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1話 悪役令嬢マリーナに転生しました その1
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「う~ん、やっぱりおかしい……」
「フルルル?」
「お~~よしよし、ヴァイト。可愛いわね、お前は」
「ワフゥ……」
私は大型犬がじゃれついてくる私室で目を覚ました……。いえ、目を覚ましたというか、気付いたらそこに立っていたというか。私の名前は日暮亜美……16歳の高校1年生のはずなんだけど。
この部屋は明らかに西洋風の私室。しかも、ヴァイトという犬の名前がすぐに分かってしまった場所……。そう、ここは私が嵌っていた乙女ゲームの中だ。嵌っていたゲームだけにすぐに分かってしまった……しかも、私は敵側の悪役令嬢マリーナになっている。
ええ~~? 普通はヒロインであるレイチェルになりそうだけれど……これって転生しました! ってことなのかしら? 夢とも思えない現実感があるし。マリーナの飼い犬のヴァイトは、私をマリーナだと認識して懐いているし。それにしても可愛いな~~もう! モフモフじゃない、モフモフ!
「くぅうううううん」
私はあまりに可愛いヴァイトに、思わず強く抱き着いてしまった。大型犬とはいえ、少しだけ苦しそうにしていたので、すぐに離れることにした。
「ヴァイトが可愛いのはおいといて……ええと、これから起こることはなんだっけ?」
ゲーム内では、私は周囲の人たちやヴァイトに対して酷い仕打ちをするのよね……公爵令嬢の肩書きをフルに使って。それで、公爵令息のシウスに愛想を尽かされて振られて……最終的にシウスは伯爵令嬢のヒロインであるレイチェルと付き合うことになると。
レイチェルは私がゲームをやっていた時に操っていた人物……当然、マリーナより彼女の方に愛着はあるんだけれど。今がどのあたりの時間軸なのかを知る必要がありそうね……なんだか、現実ではあり得ないことが起きているのに、冷静な自分が信じられなかった。
ヴァイトの名前を呼んだ時もごく自然に呼んでいたし……もしかすると、精神がマリーナとリンクしているのかもしれないわね。と、その時、部屋の外から声が聞こえて来た。
「マリーナ様、いらっしゃいますでしょうか?」
「は~い、いるわよ。入ってちょうだい」
「失礼いたします、マリーナ様」
話し方からしてメイドだと踏んでいたけれど、まさにビンゴだった。可愛らしいロングスカートのメイドが私の部屋に入ってくる。とりあえず、現在はどのあたりの時間軸なのかを探りたいところね。
「用件はなにかしら?」
「はい、マリーナ様。シウス・ガルファ公爵令息様がお見えになっていますが……如何なさいますか?」
「シウスが来ている……?」
「はい、いらしております。今は応接室にて待機をしていただいていますが……」
なるほど、なんとなくわかったわ。シウスとはまだ婚約状態なのね……これはゲームが始まったばかり、あるいはその前後だと考えて良さそうね。
ある程度の時間軸が分かった私は、シウスに会う為にすぐに支度を開始した。
「フルルル?」
「お~~よしよし、ヴァイト。可愛いわね、お前は」
「ワフゥ……」
私は大型犬がじゃれついてくる私室で目を覚ました……。いえ、目を覚ましたというか、気付いたらそこに立っていたというか。私の名前は日暮亜美……16歳の高校1年生のはずなんだけど。
この部屋は明らかに西洋風の私室。しかも、ヴァイトという犬の名前がすぐに分かってしまった場所……。そう、ここは私が嵌っていた乙女ゲームの中だ。嵌っていたゲームだけにすぐに分かってしまった……しかも、私は敵側の悪役令嬢マリーナになっている。
ええ~~? 普通はヒロインであるレイチェルになりそうだけれど……これって転生しました! ってことなのかしら? 夢とも思えない現実感があるし。マリーナの飼い犬のヴァイトは、私をマリーナだと認識して懐いているし。それにしても可愛いな~~もう! モフモフじゃない、モフモフ!
「くぅうううううん」
私はあまりに可愛いヴァイトに、思わず強く抱き着いてしまった。大型犬とはいえ、少しだけ苦しそうにしていたので、すぐに離れることにした。
「ヴァイトが可愛いのはおいといて……ええと、これから起こることはなんだっけ?」
ゲーム内では、私は周囲の人たちやヴァイトに対して酷い仕打ちをするのよね……公爵令嬢の肩書きをフルに使って。それで、公爵令息のシウスに愛想を尽かされて振られて……最終的にシウスは伯爵令嬢のヒロインであるレイチェルと付き合うことになると。
レイチェルは私がゲームをやっていた時に操っていた人物……当然、マリーナより彼女の方に愛着はあるんだけれど。今がどのあたりの時間軸なのかを知る必要がありそうね……なんだか、現実ではあり得ないことが起きているのに、冷静な自分が信じられなかった。
ヴァイトの名前を呼んだ時もごく自然に呼んでいたし……もしかすると、精神がマリーナとリンクしているのかもしれないわね。と、その時、部屋の外から声が聞こえて来た。
「マリーナ様、いらっしゃいますでしょうか?」
「は~い、いるわよ。入ってちょうだい」
「失礼いたします、マリーナ様」
話し方からしてメイドだと踏んでいたけれど、まさにビンゴだった。可愛らしいロングスカートのメイドが私の部屋に入ってくる。とりあえず、現在はどのあたりの時間軸なのかを探りたいところね。
「用件はなにかしら?」
「はい、マリーナ様。シウス・ガルファ公爵令息様がお見えになっていますが……如何なさいますか?」
「シウスが来ている……?」
「はい、いらしております。今は応接室にて待機をしていただいていますが……」
なるほど、なんとなくわかったわ。シウスとはまだ婚約状態なのね……これはゲームが始まったばかり、あるいはその前後だと考えて良さそうね。
ある程度の時間軸が分かった私は、シウスに会う為にすぐに支度を開始した。
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