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ロストソードの使い手編
七十九話 支えてくれる二人
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夢を見た。それは中学生の頃の僕とアオの日々のダイジェストだった。昔のようになってしまった彼女を見たからそんな夢が浮かんでしまったのだろう。
その夢は起きてもはっきりと覚えており、同時に奥底に閉まった記憶の箱を開けてしまう。
中一になると僕とアオは幼少期の時とは真反対の性格になっていた。僕は人間関係に苦手意識持ち始め、内向性が上昇。一方アオは順当に社交的な性格になっていき、多くの人と繋がりを広げるようになっていた。幼馴染として似たような環境に過ごしていたのに、圧倒的な差がついてしまう事に。
僕はその状況を目の当たりにし、彼女との間に大きな壁があるように感じて、隣に立つのは相応しくないと考えるようになって。けれど、アオは部活で時間が合わなくてもクラスが違っても、可能な限り僕と会おうとしてくれて、いつも明るい笑顔と楽しい会話を与えてくれた。友人も居場所も少なかった僕にとってそれは救いでもあったんだ。だからそんな日々を過ごしている中で、僕はアオの事を考える事が増えて、少ない彼女とのやり取りを頭の中で反芻するようになっていって。心のどこかにあった芽が大きくなって、何かが花咲くそんな感覚があった。
けれど、それは中二となりアオがいじめを受けてしまって苦しんで、最終的に死を選んだあの絶望の日々によって踏み潰される。そして僕が余計な事をした、そんな罪悪感と後悔、絶望それが今までのアオに対する感情を真っ黒に塗りたくって上書きされた。
それからは世界は灰色に朽ち果て、僕は当てもなくただアオを求めて、救いを求めて、さながら亡霊のように生き続けた。
※
「……アオ」
身体を休めようとベッドに横になっていたはずが、いつの間にか眠ってしまったらしい。窓を見ると陽はまだ明るく、まだまだ高い位置にいる。昼ぐらいだろうか。感覚的には数時間ぐらい夢の中にいた気がするけど、寝ていたのは一時間程度かな。
「もふもふだ」
僕の周りにはぬいぐるみが沢山置いてあり、その中のコノのぬいぐるみに触れる。抱きしめたくなるが、少し抵抗感があり頭を撫でるに留めた。それだけでも何だか癒される。けれど、ふとそのすぐ傍にある狂気うさぎが目に止まってしまった。
「……『ギュっとウサたん』って言うんだっけ」
いかにも抱きしめてくださいというネーミングだけど、それを避けたくなるようなデザインをしている。
正直僕の好みではないのだけど、この子を作ったのはギュララさんで、それをプレゼントをしてくれたのはモモ先輩で。二人の想いが詰まっていて、大切にしなくちゃいけない。
「……っ」
僕はおもいきってウサたんを胸の中に受け入れた。すると、シルクのような柔らかな肌触りとふんわりとした感触がとても心地いい。流石、名前に相応しい質をしている。この状態で横になれれば気分良く眠れそうだ。顔さえ見なければ。
「さてと」
ウサたんをしっかりと堪能したところで、起き上がり部屋を出た。
「では、失礼しますね」
廊下に出ると、コノがアオの部屋の前にいて何か話しているようだった。ただ、今のタイミングで終わったのか、僕に気づくとトコトコとこちらに向かってくる。
「ユウワさん、その大丈夫ですか?」
「大丈夫だけど……どうして?」
「モモさんから色々お聞きしました。それで、ユウワさんがしばらく戻って来なくて、モモさんもとても心配されて。塞ぎ込んで出てこなくなるんじゃないかって」
コノは僕の様子を知ろうと、不安の色を瞳に映して覗き込んでくる。
「えっと、さっきまで寝ちゃってたんだけど、時間ってどのくらい経ったのかな」
「一時間半くらいです。というか寝ていたんですね」
