共鳴のヴァルキュリア (全話再編集完)

成瀬瑛理

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第7章―消えゆく命の残り火―

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「こんなことを言うのはなんですが、グラギウス艦長は戦い目的でここに来たわけではないので、この編成はそもそも…――」

ジノが然り気無く意見を言うと、雪矢はギロッと睨んで相手を黙らせた。 

「――ふぅ、疲れた。もう好きにしてよ」

 呆れた声で彼らに一言言うと、艦長の椅子からふらっと立ち上がった。部屋から出ようとするとジノは慌てて引き留めた。

「待って下さい! 何処に行くんですか!?」

「――うるさいなぁ。そんなの決まってるだろ? どうせこのまま美人薄命で終わる運命なら一層、美しい姿のままで死にたいからね。今からお肌の手入れしに行くんだよ。何か文句でもある?」

 雪矢はそう言って完全に諦めた様子だった。

「レモンパックくらいさせてよ。僕はこう見えてもね、お肌の管理にはうるさいんだよ」

「……では、お肌の手入れが済んだら戻ってきて下さい。副艦長までも不在は困ります」

「いいよ、戻って来るよ。でもその前に敵に此処がバレなきゃいいけどね?」

 皮肉混じりに言い返すと部屋を出ようとした。すると突然、外部からの連絡が入った。外部からの連絡が入ると直ぐにジノは慌てた様子で連絡をとった。

「こちらニック・ヒューイ! グラギウス艦長を無事に救出しました! 今、戦艦収容所の入り口まで来ました! 艦長は足を痛めて動くのが困難なので今すぐ救援をお願いします!」

「こちらオペレーターのジノ・ヒースだ。状況は理解した。今すぐそちらに救援部隊を送る。救援が到着するまでそこに待機せよ」

「了解です…――!」

 ジノは外部からの連絡を受けると直ぐにそれを報告した。雪矢はグラギウスが怪我をしたと聞かされると部屋を慌てて飛び出した。

 数分後、艦内に怪我をしたグラギウスが両脇に体を支えられながら、痛々しい様子で運ばれた。艦内は一時騒然となった。雪矢は廊下を走ると、急いで彼の元へと歩み寄った。

 グラギウスは左足を痛めながらも、毅然とした態度で振る舞っていた。そこに雪矢が血相をかきながら彼の名前を呼んで走ってきた。

『アーバスっ!!』

雪矢は彼の名前を呼ぶと、そのまま両手を広げて彼に飛びついた。

「アーバス! 会いたかったよ、アーバス~!」

 そう言って雪矢が飛びつくと彼は鬱陶しそうに言い放った。

『貴様、暑苦しいぞ!』

「だってだって~! アーバスがなかなか帰って来ないから、物凄く心配したんだもん! 会いたかったよアーバスっ!!」

「やかましい、大袈裟に言うな! 今朝までここにいただろ!? たったの5時間ばかり離れてただけなのに、何だその情けない顔は!?」

グラギウスはそう言うと、抱きつかれた手を払い除けた。
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