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シェンは対の指輪を眺めて、相手の意図を探るような表情を浮かべる。
これは本気か睦言か。
「そういうセリフは、運命の番とやらにとっておけよ。オレはベータだからな、アンタを番にはできない」
告げると統久は、手を伸ばして指輪を掴んで、視線を逸らして肩をそびやかせる。
「願望を口にしちまった。気にするなよ。まあ、ーー孕むくらいはできるけどな……。俺は運命の番の種は孕めないから。どんなに、心底愛してたとしても、さ」
カチャカチャと金属音を鳴らして、視線を落として小さく笑う。
「オマエのお陰で目的は果たした……。ありがとう。後はテキトーに任務をこなすけど、親父も最近は早く結婚しろとばかりに見合いばかりさせるし……、アルファはみんな遠野みてえな、どっかいけ好かないヤツらばかりだし」
身体を寄せたままで、見合いしたくないなと呟いてから、統久はシェンに向けて言葉を繋ぐ。
「アンタは運命の番と出会っているのか」
だとしたら、それ以上のものはない。
どんなアルファでもその事実を知って結婚すると言う奴はいないだろう。どう足掻いても、運命の番への執着は消えない。
例え別のアルファと番ったとしても、その執着ゆえに奪われてしまうこともある。
そうすれば、彼も不幸になる。
それは周知の事実だ。
「ああ……。でも、弟だからね。禁忌に触れちまう。つがうなど、できない」
多分違和感はこれだ。
シェンは、ぐっと統久の腕を掴んだ。
どんなに手に入れたいと願っても、彼の心にはずっと運命の番がいるのだ。支配する側にはそんなことはたまったものじゃないだろう。
現にオレも……。
正直すぎるこの人が隠しごとなど出来ないだろうけどな。
「いつか、アンタがそのしがらみを断ち切れたら……これをオレは渡したいと思うよ」
シェンは、統久の手から指輪を奪うと、彼は小さく口元を緩めて笑う。
「しがらみなど、切れるわけがない。だけど、そんな都合のいいことは、誰にも頼めないよな。悪かったな」
「オマエが孕め孕めというから、ついその気になっちまったよ」
どこか自嘲して呟く口調に、シェンはその気にさせるように言っていたのだからと返して、目を伏せる。
「それを言うなら、みんな自分の都合だよな。……番をもたないアンタが苦しむのをオレはみたくないんだよ。オレがどうもしてやれんのがわかるし……後悔はされたくない。大事な人が苦しんでいたら、オレは……」
オレはきっと何とかしてやって欲しいと、きっと彼を引き取りたいと言い出すアルファに差し出してしまうだろう。
目に見えてわかる苦しくて辛い将来を、回避したいのはオレのエゴだろう。
相性がいいのも、信頼出来る相手であるのもお互いに告げなくても分かっている。
「……そうだな」
統久はどこか遠い目をしてシェンが正しいと告げて、深く頷いた。
「シェンは、年下だけど……俺より大人だよなあ」
「……大人じゃねえよ。大体予想つくだろ………」
「俺は世間知らずだからさ。……オメガなのは12歳の判定で分かってたんだが、18歳までヒートがこなくてさ、学生時代は普通に学校に通えたし……アルファとかより俺様は優れてたから、そんなもんかと思ってたし、誰も差別はしなかったんだよ」
差別というか区別なんだろうけどなと、呟いて唇を舐める。
「……さっきまでの記憶がないのが素なら、性欲をいつも意志の力で抑えてるのか」
「そんなに難しくはない。とは言ってもヒートを抑えるのはできない。色々ごちゃごちゃ考えないでいいなら、セックスのことばかりになりそうなくらいの欲はあるよ」
腕を絡めてふわりとフェロモンをまとわせ誘うような仕草をみせる統久に、シェンは軽く目を見開いて首を横に振る。
流石に体力は限界である。
「別に悪いもんじゃない。いつか……大事なやつができたら、子供を産める身体だからさ」
「……そうだな」
「まあ、それまで相手してよ。いいだろ、シェン」
からかうように体をのしかかって顔を覗きこむ様子に、シェンはごくりと息を呑む。
「いや、オレは……アンタに自分を大事にしろと」
「……大事にしてるって。仕方ないだろ、性欲は発散しないと止まんないんだから。抑制ばっかしてると、ヒートで大爆発して辛いし。シェンも気に入ってるみたいだし、構わねえだろ」
甘い匂いを漂わせる相手に拒否権は行使できないようだ。
「ちょいまて、それを餌にまたなんか厄介事押し付ける気だろ」
今回はホントに死ぬほど危険だったじゃないかと身を引くと、統久は楽しそうに笑いそんなことないけどと告げて耳元に唇を当てる。
「さあて、次は辺境の海賊共を一掃するか」
「やべえッて、やつらはホントにやべえから……んぐ……ッ」