「うん。まぁ落ち込んではいたけど、寝て少し良くなったから心配しないで」
流石に一時間ちょっと出てこなかっただけで、心配し過ぎな気もする。罪悪感もあるけれど、そう思ってくれる存在が何人もいるのは嬉しかった。
「それで、コノはどうしてアオの部屋に?」
「ユウワさん達と別れた後に、アヤメさんから色々と教えてもらってから、空いているお部屋を使わせてもらう事になったんです。それで、荷物を置いて環境を整え終わったので、今さっきまでミズアさんにもご挨拶をしていたんです」
「話せたの?」
「はい。でも、名前とよろしくお願いしますくらいしか言えませんでした。ミズアさんもコノによろしくとは言ってくれたのですが、お聞きしていた通り元気がなくて。色々お話をしたかったのですけどね」
関係が浅いからこそ、という可能性もあったけどそう上手くはいかないみたいだ。
「あのユウワさん」
「な、何かな」
「頼りないかもですけど、力になれることがあればコノに言ってくださいね。全力でサポートしますよ!」
「ありがとう、本当に困ったらお願いね」
あの頃のままだったら、きっと沈んで起き上がれなかった。今はモモ先輩やコノが引き上げてくれる。その存在だけで大きな呼吸が出来た。
「そうです、早くモモさんを安心させてあげないといけません」
「そうだね」
そう僕達は一階の居間に向かった。扉を開けると、まず目に入るのは部屋の中を神経質に歩き回ってるモモ先輩。そして次にキッチンの方でまな板と包丁がぶつかる音がしていて、そこには料理をしているエプロン姿の林原さんがいた。
「は、はやし――」
「ユーぽん!」
そちらに意識を取られている隙に、モモ先輩が飛び込んで抱きついてきた。
「も、モモ先輩?」
「心配したのよ? 中々呼びかけても返事なくて。もしかしたらミズちゃんと同じになるんじゃないかって」
「ごめんなさい、ちょっと寝ちゃってて。ですけど、おかげで少し気分も良くなったので大丈夫です」
安心してもらえるよう語りかけると、身体を少し離して様子を伺うように僕を見上げてくる。
「そうなのね……良かったわ。でも、あんまり心配かけさせないでよね」
「は、はい」
怒られると思ったけど意外にも、口元をムッとさせるだけで優しい言葉をかけてもらえた。
「ふふん、どうコノハ? これがあたし達の先輩と後輩の関係性よ」
「むむ、コノだって負けてませんからっ。ねっ、勇者様?」
「え、えーと。どっちも大切……というかなんというか」
先輩と後輩、お姫様と勇者、いつの間にか二つの関係性を持っていた。一方は現実的なもので、もう片方はファンタジー的なもので。何だか不思議な感じがする。
でも、どっちが上かなんて決められない。
「ユーぽんはそう言ってるけど、あたしの方が先だし、彼の本当の姿をしてるのよ」
「コノだって、ユウワさんの凄さも知ってますし、真剣に考えてコノの事を守り続けてくれるって言ってきましたもん」
再び争いの火蓋が切られてしまった。仲が良いのはいいのだけど、モモ先輩は隙あらば煽らないで欲しいし、コノはすぐに乗らないで欲しい。
「ふ、二人共争わないで。どっちも大事だから。それよりも、林原さんの事で……」
猫パンチを打ち合うような喧嘩を静止しようとしながら、今一番気になっている林原さんの方を見ると、彼がこちらに向かってきていた。
「日景くん」
「は、はい……」
僕に鋭い視線が向けられ、そのまま歩み寄ってきた。相変わらず顔にも声にも感情の色が見えない。これから何を言われるのか、見当もつかず緊張が走る。周囲では二人の関係性バトルが起きているものの、その声は遠くに聞こえて目の前だけに意識が集中した。
「君は」
「……っ」
「カレーでは甘口と辛口、どっちが好みだ?」
「……へ?」
身構えて覚悟を決めたのを裏切るように、そのあまりにも日常的で家庭的な質問が飛んできて、呆けた声が思わず出てしまった。
