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第17話 魔王城のお風呂
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例に漏れず圧倒的に広い脱衣所で、私はアリシアにすっぽんぽんにされていた。
魔力成長に吸われているのか分からないが、どれだけ食べても一切成長しない平坦な自分の体を私は再確認する。
「それではお嬢様、私も入浴の準備をいたしますね」
裸んぼの私にバスタオルを巻いたアリシアは、自らも魔族から借りたメイド服を脱ぎ始める。
その様子になんとなく興奮した私は「良いではないか!良いではないか!」と手伝うようにアリシアの服を剥ぐ。
周囲にいた魔族の女性たちは「あら、魔王妃様ったら可愛いわね」と微笑ましそうに見ていた。
そして、私とアリシアのお殿様ごっこは進み、遂にアリシアも全裸となる。
「おおっ!!これがエルメリア王国の誇る美女メイドのネイキッドスタイル……」
現れた完ぺきな裸体に思わず目が釘付けになる私。
鎖骨がうっすらと浮き上がる細くも健康的な肉付きのアリシア。
暴力的なサイズの胸と腰の括れのアンバランスな美しさに、私はゴクリと喉を鳴らす。
女性らしい柔らかさを残しつつも、鍛え上げられたインナーマッスルによって見せる全身のセクシーさに一同は魅了された。
「こ、こんなエロエロな体付きで、いったいどれほどの男達を……」
思わずセクハラ親父みたいなことを言ってしまう私に「そんな、男の人と関係を持ったことなんてないですよ!お嬢様!」と言うアリシア。
確かに、幼いころからずっと私に付きっきりで面倒を見てくれていたアリシアにそんな暇はなかったはずである。
それを思うと、私はなんだかすごく申し訳ない気持ちになってきた。
「ごめんなさいアリシア。今までいろいろ迷惑かけちゃって……」
聡明なアリシアは私の発言から意図をその読み取ったらしく「これからもどんどん私に迷惑をかけてくださいね!」とニコニコしていた。
そんな健気なメイドに対して感謝の気持ちしか感じない私は「ええ!」と頷く。
そして、彼女の結婚相手は私が責任をもってしっかり選ばないといけないなと思った瞬間であった。
服も脱いだことだし、いよいよタオルを伴って大浴場へと向かう私たち。
脱衣所から出る扉の向こうには、これまた尋常じゃない広さの風呂場があった。
魔族のメイドさんたちの説明によると、大小様々な浴槽にはそれぞれ違う効能の温泉質があるとのことである。
湯の色も赤やら青やら黄色やらあり、信号機みたいな配色だななんて思う私。
その他にもジェットバスのようなものもあったり、打たせ湯のようなものまで完備されている。
「ニャルラさん、こちらのお部屋も浴室でしょうか?」
背が高く引き締まった体つきの黒猫メイドさんにアリシアが尋ねる。
アリシアが興味を持つ窓のついた部屋を見て「こちらはサウナでございますニャ」としっとり答えるニャルラさん。
関係ないけど、クールな感じなのに語尾に「ニャ」ってつくのが可愛いなと思う私。
ニャルラさんの「ニャ」は、執事のミャオの「ニャ」とはまた少し違う感じの「ニャ」であった。
諸々の施設を紹介された私たちは、体を洗うべく次なる目的地へ向かう。
そして、たどり着いた先の洗い場で、私はアリシアに髪と体を丁寧に洗われた。
小さな椅子に座った私は、洗い場で子供を洗うときの「後ろから覆うスタイル」でゴシゴシとあちこち手入れされる。
その最中ずっと、私は背中にたしかな二つの柔らかさを感じるのであった。
----
「あぁ~たまらないわぁ~」
体を洗い終え、湯船にぷかぷかと浮かぶ私。
プールかよと突っ込みたくなるサイズの主浴槽もやはり魔王城サイズであった。
お湯の中をあまり進んでいくと、小さな私は大きい魔物向けの深い部分に沈んでしまうので注意が必要である。
初めての入浴に少し緊張した様子のアリシアも、私が躊躇なく湯に浸かるのを見て湯船に足をいれた。
その際に「んんっ!」と悩ましげな声をあげるも、すぐにお湯に慣れたのかリラックスした様子である。
お風呂の中で手足をふにゃふにゃ動かして泳ぐ私。
しばらく湯に浸かっていると、そんな私に近づいてくる魔物がいた。
最初はそれが何かよく分からず「なんだろうこのフワフワした白いの?」と不思議に思っていたのだが、突然声をあげたので生命体であることに気づく。
「むきゅう!」