絡む腕と押し当てられた唇に吸い寄せられて、シェンは次第にその体を強く抱き返した。
これは本気か睦言か。
「そういうセリフは、運命の番とやらにとっておけよ。オレはベータだからな、アンタを番にはできない」
告げると統久は、手を伸ばして指輪を掴んで、視線を逸らして肩をそびやかせる。
「願望を口にしちまった。気にするなよ。まあ、ーー孕むくらいはできるけどな……。俺は運命の番の種は孕めないから。どんなに、心底愛してたとしても、さ」
カチャカチャと金属音を鳴らして、視線を落として小さく笑う。
「オマエのお陰で目的は果たした……。ありがとう。後はテキトーに任務をこなすけど、親父も最近は早く結婚しろとばかりに見合いばかりさせるし……、アルファはみんな遠野みてえな、どっかいけ好かないヤツらばかりだし」
身体を寄せたままで、見合いしたくないなと呟いてから、統久はシェンに向けて言葉を繋ぐ。
「アンタは運命の番と出会っているのか」
だとしたら、それ以上のものはない。
どんなアルファでもその事実を知って結婚すると言う奴はいないだろう。どう足掻いても、運命の番への執着は消えない。
例え別のアルファと番ったとしても、その執着ゆえに奪われてしまうこともある。
そうすれば、彼も不幸になる。
それは周知の事実だ。
「ああ……。でも、弟だからね。禁忌に触れちまう。つがうなど、できない」
多分違和感はこれだ。
シェンは、ぐっと統久の腕を掴んだ。
どんなに手に入れたいと願っても、彼の心にはずっと運命の番がいるのだ。支配する側にはそんなことはたまったものじゃないだろう。
現にオレも……。
正直すぎるこの人が隠しごとなど出来ないだろうけどな。
「いつか、アンタがそのしがらみを断ち切れたら……これをオレは渡したいと思うよ」
シェンは、統久の手から指輪を奪うと、彼は小さく口元を緩めて笑う。
「しがらみなど、切れるわけがない。だけど、そんな都合のいいことは、誰にも頼めないよな。悪かったな」
「オマエが孕め孕めというから、ついその気になっちまったよ」
どこか自嘲して呟く口調に、シェンはその気にさせるように言っていたのだからと返して、目を伏せる。
「それを言うなら、みんな自分の都合だよな。……番をもたないアンタが苦しむのをオレはみたくないんだよ。オレがどうもしてやれんのがわかるし……後悔はされたくない。大事な人が苦しんでいたら、オレは……」
オレはきっと何とかしてやって欲しいと、きっと彼を引き取りたいと言い出すアルファに差し出してしまうだろう。
目に見えてわかる苦しくて辛い将来を、回避したいのはオレのエゴだろう。
相性がいいのも、信頼出来る相手であるのもお互いに告げなくても分かっている。
「……そうだな」
統久はどこか遠い目をしてシェンが正しいと告げて、深く頷いた。
「シェンは、年下だけど……俺より大人だよなあ」
「……大人じゃねえよ。大体予想つくだろ………」
「俺は世間知らずだからさ。……オメガなのは12歳の判定で分かってたんだが、18歳までヒートがこなくてさ、学生時代は普通に学校に通えたし……アルファとかより俺様は優れてたから、そんなもんかと思ってたし、誰も差別はしなかったんだよ」
差別というか区別なんだろうけどなと、呟いて唇を舐める。
「……さっきまでの記憶がないのが素なら、性欲をいつも意志の力で抑えてるのか」
「そんなに難しくはない。とは言ってもヒートを抑えるのはできない。色々ごちゃごちゃ考えないでいいなら、セックスのことばかりになりそうなくらいの欲はあるよ」
腕を絡めてふわりとフェロモンをまとわせ誘うような仕草をみせる統久に、シェンは軽く目を見開いて首を横に振る。
流石に体力は限界である。
「別に悪いもんじゃない。いつか……大事なやつができたら、子供を産める身体だからさ」
「……そうだな」
「まあ、それまで相手してよ。いいだろ、シェン」
からかうように体をのしかかって顔を覗きこむ様子に、シェンはごくりと息を呑む。
「いや、オレは……アンタに自分を大事にしろと」
「……大事にしてるって。仕方ないだろ、性欲は発散しないと止まんないんだから。抑制ばっかしてると、ヒートで大爆発して辛いし。シェンも気に入ってるみたいだし、構わねえだろ」
甘い匂いを漂わせる相手に拒否権は行使できないようだ。
「ちょいまて、それを餌にまたなんか厄介事押し付ける気だろ」
今回はホントに死ぬほど危険だったじゃないかと身を引くと、統久は楽しそうに笑いそんなことないけどと告げて耳元に唇を当てる。
「さあて、次は辺境の海賊共を一掃するか」
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