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第2章:冷静に竜人国へ駆け落ちする

25:冷静にお宅訪問

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ファイさま一行、私たちは帰途についていた。
ダンテさんは、白髪まじりの茶色い色素の髪に、翡翠の瞳、お孫さんのショーンくんは、赤茶色の髪に同じ翡翠の瞳を持つ、弟ジェイと同い年くらいの少年だった。

ダンテさんたちの家は街から離れた小高い丘の上にあった。丘を登る途中、畑を見かけた。日本の農村風景を思い出しちゃうな‥。


丘を上り切るとそこには、石を積んで立てられた塀があった。

門を潜るとそこには四角い大きな広場があった。そこでは、使用人さん?たちが畑でとれた農作物を天日干したり、井戸で水を組んだり。子供たちは駆け回っていた。
広場はぐるっと側廊に囲まれ、そこから直接部屋に入れるようになっている。
風がよく通り、穏やかで、懐かしい匂いのする屋敷だった。


飛び回っていた子供たちがファイさまを見つけて駆け寄ってきた。
ファイさまは子供たちにも大人気だな。


「アティスちゃん。ファイさまは放っておいて、あなたの部屋を紹介しますね。どうぞこちらへ。」


広場を対角線に横ぎり、側廊にある木造階段で二階に上がった。二階も、広場に面して側廊が回っていて、部屋に繋がる仕組みだ。私の部屋はその一番すみの部屋でその手前がファイさまのお部屋らしい。


(→ファイさまと部屋が隣??まずいです、でもこれは不可抗力‥)


「このお部屋です。
この部屋からは丘の下の街を見通せて景色が一番良い部屋なのです。余計なお世話かもしれませんが、この美しい街を、国を。あなたに気に入っていただけたら嬉しいです。」


「お心遣いありがとうございます。ダンテさん」



一階は組積造、二階は木造の混合構造。
西洋建築の公爵家はホテル暮らしみたいで華やかだったけど、やっぱりアジアテイストは落ち着きます。あ、でも布団ではなくベッドなのね。そこは感心。


私の部屋はスケのある赤いカーテンがよく似合う可愛らしい部屋だった。
きっと昔、女の子の部屋であったのだろう。柱やかべに可愛らしい悪戯書き、女の子向けの本におしゃれなランプ。そして。
カーテンを開けると夕陽に滲んだ先ほどの街明かりが見えた。
オレンジの提灯灯りたちは夕日を切り取ったようだ。

素敵…

(→ええ!!私はあなたと違って日本?やアジア?というものを覚えていないからその下はよく理解できませんでしたが、これはわかります。ここはいい国ですね。)


景色を十分堪能した私は、ふと机の上を見た。
シエルさんのポシェット が置かれている。


シエルさん、毎度ありがとうございます。


***



夕食どき。
一階に下り、ダンテさんたちの住む部屋に降りると、みんなが席についていた。


「ちょうどいいところにきたね。今から夕食なんだ!」


料理はアジアンなメニュー。最高!!アジアの飯うまし!!!


私が食事を堪能しているとファイさまが話し始めた。


「ダンテ、それにシエル。少し聞いてくれ。
私がアティスと共にこの国に戻ったのは、この子は人間界しか知らず、竜人の知識や習性も何一つ知らないからなんだ。それに私は…前にもダンテに話したように調べたいことがあるから、アティスに教えてあげられそうにない‥そこで、君たち家族に協力してもらって、アティスに竜人としての教えを説いて欲しいんだ。」


(→用事のせいだったのですか?前にはファイさま、私は教えるのが苦手と言っていたではありませんか。)


こらこら、エフィス。細かいこと気にしない。


「わかりました。それに、ショーン。ちょうどいいじゃないか。この国では10歳前後で一人前の竜になるため大人たちが竜人の心得を教える。アティスと一緒に学べばいいさ。」


「学ぶ?じいちゃん、今更学ぶことなんてないよ。それより俺が教えてあげる!アティス!」


「よしよし!二人に頼んでよかったよかった!アティスもよかったな。」


「ありがとうございます。ご指導よろしくお願いします。」



****



夕食が終わりデザートにドラゴンフルーツを食べた私は、少し疲れていたのか休みたかったので自室に戻った。


(→あの果物、日本ではドラゴンフルーツというのですか‥それではあれは、共食いですか?!)


はぁ。
A Iと呼んでいたのが嘘みたい。エフィスは冷静だけど、すっごく人に優しくて心配性で、少し可愛いよね。


(→どっ、どこがですか!照れてしまいます、やめてください。)


エフィスの声を最後に私はベットで寝てしまった。



****



一方、広場では月光浴が行われていた。



「今日の月光具合はちょうどいい加減ですな~眩しすぎず暗すぎず。それより、アティスさまは本当来ないんですか?こんなにいい月日和なのに。」


「言ったであろう?ダンテ。アティスは毎日はしないらしいのだ。そもそも月光浴を嗜む人間はあちらで見かけたことがないし、抵抗があるのだろう。文化の違いだ。」



そう言いながら竜人たちは月を見上げていた。


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