推しアイドルに認知されてました!

おーか

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50.友達にバレました。

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サイン会に代わりに行ってくれた彼方から、サイン入り写真集を渡される。お礼を言って、今度奢る日程だけ決めて、別れた。

そしてその一週間後…俺は彼方に詰られていた。俺と藍月くんが載っている雑誌を片手に俺に詰め寄る彼方に、もう隠し事は出来ないのだと悟ったのだった…。


雑誌の発売日、あらかじめ神谷さんに知らされていたので、それは知っていた。買うかどうか迷ったまま、次の日になっていた。

その雑誌をまさか、彼方から見せられるなんて思ってもみなかったんだ。彼方はそういうのに全く興味を持つことも無いやつだ。雑誌などの類いを買ってるのは一度も見たこともなかったし。

大学で話して、誰かに聞かれる訳にもいかなくて俺の家に上げた。家に入って落ち着くと、改めて彼方が口を開く。

「そんで…ちゃんと聞かせてもらうからな。」

「…わかってる」

「とりあえず、この雑誌のコレお前だよな?」

そう言って、彼方が指差したのは藍月くんの隣に写った俺だった。…まさか友達にまで…女装を見られるなんて…。てか、なんでバレてんだよ!

「…いや違うけど…」

一応否定してみる。

悪い笑みを浮かべた彼方が、怒りを浮かべている。やっぱり、駄目だよな…はぁ…

「そうだよ、俺だよ!クソッなんでバレてんだよ!」

「お前の手のほくろわかりやすいからな。」

あー…これか…。そういえば藍月くんにもこのほくろのせいで垢バレしたんだよなぁ…。藍月くんに認知されていたことや、話せたことで浮かれてた頃だ。そのときにファンとしての線引きをミスったんだよな。近くにいて好きになりすぎた…。

「なるほどね…。」

「それでこのアイドルくんとなんでお前が写ってんだよ。」

「藍月くんとは…ーーーーーー」

これまでのことを色々端折りながら伝える。特に俺が藍月くんのことが好きとか…告られたから逃げてるとか…そういうのは話さなかった。

けれど何故かバレてる気がするのはなんでだ…。

「まぁ、だいたいわかった。そんで今も会ってんのか?」

「…もう会わないって」

「そうかよ…そんでお前が元気ないのはそのアイドルくんのせいか?」

「…藍月くんと会わないって決めたんだけど…なんか寂しくなっちゃってさ。」

「ふーん…まぁいいや。お前が隠してたこと知ってちょっとスッキリしたしな。」

「隠してごめん…けど簡単に言いふらせることじゃなかったからさ。」

「…今回は許してやるよ…けど次はねぇから。…俺はちゃんとお前のこと友達だと思ってる。だから何かあったんなら、ちゃんと相談しろ。」

「…っ!?彼方が、彼方が優しい!どうしたんだ!?」

「失礼なやつだな…まぁいい。そろそろ帰るわ。邪魔したな。」

「ん、聞いてくれてありがと。今度からはちゃんと相談する。俺もちゃんと友達だと思ってるよ。」

「おう、じゃあまたな。」

「ん、また明日。」

なんか…彼方に思ったよりちゃんと仲良いと思われてるってわかって嬉しかったな。なんやかんやでいいやつなんだよな。




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