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しおりを挟む袋がぱんぱんに詰まった所で、家の前で待っている筈の勇者の所に戻ろうと冷暗室から出ると、なんと私の家の中で勇者がくつろいでいた。
「なっ!!なに勝手に私の家に入っているんだ!!」
「ふーん。相変わらずベッドも枕も一つ。歯ブラシも一本。他の髪の毛が落ちてもないし……。よしっよしっよしっ恋人がいる気配なーしっ!!」
「なっ!!大きなお世話だ!!さっさとこの袋を持って出ていけ!!」
たっ大変です魔王様!!知らぬ間に勇者が私の事を調査し始めていました。私も勝手に家に入られるとは迂闊でした。
「えーーアリスゥーーそんな寂しい事言うなよー。お茶飲んだら帰るからさ、さっお茶出して!!」
何なんだ!!
今日はなんたる不運の日。
こんな面倒くさい勇者に私も長年よく付き合って来たもんだ。
しかし私の精神にも限界がある。ここは素早くお茶を出してさっさと帰って貰おう。
ダンッ!!
「ほらっ茶だ!!これを飲んだらさっさと帰ってくれ」
私がお前にどう思われようが知った事では無い。私は早く畑に戻って山羊の世話と畑作業の続きをしたいんだ。
「はあっホッとする。アリスの煎れる茶はいつも美味いなぁ。毎日これが飲みたいなぁー」
俺の怒りとは裏腹に勇者はお茶を嬉しそうに飲み干した。
「飲んだな。さあ、もう帰ってくれ!!」
「分かった分かった、じゃあアリス、また来るね!!あれっ胸が痛いっ!!胸が痛いよぉーーぎゃああああーーぐああああーー!!」
勇者がゆっくりと立ち上がってさあ帰ろうとした時、急に勇者が大声を上げ胸を押さえて苦しみだした。
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