2 / 2
2話 悪役令嬢マリーナに転生しました その2
しおりを挟む
私は豪華なドレス姿に着替え、私室から出た。飼い犬のヴァイトが寂しそうにこちらを見ている。
「くぅぅぅぅぅん……」
「ごめんね、ヴァイト。ちょっと行って来るから。ええと、あなたの名前は……」
私は部屋に来てくれたメイドに話しかけた。転生した身だけれど、私のゲームの知識以上のことは頭には入っていないみたい。いえ、正確にはヴァイトの名前がすぐに出て来たことからも入ってはいるんだろうけど、流石にモブのメイドまでは入ってなかったか。
「私の名前でしょうか……?」
「ええ、そうよ。よければ教えてもらえる?」
マリーナの性悪な性格なら、いちいちメイドの名前なんて覚えていないはず。そう考えた私はなり切ってみたけれど、どうも上手くいかないわ。
「は、はい……私はネイラと申します、マリーナ様」
「ネイラ……ね、ありがとう教えてくれて」
「い、いえ……恐縮でございます……!」
なんだか怯えている印象ね……やっぱり私が性悪なことは知れ渡っているのかしら? だからネイラが普通に接したことに驚いたんだろうし。
「そんなに怯えないで頂戴。いままであなたに辛く当たってしまったかもしれないけれど……私も直して行くから」
「そ、そんな……勿体ないお言葉でございます!」
よしよし、少し警戒心を解いてくれたみたいね。とりあえず、ヴァイトの世話を彼女に依頼し、私は婚約者のシウスの元へ向かうことにした。
------------------------------------
さてさて……応接室の前まで来たのはいいんだけれど……。悩むわね……シウスにどういう接触をすればいいのか。シウスはゲーム上では、最初はマリーナのことが好き。でも、舞踏会で出会ったヒロインのレイチェルも気にはなっている。
レイチェルはシウスに片思いしていて……てな流れ。
で、ゲームが進んでいくとマリーナの性悪な部分が如実に出て来るのよね……それで、シウスは愛想を尽かすようになっていき……まあ、その後の展開はマリーナから見ればバッドエンド直行ね。
私はそんなバッドエンドなんて望まない……ううん、何よりもシウスと結ばれるのは、この日暮亜美なのよ! 嵌っていた時は本気でそんなこと思っていたし。友達からも少し引かれていたかもしれないわね……。
突然起きてしまった異世界転生……? 操作キャラが悪役令嬢のマリーナになっているけれど、私のハッピーエンドの鍵はシウスであることに変わりはないわ! 私はそこまでの確認を終えると、応接室の扉を強くノックした。
「くぅぅぅぅぅん……」
「ごめんね、ヴァイト。ちょっと行って来るから。ええと、あなたの名前は……」
私は部屋に来てくれたメイドに話しかけた。転生した身だけれど、私のゲームの知識以上のことは頭には入っていないみたい。いえ、正確にはヴァイトの名前がすぐに出て来たことからも入ってはいるんだろうけど、流石にモブのメイドまでは入ってなかったか。
「私の名前でしょうか……?」
「ええ、そうよ。よければ教えてもらえる?」
マリーナの性悪な性格なら、いちいちメイドの名前なんて覚えていないはず。そう考えた私はなり切ってみたけれど、どうも上手くいかないわ。
「は、はい……私はネイラと申します、マリーナ様」
「ネイラ……ね、ありがとう教えてくれて」
「い、いえ……恐縮でございます……!」
なんだか怯えている印象ね……やっぱり私が性悪なことは知れ渡っているのかしら? だからネイラが普通に接したことに驚いたんだろうし。
「そんなに怯えないで頂戴。いままであなたに辛く当たってしまったかもしれないけれど……私も直して行くから」
「そ、そんな……勿体ないお言葉でございます!」
よしよし、少し警戒心を解いてくれたみたいね。とりあえず、ヴァイトの世話を彼女に依頼し、私は婚約者のシウスの元へ向かうことにした。
------------------------------------
さてさて……応接室の前まで来たのはいいんだけれど……。悩むわね……シウスにどういう接触をすればいいのか。シウスはゲーム上では、最初はマリーナのことが好き。でも、舞踏会で出会ったヒロインのレイチェルも気にはなっている。
レイチェルはシウスに片思いしていて……てな流れ。
で、ゲームが進んでいくとマリーナの性悪な部分が如実に出て来るのよね……それで、シウスは愛想を尽かすようになっていき……まあ、その後の展開はマリーナから見ればバッドエンド直行ね。
私はそんなバッドエンドなんて望まない……ううん、何よりもシウスと結ばれるのは、この日暮亜美なのよ! 嵌っていた時は本気でそんなこと思っていたし。友達からも少し引かれていたかもしれないわね……。
突然起きてしまった異世界転生……? 操作キャラが悪役令嬢のマリーナになっているけれど、私のハッピーエンドの鍵はシウスであることに変わりはないわ! 私はそこまでの確認を終えると、応接室の扉を強くノックした。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
知りませんでした?私再婚して公爵夫人になりました。
京月
恋愛
学生時代、家の事情で士爵に嫁がされたコリン。
他国への訪問で伯爵を射止めた幼馴染のミーザが帰ってきた。
「コリン、士爵も大変よね。領地なんてもらえないし、貴族も名前だけ」
「あらミーザ、知りませんでした?私再婚して公爵夫人になったのよ」
「え?」
私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!
杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。
彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。
さあ、私どうしよう?
とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。
小説家になろう、カクヨムにも投稿中。
悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。
倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。
でも、ヒロイン(転生者)がひどい!
彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉
シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり!
私は私の望むままに生きます!!
本編+番外編3作で、40000文字くらいです。
⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。
公爵令嬢を虐げた自称ヒロインの末路
八代奏多
恋愛
公爵令嬢のレシアはヒロインを自称する伯爵令嬢のセラフィから毎日のように嫌がらせを受けていた。
王子殿下の婚約者はレシアではなく私が相応しいとセラフィは言うが……
……そんなこと、絶対にさせませんわよ?
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍発売中
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
【完結】婚約破棄中に思い出した三人~恐らく私のお父様が最強~
かのん
恋愛
どこにでもある婚約破棄。
だが、その中心にいる王子、その婚約者、そして男爵令嬢の三人は婚約破棄の瞬間に雷に打たれたかのように思い出す。
だめだ。
このまま婚約破棄したらこの国が亡びる。
これは、婚約破棄直後に、白昼夢によって未来を見てしまった三人の婚約破棄騒動物語。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる