Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

文字の大きさ
上 下
31 / 102
Ωの性

思わぬ場所への連行

しおりを挟む
Labの駐車場に来ると、今度は奏先生が車のキーを持って運転席に座る。
僕は、後部座席の座り心地も試したくって助手席を理先生に明け渡した。
奏先生はご機嫌な様子で鼻歌混じりで運転をしている。

「いい事あったんですか?」

と聞けば、SaegusaのLabで見た医療機器について熱く語り出した。
僕がアドバイザーとなって開発が進められていた製品の名前が次々と出て来て、自分が開発に関わっている製品について熱く語られるって、恥ずかしいけど嬉しいのを実感した僕。

「奏先生~、ところでこの車はどこに向かってるんですか?」

と聞けば、

「着いてのお楽しみ!」

とはぐらかされた。
小一時間ほど車を走らせ着いた先は、

【司波総合医療センター】

理先生と奏先生の実家が経営している医療施設だった。
奏先生は、迷う事なく来客者専用の駐車スペースに車を停め僕に降車を促す。

「さぁ~、さぁ~!」

と、腕を引きセンター内へと引きずり込まれる様に足を進めている僕。
土曜日ということもあってか、センター内には患者ひとは殆ど居ない。
奥まった所にあるエスカレーターに乗せられ、2階へいざなわれる…
暖色系の壁紙のフロアーに、待ち合いのソファーが並べられているが、人は居ない。
照明も、落とし気味にしてある。
いくつか診察室が並んでいて。そのうちの一つのドアを奏先生が勢いよく引き開けた。

「舞ぃ~、来たで!」

とデスクに座っている人影に向かい奏先生が言う。

「奏、うっさい!」

と悪態をつく舞と呼ばれた白衣を着た人。

「あ、舞先生、今日こっちだったんですか?」

理先生が背後から問いかける。

「救命も人手が足りないっていうのに、コッチの先生が学会やらで全然足りないって要請きて仕方なくですよ…。」

と答えていた。

「真琴先生、彼女は、潮田舞しおたまい聖心大学付属病院救命救急センターおれの下で働いてるΩ専門医。」

と奏先生が教えてくれた。

んっ?今なんて言った?
僕の耳がおかしくなければ、『Ω専門医』って聞こえた様な気がするんだけど…。
キョトンとしている僕を見て

「奏先生、ひょっとしなくても七草先生に何も言わずにここに連れて来たってことはないですよね?」

舞先生が奏先生をキッと睨みつけていうと、

「あったりまえじゃん。言ったら絶対真琴先生来なかったと思うもん。」

と、しれっと言いのけた。

「ったく…。七草先生、奏先生から昨日突然発情ヒートが来て、一度受診を勧められたでしょ?勤務を始めてしまったら、なかなか時間を取り辛くなるし、聖心大学付属病院うちで診察受けるのには少なからず抵抗があるでしょ?だから、丁度運よくココに派遣された私に診察を依頼して来たってワケ…。」
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...