「甘口……です」
「了解」
答えを聞くと戻って行ってしまいまた料理をし始める。
それから僕はしばらく何もできず、ただただ林原さんを見つめて何を考えているのか観察し続けた。そんな僕の周りでは、女子二人はじゃれ合い続けていた。
その夢は起きてもはっきりと覚えており、同時に奥底に閉まった記憶の箱を開けてしまう。
中一になると僕とアオは幼少期の時とは真反対の性格になっていた。僕は人間関係に苦手意識持ち始め、内向性が上昇。一方アオは順当に社交的な性格になっていき、多くの人と繋がりを広げるようになっていた。幼馴染として似たような環境に過ごしていたのに、圧倒的な差がついてしまう事に。
僕はその状況を目の当たりにし、彼女との間に大きな壁があるように感じて、隣に立つのは相応しくないと考えるようになって。けれど、アオは部活で時間が合わなくてもクラスが違っても、可能な限り僕と会おうとしてくれて、いつも明るい笑顔と楽しい会話を与えてくれた。友人も居場所も少なかった僕にとってそれは救いでもあったんだ。だからそんな日々を過ごしている中で、僕はアオの事を考える事が増えて、少ない彼女とのやり取りを頭の中で反芻するようになっていって。心のどこかにあった芽が大きくなって、何かが花咲くそんな感覚があった。
けれど、それは中二となりアオがいじめを受けてしまって苦しんで、最終的に死を選んだあの絶望の日々によって踏み潰される。そして僕が余計な事をした、そんな罪悪感と後悔、絶望それが今までのアオに対する感情を真っ黒に塗りたくって上書きされた。
それからは世界は灰色に朽ち果て、僕は当てもなくただアオを求めて、救いを求めて、さながら亡霊のように生き続けた。
※
「……アオ」
身体を休めようとベッドに横になっていたはずが、いつの間にか眠ってしまったらしい。窓を見ると陽はまだ明るく、まだまだ高い位置にいる。昼ぐらいだろうか。感覚的には数時間ぐらい夢の中にいた気がするけど、寝ていたのは一時間程度かな。
「もふもふだ」
僕の周りにはぬいぐるみが沢山置いてあり、その中のコノのぬいぐるみに触れる。抱きしめたくなるが、少し抵抗感があり頭を撫でるに留めた。それだけでも何だか癒される。けれど、ふとそのすぐ傍にある狂気うさぎが目に止まってしまった。
「……『ギュっとウサたん』って言うんだっけ」
いかにも抱きしめてくださいというネーミングだけど、それを避けたくなるようなデザインをしている。
正直僕の好みではないのだけど、この子を作ったのはギュララさんで、それをプレゼントをしてくれたのはモモ先輩で。二人の想いが詰まっていて、大切にしなくちゃいけない。
「……っ」
僕はおもいきってウサたんを胸の中に受け入れた。すると、シルクのような柔らかな肌触りとふんわりとした感触がとても心地いい。流石、名前に相応しい質をしている。この状態で横になれれば気分良く眠れそうだ。顔さえ見なければ。
「さてと」
ウサたんをしっかりと堪能したところで、起き上がり部屋を出た。
「では、失礼しますね」
廊下に出ると、コノがアオの部屋の前にいて何か話しているようだった。ただ、今のタイミングで終わったのか、僕に気づくとトコトコとこちらに向かってくる。
「ユウワさん、その大丈夫ですか?」
「大丈夫だけど……どうして?」
「モモさんから色々お聞きしました。それで、ユウワさんがしばらく戻って来なくて、モモさんもとても心配されて。塞ぎ込んで出てこなくなるんじゃないかって」
コノは僕の様子を知ろうと、不安の色を瞳に映して覗き込んでくる。
「えっと、さっきまで寝ちゃってたんだけど、時間ってどのくらい経ったのかな」
「一時間半くらいです。というか寝ていたんですね」
「うん。まぁ落ち込んではいたけど、寝て少し良くなったから心配しないで」
流石に一時間ちょっと出てこなかっただけで、心配し過ぎな気もする。罪悪感もあるけれど、そう思ってくれる存在が何人もいるのは嬉しかった。
