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帰国
Saegusa medical②
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正面玄関前の来客用の駐車スペースに車を停め、Labの建物の受付で再度入社証を提示し、理先生と奏先生の臨時入社証を発行して貰っていたら、入社ゲートから兄が出てくるのを見つけた。
「勇輝兄さん、帰りました!」
と声を掛けると、
「おぉ~、真琴。やっと帰って来たか。花音が、真琴が帰って来るって聞いてから、張り切ってお強請りするモンを決めてたぞ~。幾ら貢がせられるか分かんね~ぞ、気をつけないと。」
と、挨拶もそこそこに妹の花音が兄である僕へのお強請りを考えている事を聞かされた。
「あ、兄さん、聖心大学付属病院の司波先生御兄弟を紹介します。こちらに。」
と、理先生と奏先生の元に連れて行った。
理先生達は、受付で臨時入社証を貰っていた。
「理先生、奏先生、こちらがSaegusa medicalの専務でこのLabの総責任者で、兄の七草勇輝です。兄さん、こちら聖心大学付属病院外科部長の司波理先生、隣にいらっしゃるのが司波先生の弟さんで聖心大学付属病院救命救急センター医長の司波奏先生です。」
とそれぞれを紹介した。
お互い、名刺交換を済ませていると、Labの医療機関担当の責任者である三島さんが入社ゲートから出て来た。
「真琴先生、ご無沙汰してます。いつも、デモ機のレビュー有難う御座います。めちゃくちゃ開発部門も販売部門も助かってます。的確なレビューのお陰で、開発部門は改善点を修正していい商品を世に出し、販売部門はメリットをアピールする事が出来てます。お陰で、このLabの業績もうなぎ登りです。」
と久々の会話を楽しんだ。三島さんにも、理先生と奏さんを紹介し、兄と開発部門の責任者とのデモ機のレビューの報告が済むまでLabの見学を頼んだ。
理先生達は三島さんの案内で、研究棟のある方へと進み、僕と兄はレビュー報告の為兄さんの執務室へと向かった。
執務室に向かう中で、Saegusa medicalの持っている、性個体における特徴に関する論文や研究資料についてデータが欲しい事を伝えると、直ぐにスマホで秘書に連絡を取ってくれて準備してくれる事となった。
執務室に着き、デモ機とレビューの入ったUSBを兄に渡し、レビューに記載はしていないが、使ってみての個人的な感想やデモ機の表示方法などの性能で気になった点を細かな内容を説明し、報告を終わらせた。
1時間ちょっと時間が経過していて、もう直ぐお昼になろうとしていた。
「三島に連絡をして、司波さん達を私の部屋へ案内してくれ。それと、頼んでいた物が準備できているならそれも頼む。後、ランチを人数分頼む。」
内線で兄さんがどこかへ連絡していた。
「もう、お昼なんだね。」
ソファーにもたれてゆったりしていると、コンコンッとノックされる音がしてドアが開いた。
三島さんに連れられた理先生と奏先生が並んで足を踏み入れて来た。
「とても使用する私たち医療従事者の目線で開発されていて、他のメーカーと違いフルオーダーにも対応されている機器もあるなんて知りませんでした。アレは、ぜひウチでも使用したいので一度大学病院の方にデモ機を持ってお越し頂けますか?」
と、三島さんと奏先生が話している。
「医療者目線での開発は、真琴先生がいらっしゃるからできた事です。アイデアや改善点なども、使用する側の目線で仰って下さいますから。それと、来週中にデモ機を病院の方へお持ちさせて頂きご説明をさせて頂きますので、詳細は改めてお名刺の連絡先にご連絡させて頂きます。」
なんて、営業にまで発展していた。
そんなこんなしている内に、兄さんの秘書の方がやって来て松花堂弁当とお茶を準備してくれた。
そして、兄さんにUSBを渡して退席した。
「真琴、さっき頼まれていた性個体における特徴に関する論文や研究資料についてデータだ。」
と秘書の方が渡して来たUSBを僕に差し出した。
斜向かいに座る理先生が、
「今回、私が循環器領域における性個体別の特異性の論文を書くにあたり真琴さんにメンバーに入って頂きました。Saegusa medicalさんからの資料提供に感謝いたします。」
と頭を下げた。
「司波先生、そんな気にせんとって下さい。弟が世話になりますよって、その見返りちゅー事にでもしといて下さい。コイツ、論文のことになると没頭しすぎるきらいがあるのでストッパーになったって下さい。」
と兄さんが返した。
「ほな、料理も冷めてしまいますよって、頂きましょか?」
