奥さまは魔王女

奏 隼人

文字の大きさ
上 下
55 / 105

無くなったもの

しおりを挟む
その時、ミスとリルは水辺を湖に浮かぶ島にむかって泳ぐハンサという可愛いガチョウを見つけた…

「あっ!!アイツいったいどこにいくんだろう?」

「しまのほうだね!!いってみようよ…」

二人はテレポートして島に上陸した…


再びハンサを見つけて小走りで追う二人…

よく見るとハンサは何かカラフルなものを咥えている…

「あれって…なんだろう?」

「なんかフワフワしてるよ…」

「なんかカワイイね。」

「どうくつのほうへはいっていくよ…」

「いってみよう…」

その頃…湖のビーチでは…

パラソルの下でティナが「あれ?あれ?私のアレが無いわ…」

となりのパラソルの下でもナギさんの声が…「イヤだわ…何処に行ったのかしら…」

そして…「優也くん…ちょっといい?」

愛ちゃんが僕を訪ねて来た…

「何?…話って?」

「優也くん…あなたでしょ?」

「えっ?」

「とぼけ無いの!…その…嫌じゃないのよ…でもね、私は…本当はね、中身に興味を持って欲しいのよ…まあ、奥さんもいることだし、大っぴらにこう…欲しいなんて言えないわよね!!」

「あの…愛ちゃん?何の話を…」

「分かったわよ…じゃあ、あなたにあげるわ。私は着替えもあるから…喜んでくれるなら嬉しいわ…」

そう言って自分のパラソルの下のチェアーに帰っていった…

次はナギさんが僕の所に来た…

そして耳元で「優也さん…今日のはその…あんまり可愛くないんですよ…それでも良いんですか?

私、ちょっと嬉しいんだけど、それっておかしいのかな…ウフフフッ。

だって興味を持ってもらえたんだもの。す、好きって事でいいのかな?嫌だわ…私、なんて事を…」

「あの…ナギさん?」

「た、大切にしてくださいね…また欲しくなったらいつでも言って下さいね!!」

ナギさんも自分のパラソルの下で麦わら帽を顔に被せて横になってしまった…

僕達のパラソルの下ではティナが首を捻っている…

「おかしいわね…」

僕はティナに「一体、何が無くなったの…?」と聞いた…





ハンサは洞窟の奥へと入っていく…やがてハンサは内壁の少し高い岩場につくった巣に咥えていた物を入れた…

ミスとリルは巣を覗いた…「なんだろう…これ?」

リルはハンサの咥えて来たものを取り出した…ハンサは凄く怒って鳴き出した…

「グワッ!!グワッ!!」

「そうおこらないでよ!!それっ!!」

ミスが指を鳴らすとハンサの巣に大量の藁《わら》が敷かれた…ハンサは喜んでまた鳴き出した…

「グルルルル…グワッ!!」

「よかったね…さあ…かえろうよ…」

リルはハンサの巣から取ったものを握りしめて帰ろうとした…

「あれ?これはなに?」ミスはハンサの巣から少し奥に見える小さな宝箱のようなものを見つけた…

「なにがはいってるんだろう…あれ…⁉︎あかないや!!

おーい!!リル!!ちょっと…てつだってよ!!」

「わかったー!!」

二人掛かりで箱に手を掛ける…

「せーの…それっ!!」



…バフッ!




箱が開いて中から黒い煙が上がる…

「うわっ!!」二人は箱の中を覗く…が

「なにもはいってないね!!」
「なーんだ!!じゃあかえろ!!」

二人は洞窟を出た…







「無くなった物…?

実はその…わ、私の…シ、ショーツが無いのよ…」

「えっ!ショーツってその…パ、パン…」

「そうよ…誰かに盗まれたのかしら…」そう言ってティナはもう一度バッグの中を探している…

その時、ミスとリルがテレポートしてきた…

リルが僕に「パパ…きれいなものみつけたよ…」と手渡した物を広げてみた…

「あ、あ、あ…これは…」

ティナが僕の方を見て

「あ、それ、私のショーツ!!

ダーリンが…?何で?」


「いや、これは…その…」


騒ぎを聞きつけたナギさんと愛ちゃんが…

「やっぱり…でもいいんですよ…ちょっと恥ずかしいな…」

「優也くん…ちゃんと隠しときなよ…もう…」

「何でぇぇぇぇ!」


…完全に誤解されてしまった…
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

初恋の呪縛

緑谷めい
恋愛
「エミリ。すまないが、これから暫くの間、俺の同僚のアーダの家に食事を作りに行ってくれないだろうか?」  王国騎士団の騎士である夫デニスにそう頼まれたエミリは、もちろん二つ返事で引き受けた。女性騎士のアーダは夫と同期だと聞いている。半年前にエミリとデニスが結婚した際に結婚パーティーの席で他の同僚達と共にデニスから紹介され、面識もある。  ※ 全6話完結予定

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

いくら時が戻っても

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
大切な書類を忘れ家に取りに帰ったセディク。 庭では妻フェリシアが友人二人とお茶会をしていた。 思ってもいなかった妻の言葉を聞いた時、セディクは――― 短編予定。 救いなし予定。 ひたすらムカつくかもしれません。 嫌いな方は避けてください。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...