推しアイドルに認知されてました!

おーか

文字の大きさ
50 / 104

49.協力を頼まれました。

しおりを挟む


彼方目線


マジかよ。嘘であってほしかった。外で待っていると本当に楽屋に通されて、二人きりで話すことになった。そいつの話す内容は、なかなかブッ飛んでて、アイドルとファンそれも男同士…。

でも嘘を言っているようには見えなかった。それに記憶の中のシバの様子とも合致している。やけにテンションが高かった時期や、いきなり予定があるとか言い始めた時、それから元気がなくなったとき。

…マジかよ…。なんか疲れたわ。

記憶と一致していても、真に受けて信じるわけにもいかないだろう。証拠を求めると、雑誌の名前が出る。意味がわからないが、シバとアイドルくんが写っているらしい。

シバからは一言も聞いたことのない話ばかりだった。衝撃を受けるとともに、どこか納得もしていた。シバのスマホを見るそわそわした様子とか、今思い返してみれば恋だよなぁ。

とは言っても、シバが騙されているかもという疑いを捨て切ることはできなかった。あんなに顔も良くて仕事も成功している奴がシバを好き…ねぇ?

シバを悪く言うわけではないが、至って普通の顔の少しチビな男だ。まぁ良い奴だとは思う。けれど、アイドルくんは芸能界に身をおいて、周りを見りゃ整った顔の奴がわんさか居るんだ。そんな奴がシバを選ぶのか?

シバに傷ついて欲しくない。

俺の数少ない理解者で、数少ない男友達だ。男の知り合いは一定数いるが、皆俺に寄ってくる女目当てだ。俺を利用してやろうというのが透けて見える。だから信用も信頼もしない。

シバは、たまたまの出会いから始まった付き合いだが、信じられる奴だ。どうすべきか見極めねぇと。シバが傷つかなくて済むように。

「はぁ…」

マネージャーだと言う人の車に乗り込み、思わずため息が漏れる。すると、隣のマネージャーの人から声がかかる。

「あの、alfalfaマネージャーの神谷と申します。この度は藍月がご迷惑おかけしました。ところで司馬咲さんとは、お知り合いなんですよね?」

「遠野です。まぁそうですね」

「藍月が何を話したのか知りませんが、藍月は本当に司馬咲さんが好きなんです。」

「はぁ…」

「…藍月の顔見ましたか?」

「まぁ…見ましたけど」

「目の下にクマがあるんです。コンシーラーなどで隠していますがね。」

「それがどうしたんですか?」

「…あれ、仕事のせいとかじゃないんですよ。司馬咲さんに会えなくなってからです。会えないだけでそうなるくらい藍月は司馬咲さんが好きなんです。」

「…本気…なんですか?」

「…そう思っています。」

「アイドルですよね?いいんですか?」

「…難しいところですね。でも、犯罪よりはマシだと思いませんか?」

「どういう?」

「…藍月は、司馬咲さんが好きすぎるので…側にいれなくなったらストーカーでもしそうな勢いなので…。それで逮捕なんて洒落になりませんよ。
それよりは、上手く行ってくれる方が良いと思うんですよ。だから、上手くいくなら事務所としては容認するつもりです。この件に関しては、私から上にも交渉してあります。」

「そうですか…」

…話を聞く限り本当にシバのことを好きなのかもしれない。けれど…逆に不安になったわ。会わせて上手く行くように協力したとして、それは本当にいいんだろうか…。

アイドルくん…なかなかヤバい奴じゃねぇ?

シバ…なんて奴に目を付けられてんだよ…。でも…シバもアイドルくんのこと好きそうなんだよなぁ…。両思いならいいのか…?

あー…最悪逃げるなら手伝ってやろう…。協力した責任として…。

家まで送ってもらって、神谷さんは帰っていった。その一週間後、発売された雑誌を買って、アイドルくんが写っているページを開く。

アイドルくんともう一人の顔は写っていなかった。けれど、体格や雰囲気からほぼ確信できた。そして決定的だったのは次のページ。アイドルくんを膝枕しているもう一人、その手にはシバと同じ特徴的なハートのほくろがあった。

(彼方:雑誌見た。協力してやる。けど、シバを傷つけたら許さねぇ。)

(藍月:ありがとうございます!絶対傷つけたりしません!)



_______________
お気に入り、ブックマーク、感想などありがとうございます!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~

マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。 王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。 というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。 この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

処理中です...