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サウザリンド城の大広間で始まった国際首脳会議では、大きな円卓を各国の代表者が囲い、真剣な表情で向き合っていた。先ずは、お互いの国の近況報告といったところだろうか。代表者達は、話に割り込むことなく、他国の話を聞いている。
緊張感に包まれた空気の中、私は広間の片隅で主人を見守っていた。
本来であれば、ただの侍女である私に、ここにいる資格はない。けれど、昨夜、歓迎の晩餐会から戻った主人より直々に辞令を受けたのだ。
それは、体調不良で倒れてしまった専属秘書官のマイヤ様に代わり、主人を補佐するというものだった。
主人の専属秘書官なんて、私には過ぎた大役。でも、今は限られた人選で乗り切らなきゃいけない。
私に出来ることは、精一杯やろうと、自分の胸元に付けた秘書官のバッジにそっと誓った。
「ステラ、すまないが、陛下が次に使う資料を部屋から取ってきてくれないか?ついでに、外の侍女達に休憩の準備をするよう伝えてくれ。」
主人の侍従のルドルフ様が、声を落として私に話しかけてきた。
「畏まりました。では、一度離れます。」
「ああ、頼んだよ。」
私は、ルドルフ様に頭を下げて、静かに持ち場を離れた。
会議が続く大広間の扉の前には、大柄の獣人騎士が剣を携えて立っていた。
私が近付くと、彼らはゆっくり扉を開けてくれた。
その扉の先には、廊下に出る前に、もう一つ控えの部屋があって、主人の指示を待つ各国の侍女達が、待機しているはずだった。
あれ?
おかしいな。
誰もいない。
不思議に思いながら、私は部屋をグルリと見回す。
その視線が、窓辺に佇む人物を捉えた。
「も、申し訳ありません、殿下。部屋を間違えました。」
私は直ぐに、その場で平伏す。
まずい。
唯一の出入り口だからと、確認を怠ってしまった。
入室前に一度、騎士に確認を取るべきだった!
ここはサージェントの王宮じゃないのに!
冷や汗を掻く私の下へ、コツコツと鈍い足音が近付いてくる。
そして、それは私の直ぐ前で止まった。
緊張感に包まれた空気の中、私は広間の片隅で主人を見守っていた。
本来であれば、ただの侍女である私に、ここにいる資格はない。けれど、昨夜、歓迎の晩餐会から戻った主人より直々に辞令を受けたのだ。
それは、体調不良で倒れてしまった専属秘書官のマイヤ様に代わり、主人を補佐するというものだった。
主人の専属秘書官なんて、私には過ぎた大役。でも、今は限られた人選で乗り切らなきゃいけない。
私に出来ることは、精一杯やろうと、自分の胸元に付けた秘書官のバッジにそっと誓った。
「ステラ、すまないが、陛下が次に使う資料を部屋から取ってきてくれないか?ついでに、外の侍女達に休憩の準備をするよう伝えてくれ。」
主人の侍従のルドルフ様が、声を落として私に話しかけてきた。
「畏まりました。では、一度離れます。」
「ああ、頼んだよ。」
私は、ルドルフ様に頭を下げて、静かに持ち場を離れた。
会議が続く大広間の扉の前には、大柄の獣人騎士が剣を携えて立っていた。
私が近付くと、彼らはゆっくり扉を開けてくれた。
その扉の先には、廊下に出る前に、もう一つ控えの部屋があって、主人の指示を待つ各国の侍女達が、待機しているはずだった。
あれ?
おかしいな。
誰もいない。
不思議に思いながら、私は部屋をグルリと見回す。
その視線が、窓辺に佇む人物を捉えた。
「も、申し訳ありません、殿下。部屋を間違えました。」
私は直ぐに、その場で平伏す。
まずい。
唯一の出入り口だからと、確認を怠ってしまった。
入室前に一度、騎士に確認を取るべきだった!
ここはサージェントの王宮じゃないのに!
冷や汗を掻く私の下へ、コツコツと鈍い足音が近付いてくる。
そして、それは私の直ぐ前で止まった。
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