婚約破棄は決定事項!?~いいえ、そんなことさせません! 犬にも猫にもメイドにも優しい悪役令嬢の誕生です~

安奈

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2話 悪役令嬢マリーナに転生しました その2

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 私は豪華なドレス姿に着替え、私室から出た。飼い犬のヴァイトが寂しそうにこちらを見ている。


「くぅぅぅぅぅん……」

「ごめんね、ヴァイト。ちょっと行って来るから。ええと、あなたの名前は……」


 私は部屋に来てくれたメイドに話しかけた。転生した身だけれど、私のゲームの知識以上のことは頭には入っていないみたい。いえ、正確にはヴァイトの名前がすぐに出て来たことからも入ってはいるんだろうけど、流石にモブのメイドまでは入ってなかったか。


「私の名前でしょうか……?」

「ええ、そうよ。よければ教えてもらえる?」


 マリーナの性悪な性格なら、いちいちメイドの名前なんて覚えていないはず。そう考えた私はなり切ってみたけれど、どうも上手くいかないわ。

「は、はい……私はネイラと申します、マリーナ様」

「ネイラ……ね、ありがとう教えてくれて」

「い、いえ……恐縮でございます……!」


 なんだか怯えている印象ね……やっぱり私が性悪なことは知れ渡っているのかしら? だからネイラが普通に接したことに驚いたんだろうし。


「そんなに怯えないで頂戴。いままであなたに辛く当たってしまったかもしれないけれど……私も直して行くから」

「そ、そんな……勿体ないお言葉でございます!」


 よしよし、少し警戒心を解いてくれたみたいね。とりあえず、ヴァイトの世話を彼女に依頼し、私は婚約者のシウスの元へ向かうことにした。



------------------------------------



 さてさて……応接室の前まで来たのはいいんだけれど……。悩むわね……シウスにどういう接触をすればいいのか。シウスはゲーム上では、最初はマリーナのことが好き。でも、舞踏会で出会ったヒロインのレイチェルも気にはなっている。

 レイチェルはシウスに片思いしていて……てな流れ。


 で、ゲームが進んでいくとマリーナの性悪な部分が如実に出て来るのよね……それで、シウスは愛想を尽かすようになっていき……まあ、その後の展開はマリーナから見ればバッドエンド直行ね。


 私はそんなバッドエンドなんて望まない……ううん、何よりもシウスと結ばれるのは、この日暮亜美なのよ! 嵌っていた時は本気でそんなこと思っていたし。友達からも少し引かれていたかもしれないわね……。


 突然起きてしまった異世界転生……? 操作キャラが悪役令嬢のマリーナになっているけれど、私のハッピーエンドの鍵はシウスであることに変わりはないわ! 私はそこまでの確認を終えると、応接室の扉を強くノックした。
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