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番外編(本編の内容とは少し異なります。時系列バラバラです)
新しい世界2
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(クーシャとリオノーラのお出かけ、リオノーラside)
「クーシャ、今日は宜しくね」
「はい」
思い立ったら即行動である。
題して「クーシャの笑顔を見てみたい」作戦の開始である。
「スフレも行きたい」と間違いなく言われてしまうので、バレないように父と母に協力してもらい計画を立てたのだった。
クーシャはリオノーラの提案に一瞬だけ戸惑った様子を見せたものの、大人しく頷いた。
護衛には背後からついてきてもらい、クーシャと町に出た。
クーシャリオノーラの背はそんなに変わらない。
むしろ少し小さい位だ。
可愛いくて綺麗な弟を連れて、お出掛けできるのは良い気分である。
「クーシャは甘いものと、しょっぱいもの、どっちが好きかしら?」
クーシャは大抵、質問すると『どちらでもいい』とか『姉上が好きな方で』と言って人に選択肢を預けてしまう。
だから今日は作戦を考えてきたのだ。
必殺、選択肢は二つだけ。
どちらかは必ず選ばせるようにもっていく。
こうして選択肢を狭めていけば、クーシャの好みが絞られていくという作戦なのだが……。
「僕は……」
「うんうん!」
「食べられれば何でもいいです」
「……!?」
結局、選択肢はリオノーラに委ねられてしまう。
しかしここでめげたりしない。
(ーーー次よ、次ッ!)
この時は自分が思っているよりも、ずっと手強いクーシャに翻弄される事になるとは、まだ思っていなかった。
雑貨屋ににて。
「クーシャ何か欲しいものある……?」
「いえ、特には」
ブティックにて。
「これ、クーシャに似合いそうね!」
「そうですか……覚えておきます」
アクセサリーショップにて。
「うーん、どっちのアクセサリーがクーシャに似合うかしら」
「このネックレス、姉上に似合いそうです」
路面店にて。
「クーシャの好きなものを買いましょうか?パン?クッキー?あ、やっぱりお肉?」
「食べられれば何でもいいです」
(デジャヴゥゥウッ……!!)
相変わらず表情が読めないクーシャ。
そして手札が無くなり困り果てていた。
休憩がてらカフェに入り、ケーキと紅茶を頼む。
問いかければ答えてくれるものの、会話は弾むことも盛り上がることもない。
元々反応が薄いため、感情が分かりにくいのが難点だ。
どんなに隠そうとしても多少なりとも感情は滲み出るものだが、クーシャの場合は完全なる『無』である。
「姉上?」
「……」
「姉上、大丈夫ですか?」
「え、あ……っ、大丈夫よ……!」
(しまったああぁ!考え込みすぎてクーシャに余計な心配を……!)
「お待たせ致しました」
ナイスなタイミングでケーキと紅茶がやってきた。
美しくデコレーションがされたチョコレートケーキと良い香りがする紅茶にリオノーラは顔を綻ばせた。
流石、ゾイに聞いた噂のカフェは素晴らしい。
「わぁ……かわいい」
ケーキをパクりと口の中へと運ぶ。
クリームが口の中で蕩けて、生チョコレートがトロトロと舌の上で溶けていく。
少しほろ苦くて、甘さもちょうどよく大変美味しい。
「ん~!!」
「………」
「クーシャ、美味しい?」
「はい」
「こっちのケーキも美味しいわよ?」
「え……?」
「あーん」
「……っん!?」
「ふふ、美味しいでしょう?」
「あ………はい」
少し困ったように此方を見ているクーシャを見て、ハッ……とする。
もしかして、やり過ぎてしまったのではないか…と。
美味しいケーキを一緒に食べたいという気持ちでいたために、何も考えていなかった。
(なんて罪なチョコレートケーキ……!あまりの美味しさに我を忘れてしまったわ)
「クーシャ、今日は宜しくね」
「はい」
思い立ったら即行動である。
題して「クーシャの笑顔を見てみたい」作戦の開始である。
「スフレも行きたい」と間違いなく言われてしまうので、バレないように父と母に協力してもらい計画を立てたのだった。
クーシャはリオノーラの提案に一瞬だけ戸惑った様子を見せたものの、大人しく頷いた。
護衛には背後からついてきてもらい、クーシャと町に出た。
クーシャリオノーラの背はそんなに変わらない。
むしろ少し小さい位だ。
可愛いくて綺麗な弟を連れて、お出掛けできるのは良い気分である。
「クーシャは甘いものと、しょっぱいもの、どっちが好きかしら?」
クーシャは大抵、質問すると『どちらでもいい』とか『姉上が好きな方で』と言って人に選択肢を預けてしまう。
だから今日は作戦を考えてきたのだ。
必殺、選択肢は二つだけ。
どちらかは必ず選ばせるようにもっていく。
こうして選択肢を狭めていけば、クーシャの好みが絞られていくという作戦なのだが……。
「僕は……」
「うんうん!」
「食べられれば何でもいいです」
「……!?」
結局、選択肢はリオノーラに委ねられてしまう。
しかしここでめげたりしない。
(ーーー次よ、次ッ!)
この時は自分が思っているよりも、ずっと手強いクーシャに翻弄される事になるとは、まだ思っていなかった。
雑貨屋ににて。
「クーシャ何か欲しいものある……?」
「いえ、特には」
ブティックにて。
「これ、クーシャに似合いそうね!」
「そうですか……覚えておきます」
アクセサリーショップにて。
「うーん、どっちのアクセサリーがクーシャに似合うかしら」
「このネックレス、姉上に似合いそうです」
路面店にて。
「クーシャの好きなものを買いましょうか?パン?クッキー?あ、やっぱりお肉?」
「食べられれば何でもいいです」
(デジャヴゥゥウッ……!!)
相変わらず表情が読めないクーシャ。
そして手札が無くなり困り果てていた。
休憩がてらカフェに入り、ケーキと紅茶を頼む。
問いかければ答えてくれるものの、会話は弾むことも盛り上がることもない。
元々反応が薄いため、感情が分かりにくいのが難点だ。
どんなに隠そうとしても多少なりとも感情は滲み出るものだが、クーシャの場合は完全なる『無』である。
「姉上?」
「……」
「姉上、大丈夫ですか?」
「え、あ……っ、大丈夫よ……!」
(しまったああぁ!考え込みすぎてクーシャに余計な心配を……!)
「お待たせ致しました」
ナイスなタイミングでケーキと紅茶がやってきた。
美しくデコレーションがされたチョコレートケーキと良い香りがする紅茶にリオノーラは顔を綻ばせた。
流石、ゾイに聞いた噂のカフェは素晴らしい。
「わぁ……かわいい」
ケーキをパクりと口の中へと運ぶ。
クリームが口の中で蕩けて、生チョコレートがトロトロと舌の上で溶けていく。
少しほろ苦くて、甘さもちょうどよく大変美味しい。
「ん~!!」
「………」
「クーシャ、美味しい?」
「はい」
「こっちのケーキも美味しいわよ?」
「え……?」
「あーん」
「……っん!?」
「ふふ、美味しいでしょう?」
「あ………はい」
少し困ったように此方を見ているクーシャを見て、ハッ……とする。
もしかして、やり過ぎてしまったのではないか…と。
美味しいケーキを一緒に食べたいという気持ちでいたために、何も考えていなかった。
(なんて罪なチョコレートケーキ……!あまりの美味しさに我を忘れてしまったわ)
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