
 
 一気に奥をグリってして欲しい、そう言えたらどんなに楽か、僅かに残った理性が邪魔をして欲しい快感が得られない。
 
 でも、このまま焦らされるのは地獄だ。
 
 
「ふ、まく……」
「ん?なぁに?つかささん」
 
 
「もっと、激しいの……して」
 
 
「……」
 
 
 
 
 
 
 
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