「それで、コノはどうしてアオの部屋に?」
「ユウワさん達と別れた後に、アヤメさんから色々と教えてもらってから、空いているお部屋を使わせてもらう事になったんです。それで、荷物を置いて環境を整え終わったので、今さっきまでミズアさんにもご挨拶をしていたんです」
「話せたの?」
「はい。でも、名前とよろしくお願いしますくらいしか言えませんでした。ミズアさんもコノによろしくとは言ってくれたのですが、お聞きしていた通り元気がなくて。色々お話をしたかったのですけどね」
関係が浅いからこそ、という可能性もあったけどそう上手くはいかないみたいだ。
「あのユウワさん」
「な、何かな」
「頼りないかもですけど、力になれることがあればコノに言ってくださいね。全力でサポートしますよ!」
「ありがとう、本当に困ったらお願いね」
あの頃のままだったら、きっと沈んで起き上がれなかった。今はモモ先輩やコノが引き上げてくれる。その存在だけで大きな呼吸が出来た。
「そうです、早くモモさんを安心させてあげないといけません」
「そうだね」
そう僕達は一階の居間に向かった。扉を開けると、まず目に入るのは部屋の中を神経質に歩き回ってるモモ先輩。そして次にキッチンの方でまな板と包丁がぶつかる音がしていて、そこには料理をしているエプロン姿の林原さんがいた。
「は、はやし――」
「ユーぽん!」
そちらに意識を取られている隙に、モモ先輩が飛び込んで抱きついてきた。
「も、モモ先輩?」
「心配したのよ? 中々呼びかけても返事なくて。もしかしたらミズちゃんと同じになるんじゃないかって」
「ごめんなさい、ちょっと寝ちゃってて。ですけど、おかげで少し気分も良くなったので大丈夫です」
安心してもらえるよう語りかけると、身体を少し離して様子を伺うように僕を見上げてくる。
「そうなのね……良かったわ。でも、あんまり心配かけさせないでよね」
「は、はい」
怒られると思ったけど意外にも、口元をムッとさせるだけで優しい言葉をかけてもらえた。
「ふふん、どうコノハ? これがあたし達の先輩と後輩の関係性よ」
「むむ、コノだって負けてませんからっ。ねっ、勇者様?」
「え、えーと。どっちも大切……というかなんというか」
先輩と後輩、お姫様と勇者、いつの間にか二つの関係性を持っていた。一方は現実的なもので、もう片方はファンタジー的なもので。何だか不思議な感じがする。
でも、どっちが上かなんて決められない。
「ユーぽんはそう言ってるけど、あたしの方が先だし、彼の本当の姿をしてるのよ」
「コノだって、ユウワさんの凄さも知ってますし、真剣に考えてコノの事を守り続けてくれるって言ってきましたもん」
再び争いの火蓋が切られてしまった。仲が良いのはいいのだけど、モモ先輩は隙あらば煽らないで欲しいし、コノはすぐに乗らないで欲しい。
「ふ、二人共争わないで。どっちも大事だから。それよりも、林原さんの事で……」
猫パンチを打ち合うような喧嘩を静止しようとしながら、今一番気になっている林原さんの方を見ると、彼がこちらに向かってきていた。
「日景くん」
「は、はい……」
僕に鋭い視線が向けられ、そのまま歩み寄ってきた。相変わらず顔にも声にも感情の色が見えない。これから何を言われるのか、見当もつかず緊張が走る。周囲では二人の関係性バトルが起きているものの、その声は遠くに聞こえて目の前だけに意識が集中した。
「君は」
「……っ」
「カレーでは甘口と辛口、どっちが好みだ?」
「……へ?」
身構えて覚悟を決めたのを裏切るように、そのあまりにも日常的で家庭的な質問が飛んできて、呆けた声が思わず出てしまった。
「甘口……です」
「了解」
答えを聞くと戻って行ってしまいまた料理をし始める。
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