めんこい声をあげたバレーボール大の真っ白な毛玉が、湯に浮かぶ私にくっついてきたのだった。
魔力成長に吸われているのか分からないが、どれだけ食べても一切成長しない平坦な自分の体を私は再確認する。
「それではお嬢様、私も入浴の準備をいたしますね」
裸んぼの私にバスタオルを巻いたアリシアは、自らも魔族から借りたメイド服を脱ぎ始める。
その様子になんとなく興奮した私は「良いではないか!良いではないか!」と手伝うようにアリシアの服を剥ぐ。
周囲にいた魔族の女性たちは「あら、魔王妃様ったら可愛いわね」と微笑ましそうに見ていた。
そして、私とアリシアのお殿様ごっこは進み、遂にアリシアも全裸となる。
「おおっ!!これがエルメリア王国の誇る美女メイドのネイキッドスタイル……」
現れた完ぺきな裸体に思わず目が釘付けになる私。
鎖骨がうっすらと浮き上がる細くも健康的な肉付きのアリシア。
暴力的なサイズの胸と腰の括れのアンバランスな美しさに、私はゴクリと喉を鳴らす。
女性らしい柔らかさを残しつつも、鍛え上げられたインナーマッスルによって見せる全身のセクシーさに一同は魅了された。
「こ、こんなエロエロな体付きで、いったいどれほどの男達を……」
思わずセクハラ親父みたいなことを言ってしまう私に「そんな、男の人と関係を持ったことなんてないですよ!お嬢様!」と言うアリシア。
確かに、幼いころからずっと私に付きっきりで面倒を見てくれていたアリシアにそんな暇はなかったはずである。
それを思うと、私はなんだかすごく申し訳ない気持ちになってきた。
「ごめんなさいアリシア。今までいろいろ迷惑かけちゃって……」
聡明なアリシアは私の発言から意図をその読み取ったらしく「これからもどんどん私に迷惑をかけてくださいね!」とニコニコしていた。
そんな健気なメイドに対して感謝の気持ちしか感じない私は「ええ!」と頷く。
そして、彼女の結婚相手は私が責任をもってしっかり選ばないといけないなと思った瞬間であった。
服も脱いだことだし、いよいよタオルを伴って大浴場へと向かう私たち。
脱衣所から出る扉の向こうには、これまた尋常じゃない広さの風呂場があった。
魔族のメイドさんたちの説明によると、大小様々な浴槽にはそれぞれ違う効能の温泉質があるとのことである。
湯の色も赤やら青やら黄色やらあり、信号機みたいな配色だななんて思う私。
その他にもジェットバスのようなものもあったり、打たせ湯のようなものまで完備されている。
「ニャルラさん、こちらのお部屋も浴室でしょうか?」
背が高く引き締まった体つきの黒猫メイドさんにアリシアが尋ねる。
アリシアが興味を持つ窓のついた部屋を見て「こちらはサウナでございますニャ」としっとり答えるニャルラさん。
関係ないけど、クールな感じなのに語尾に「ニャ」ってつくのが可愛いなと思う私。
ニャルラさんの「ニャ」は、執事のミャオの「ニャ」とはまた少し違う感じの「ニャ」であった。
諸々の施設を紹介された私たちは、体を洗うべく次なる目的地へ向かう。
そして、たどり着いた先の洗い場で、私はアリシアに髪と体を丁寧に洗われた。
小さな椅子に座った私は、洗い場で子供を洗うときの「後ろから覆うスタイル」でゴシゴシとあちこち手入れされる。
その最中ずっと、私は背中にたしかな二つの柔らかさを感じるのであった。
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「あぁ~たまらないわぁ~」
体を洗い終え、湯船にぷかぷかと浮かぶ私。
プールかよと突っ込みたくなるサイズの主浴槽もやはり魔王城サイズであった。
お湯の中をあまり進んでいくと、小さな私は大きい魔物向けの深い部分に沈んでしまうので注意が必要である。
初めての入浴に少し緊張した様子のアリシアも、私が躊躇なく湯に浸かるのを見て湯船に足をいれた。
その際に「んんっ!」と悩ましげな声をあげるも、すぐにお湯に慣れたのかリラックスした様子である。
お風呂の中で手足をふにゃふにゃ動かして泳ぐ私。
しばらく湯に浸かっていると、そんな私に近づいてくる魔物がいた。
最初はそれが何かよく分からず「なんだろうこのフワフワした白いの?」と不思議に思っていたのだが、突然声をあげたので生命体であることに気づく。
「むきゅう!」
めんこい声をあげたバレーボール大の真っ白な毛玉が、湯に浮かぶ私にくっついてきたのだった。
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