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第19話 お風呂の後
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サウナから出た私たちは、再び少しお風呂に入った後に大浴場を後にする。
満足げな表情で「お風呂って気持ちいいですねえ」と感想を口にしたアリシア。
他の魔族達も頷いて彼女に同意していた。
やはり、労働の後の風呂は格別なのである。
これは、人間も魔族も関係ない共通の認識で間違いないようだった。
脱衣所に戻った私たちは、あらかじめ入る前に魔族達から提供されていた服に着替える。
その際に、パーフェクトボディのアリシアはニャルラ達に「美しい体形の維持」についてあれこれ聞かれていた。
私の服を慣れた手つきで着せながら、彼女たちの質問に答えるアリシア。
どうやら、肌の手入れなども重要だが、一番重要なのは「インナーマッスルを鍛えること」であるという。
インナーマッスルとは表層の筋肉ではなく、深層部にある小さな筋肉群の総称であり、どこか1つの筋肉を指す言葉ではない。
これを鍛えることにより、体幹や姿勢を整え美しいプロポーションを保つことができるらしい。
また、運動性能も向上し、肩や腰などの負担も軽くなるという。
どうりでアリシアは体力があり、足腰も強いわけである。
時間が取れそうだったら一緒にトレーニングをしたいという魔物たちに「お嬢様が許可していただければ私は構いませんよ」と答えるアリシア。
私としても「アリシアと魔族の交流の機会も増えていいんじゃないかな」とあっさり許可するのであった。
私の腕の中にいるワタアメも「もきゅ!」と声をあげて参加希望の意思を伝えている。
この子も美容とか気にするんだねと思いながら、私はその様子に和むのであった。
着替え終わった私たちは脱衣所を後にする。
温泉の入り口を出たところで、先に風呂から上がっていたガウェイン達と遭遇した。
彼らに声をかけると、向こうもこちらに気づいたようで近づいてくる。
「お風呂はどうだった、ガウェイン?」
アリシア同様に入浴が初めてであるガウェインに感想を聞くも、彼はなんだかキョロキョロした様子で「気持ちよかったです……」と答えるのだった。
彼の横にはガウェインの横腹を肘で小突く猫の姿がある。
たしか、この魔物はビッケの同僚のマイケルだったかしら?
彼は、私が「猫ちゃん」と言うと怒った様子で「ハウンドウルフ種だ!」と騒いでいたやんちゃな子だったわね。
「お嬢様、それではお部屋に戻りましょうか」
楽しそうに第3部隊の魔物たちとじゃれ合いながら話すガウェイン。
とりあえず、このあとは夕食があるので一旦魔物たちとは解散して部屋に戻ることになった。
わざわざ部屋まで送ってくれたアドルに礼を言って、執事のミャオが待つ屋敷へと戻る私たち。
屋敷の入り口では執事長のラビアンローズとミャオが礼をしながら出迎えてくれた。
私も魔王城での生活に慣れてきたら、屋敷の中で彼らにお世話になることも増えるだろう。
彼らに自室まで送ってもらい、夕食会場の食堂に行くための準備をする私たち。
ワタアメを食堂に連れてっても問題ないということなので、彼女も連れていくことにした。
もともと野生の魔物であったワタアメに親近感が沸くというミャオは「こいつをよろしくお願いしますニャ」と私に言う。
どうやら、魔王軍の先輩として放っとけないらしい。
そんなミャオを「意外と面倒見の良い奴なんだなあ」と思う私であった。
庭園から見える空は既に暗くなっており、辺りはすっかり夜になっていた。
月の光に照らされて美しく光る花々の間を抜けて、屋敷を後にした私たちは食堂へと向かう。
長い廊下を再び歩き食堂につくと、料理長のオーキンス達に出会った。
「魔王妃様!今晩の料理の出来を明日また評価してください!」
夕食を作る際に、私に教わったことを意識して作ったらしい。
了解したと彼に伝えて、私たちは魔王とアドルが座るテーブルへと向かう。
今朝とは違い、くたびれた様子の魔王は「ああ、メルヴィナか。城には慣れたか?」と剣呑な雰囲気ではなかった。
どうやら彼も仕事に追われて疲れている様子である。
その隣で夕食を食べるアドルが言うには、魔王は今「邪神教」の復活とやらの対応で忙しいらしい。
なんだか、「魔王軍」よりも忌々しい感じのワードが出てきたけど大丈夫?