と続け、美味しい松花堂弁当に舌鼓をうち、和やかに時間が過ぎた。
昼から会議が入っている兄さん達にお礼を言って、僕達はLabを後にした。
「勇輝兄さん、帰りました!」
と声を掛けると、
「おぉ~、真琴。やっと帰って来たか。花音が、真琴が帰って来るって聞いてから、張り切ってお強請りするモンを決めてたぞ~。幾ら貢がせられるか分かんね~ぞ、気をつけないと。」
と、挨拶もそこそこに妹の花音が兄である僕へのお強請りを考えている事を聞かされた。
「あ、兄さん、聖心大学付属病院の司波先生御兄弟を紹介します。こちらに。」
と、理先生と奏先生の元に連れて行った。
理先生達は、受付で臨時入社証を貰っていた。
「理先生、奏先生、こちらがSaegusa medicalの専務でこのLabの総責任者で、兄の七草勇輝です。兄さん、こちら聖心大学付属病院外科部長の司波理先生、隣にいらっしゃるのが司波先生の弟さんで聖心大学付属病院救命救急センター医長の司波奏先生です。」
とそれぞれを紹介した。
お互い、名刺交換を済ませていると、Labの医療機関担当の責任者である三島さんが入社ゲートから出て来た。
「真琴先生、ご無沙汰してます。いつも、デモ機のレビュー有難う御座います。めちゃくちゃ開発部門も販売部門も助かってます。的確なレビューのお陰で、開発部門は改善点を修正していい商品を世に出し、販売部門はメリットをアピールする事が出来てます。お陰で、このLabの業績もうなぎ登りです。」
と久々の会話を楽しんだ。三島さんにも、理先生と奏さんを紹介し、兄と開発部門の責任者とのデモ機のレビューの報告が済むまでLabの見学を頼んだ。
理先生達は三島さんの案内で、研究棟のある方へと進み、僕と兄はレビュー報告の為兄さんの執務室へと向かった。
執務室に向かう中で、Saegusa medicalの持っている、性個体における特徴に関する論文や研究資料についてデータが欲しい事を伝えると、直ぐにスマホで秘書に連絡を取ってくれて準備してくれる事となった。
執務室に着き、デモ機とレビューの入ったUSBを兄に渡し、レビューに記載はしていないが、使ってみての個人的な感想やデモ機の表示方法などの性能で気になった点を細かな内容を説明し、報告を終わらせた。
1時間ちょっと時間が経過していて、もう直ぐお昼になろうとしていた。
「三島に連絡をして、司波さん達を私の部屋へ案内してくれ。それと、頼んでいた物が準備できているならそれも頼む。後、ランチを人数分頼む。」
内線で兄さんがどこかへ連絡していた。
「もう、お昼なんだね。」
ソファーにもたれてゆったりしていると、コンコンッとノックされる音がしてドアが開いた。
三島さんに連れられた理先生と奏先生が並んで足を踏み入れて来た。
「とても使用する私たち医療従事者の目線で開発されていて、他のメーカーと違いフルオーダーにも対応されている機器もあるなんて知りませんでした。アレは、ぜひウチでも使用したいので一度大学病院の方にデモ機を持ってお越し頂けますか?」
と、三島さんと奏先生が話している。
「医療者目線での開発は、真琴先生がいらっしゃるからできた事です。アイデアや改善点なども、使用する側の目線で仰って下さいますから。それと、来週中にデモ機を病院の方へお持ちさせて頂きご説明をさせて頂きますので、詳細は改めてお名刺の連絡先にご連絡させて頂きます。」
なんて、営業にまで発展していた。
そんなこんなしている内に、兄さんの秘書の方がやって来て松花堂弁当とお茶を準備してくれた。
そして、兄さんにUSBを渡して退席した。
「真琴、さっき頼まれていた性個体における特徴に関する論文や研究資料についてデータだ。」
と秘書の方が渡して来たUSBを僕に差し出した。
斜向かいに座る理先生が、
「今回、私が循環器領域における性個体別の特異性の論文を書くにあたり真琴さんにメンバーに入って頂きました。Saegusa medicalさんからの資料提供に感謝いたします。」
と頭を下げた。
「司波先生、そんな気にせんとって下さい。弟が世話になりますよって、その見返りちゅー事にでもしといて下さい。コイツ、論文のことになると没頭しすぎるきらいがあるのでストッパーになったって下さい。」
と兄さんが返した。
「ほな、料理も冷めてしまいますよって、頂きましょか?」
と続け、美味しい松花堂弁当に舌鼓をうち、和やかに時間が過ぎた。
昼から会議が入っている兄さん達にお礼を言って、僕達はLabを後にした。
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