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一章 魔法戦士養成学校編

とある女子達の悩ましい一日

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 ひょんなことからボクはチューヤの家の管理を任せられる事になったんだ。
 チューヤがバーサク・ベアを倒した時の技が結構ヤバめのヤツだったみたいで、シンディ教官の家に住み込みで修行する事になったんだよね。
 確かにあの時のチューヤの魔力の流れは凄いというか、おかしかった。
 ボク達が『落ちこぼれ』と呼ばれているのは体内の魔力を体外に放出出来ないからで、どれだけ大量の魔力を保有していようが、それを体内で循環させる事しか出来ない。だからボクらは『魔法』を使う事が出来ない落ちこぼれと呼ばれている。

「はぁ~~、チューヤぁぁぁ」

 ボクは今、チューヤが使っていたベッドの上で悶えているんだ。はぁ、チューヤの使っていたシーツにくるまると、チューヤの匂いがする。
 あの日は怖かったり恥ずかしかったり恥ずかしかったり嬉しかったりドキドキしたり恥ずかしかったり、本当に大変な一日だったよ。
 でもチューヤはシンディ教官と一つ屋根の下。いいなあ……
 教官ってば、大人で色っぽくて、おっぱいなんかどーん! ってあるし、お尻はキュッとしてるし、しかも美人だし!
 チューヤが色香に惑わされないか心配だなぁ……

 ボクの可能性を見出してくれたチューヤ。
 もうお嫁に行けないくらい恥ずかしい粗相をしちゃったけど、それ以来何もなかったみたいに接してくれる優しいチューヤ。
 こんなボクの気持ちなんて絶対気付いてないよね……アイツ鈍感そうだし。

「お前、俺のシーツにくるまって、何モジモジしてんだぁ?」
「ひゃあ!? チューヤ!? な、なななななななんでさ!」
「ちょっと忘れモン取りに来ただけだよ。つか、俺が鈍感ってなんだよ」

 わあ! ボクったら、思いが口に出ちゃってた!
 (/ω\)恥ずかしい

△▼△

「……ったくよぉ。アイツときたら、風呂でも覗きに来るかと思ってたのによぉ。全然じゃねえか」

 普通はよ、年頃の男子なんだから、アタシみてえないい女が一つ屋根の下で暮らしてるんだから何かこう、リビドー的なものを発散させるだろうが。
 なのにアイツときたら、全然そんな気配がねえ。折角覗きに来た時の為にトラップ張って待ってたのによぉ。

 ……それとも、アタシに全然魅力がねえのか?
 いや、まさかとは思うが……

 アイツ、男にしか興味がねえとか、そんなんじゃねえだろうな?
 
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