満足げな表情で「お風呂って気持ちいいですねえ」と感想を口にしたアリシア。
他の魔族達も頷いて彼女に同意していた。
やはり、労働の後の風呂は格別なのである。
これは、人間も魔族も関係ない共通の認識で間違いないようだった。
脱衣所に戻った私たちは、あらかじめ入る前に魔族達から提供されていた服に着替える。
その際に、パーフェクトボディのアリシアはニャルラ達に「美しい体形の維持」についてあれこれ聞かれていた。
私の服を慣れた手つきで着せながら、彼女たちの質問に答えるアリシア。
どうやら、肌の手入れなども重要だが、一番重要なのは「インナーマッスルを鍛えること」であるという。
インナーマッスルとは表層の筋肉ではなく、深層部にある小さな筋肉群の総称であり、どこか1つの筋肉を指す言葉ではない。
これを鍛えることにより、体幹や姿勢を整え美しいプロポーションを保つことができるらしい。
また、運動性能も向上し、肩や腰などの負担も軽くなるという。
どうりでアリシアは体力があり、足腰も強いわけである。
時間が取れそうだったら一緒にトレーニングをしたいという魔物たちに「お嬢様が許可していただければ私は構いませんよ」と答えるアリシア。
私としても「アリシアと魔族の交流の機会も増えていいんじゃないかな」とあっさり許可するのであった。
私の腕の中にいるワタアメも「もきゅ!」と声をあげて参加希望の意思を伝えている。
この子も美容とか気にするんだねと思いながら、私はその様子に和むのであった。
着替え終わった私たちは脱衣所を後にする。
温泉の入り口を出たところで、先に風呂から上がっていたガウェイン達と遭遇した。
彼らに声をかけると、向こうもこちらに気づいたようで近づいてくる。
「お風呂はどうだった、ガウェイン?」
アリシア同様に入浴が初めてであるガウェインに感想を聞くも、彼はなんだかキョロキョロした様子で「気持ちよかったです……」と答えるのだった。
彼の横にはガウェインの横腹を肘で小突く猫の姿がある。
たしか、この魔物はビッケの同僚のマイケルだったかしら?
彼は、私が「猫ちゃん」と言うと怒った様子で「ハウンドウルフ種だ!」と騒いでいたやんちゃな子だったわね。
「お嬢様、それではお部屋に戻りましょうか」
楽しそうに第3部隊の魔物たちとじゃれ合いながら話すガウェイン。
とりあえず、このあとは夕食があるので一旦魔物たちとは解散して部屋に戻ることになった。
わざわざ部屋まで送ってくれたアドルに礼を言って、執事のミャオが待つ屋敷へと戻る私たち。
屋敷の入り口では執事長のラビアンローズとミャオが礼をしながら出迎えてくれた。
私も魔王城での生活に慣れてきたら、屋敷の中で彼らにお世話になることも増えるだろう。
彼らに自室まで送ってもらい、夕食会場の食堂に行くための準備をする私たち。
ワタアメを食堂に連れてっても問題ないということなので、彼女も連れていくことにした。
もともと野生の魔物であったワタアメに親近感が沸くというミャオは「こいつをよろしくお願いしますニャ」と私に言う。
どうやら、魔王軍の先輩として放っとけないらしい。
そんなミャオを「意外と面倒見の良い奴なんだなあ」と思う私であった。
庭園から見える空は既に暗くなっており、辺りはすっかり夜になっていた。
月の光に照らされて美しく光る花々の間を抜けて、屋敷を後にした私たちは食堂へと向かう。
長い廊下を再び歩き食堂につくと、料理長のオーキンス達に出会った。
「魔王妃様!今晩の料理の出来を明日また評価してください!」
夕食を作る際に、私に教わったことを意識して作ったらしい。
了解したと彼に伝えて、私たちは魔王とアドルが座るテーブルへと向かう。
今朝とは違い、くたびれた様子の魔王は「ああ、メルヴィナか。城には慣れたか?」と剣呑な雰囲気ではなかった。
どうやら彼も仕事に追われて疲れている様子である。
その隣で夕食を食べるアドルが言うには、魔王は今「邪神教」の復活とやらの対応で忙しいらしい。
なんだか、「魔王軍」よりも忌々しい感じのワードが出てきたけど大丈夫?
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