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番外編6 訓練終わりのガウェインと風呂
しおりを挟むアドラメレク宰相にサウナについて説明されたときは「これは茹でられるのでは……!?」と不安に思った俺だった。
しかし、案外慣れてみるとサウナとやらもなかなかいいものである。
汗が体から噴き出て、全身から悪いものが染み出ていくような感覚を味わえるのだ。
これはお嬢様が「お風呂」を褒めるのも良くわかる。
だが、それと同時に一つの疑問が生まれるのであった。
「お嬢様はどうしてお風呂について知っていた?しかも、慣れている様子であったな……」
ふと考え事をして、俺の意識が散漫になっているときだった。
サウナに持ち込んだタオルが、膝の上から床へスルリと落ちる。
隠すものを失った俺の愚息は、第3部隊の隊員たちに一般公開されてしまうのだった。
「おっ、ガウェインのデケえ!!」
第3部隊の隊員の一人が俺のあそこを見て騒ぐ。
他の隊員たちも「でけえ!!でけえ!!」と物珍しそうに見るのだった。
なんだか、他人にまじまじと見られると恥ずかしい。
俺は床に落ちたタオルを拾いなおして、ふたたび隠すように膝の上に広げた。
「おいおい!それ本当か!!?」
どこからともなく現れたマイケルが、俺の股間を注視する。
しかし、そこにはすでにバリケードの様にタオルが張られてあった。
その様子になんとも残念そうな様子で悔しがるマイケル。
それを見た他の隊員たちは「マイケルは見れなかったんだもんなー」と茶化す。
結局、サウナ対決を放り出してきたマイケルは俺の横に座って会話に混ざり始めるのだった。
後から来たビッケも「なになに?何の話?」と近くの椅子に座る。
サウナ室の一か所に集まる集団の様子は不思議であったが、案外悪い気はしなかった。
なんだか、騎士団での寮生活を思い出す。
伯爵家の人間として平民に混ざって訓練をしていた時はこんな感じだったなと、俺は懐かしいきもちになった。
「お前さん、魔王妃様のメイドさんとかどうなのよ?」
サウナの暑さと昔の思い出に浸っていると、マイケルが俺の肩に手を回してニヤニヤしながら話しだす。
騎士団時代もこんな調子でよく「女の子」の話をしたものだった。
彼の質問に対して「アリシアさんは素敵な人だけど、そんなんじゃないよ」と俺は答える。
たしかにアリシアさんは「女性の完成形」のような人だが、別に気になるような人ではない。
何か弄れるネタが出てくるのではないかと期待していたマイケルは、ガウェインの「尊敬できる職場の同僚だよ」という冷静な発言にショックだった。
「それじゃあ、魔王妃様とかどうなんだ?」
少し不真面目な感じに言うマイケルに対して、他の隊員たちも「いやいや、さすがにちびっ子はないでしょう!」とか「アリシア姉ちゃんを放っておいて魔王妃様はないぜ」とか失礼なことを言っていた。
不敬なことを言う隊員たちにアドラメレク宰相も「今は無礼講だが、風呂の外でそういうことは言うなよ?」と注意している。
魔王妃様……か……。
俺は訓練が終わった後に練兵所でお嬢様がバランスを崩したときのことを思い出す。
思わず倒れてくるお嬢様を抱きかかえてしまった時、ふわりと嗅いだことのない匂いがしたのだ。
いつもの香水のいい匂いでもなく、練兵所の雄臭い汗の匂いでもない何かである。
胸がざわつくような、甘い香りがお嬢様の身体から漂っていたのだ。
そして、腕の中のお嬢様は下から俺の目を見て「ええ、ごめんなさいね」と言ったのだったが、何とも言えぬ気分になったことを思い出す。
その時、小さなお嬢様からは大人の女性のしっとりとした色気が醸し出されていたのである。
「なあ、ガウェイン?」
突然黙って回想シーンに入った俺にマイケルが話しかける。
彼が「魔王妃様」と言ってから、突然ピクリともしなくなった俺を見た一同は「まさかな……」とざわつく。
またしてもスルリと膝からずれ落ちたタオルの下には、グレイナル山脈のように屹立したイチモツがあったのだった。
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お風呂上りに艶っぽい濡れた髪のメルヴィナと合流した俺は、少し前かがみになって目を反らす。
その様子を見た他の隊員たちはニヤニヤして「ガー公、魔王妃様きれいだな!」と俺をいじる。
俺はそれに対して「ああ、そうだな」と肘で小突いて、言外に今はやめろと伝える。
その様子を見たお嬢様は「ガウェインも魔物たちと仲良くなれたのね」と心からの笑みを浮かべる。
しかし、俺はそんなお嬢様の笑顔を変に意識してしまうのだった。
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