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前編
出会い
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Tatsuyaとのコラボが一段落した頃、
そろそろ、作曲家募集のハッシュタグも外さないとねと募集専用のメールBOXをなんとなく覗いてみたら、一通の未読メールが残っていた。
え?もう誰からも来ないと思って放置してた(・・;)舞花は慌ててメールを開くと、そこにはこう書かれていた。
「初めまして。LANDYと申します。
作曲家募集のハッシュタグをみて連絡いたしました。是非仲良くして頂きたいです。趣味で作曲をしています。
主にアコギの弾き語りです。」
舞花は少し首をかしげた。
今まで連絡をくれた人はみな、
「貴女の歌詞に曲をつけさせてください」
だったのに、
「仲良くしてください」
と言われたのは初めてだったからだ。
出合い系じゃあるまいし、仲良くって…
舞花は戸惑いながらも返事をした。
まず、貴方の曲をいくつか聴かせてくださいと。打ち合わせはメールだとかったるいので、コミュニケーションアプリのRailに連絡をくれるように頼んだ。
LANDYからの連絡があったのは、翌日の夕方だった。
サンプルはてっきりMP3で来るものだと思っていたが、彼から届いたのは、MP4 つまり画像つきのデータだった。
そこには、首から下の本人が写っていた。
一曲は爽快な感じのするインストゥルメンタルで、一曲はLANDY自ら歌っている曲だった。が、これは一体、歌なのか…?(・・;)と舞花を戸惑わせるほどに音程が外れていた。
この曲は、有名なグループサウンズの名曲で、元歌は全く違う印象の歌であることに気づくのは、もう少し後の話である。
まあ、作曲家なのだから、本人が歌うわけじゃないし(・・;)問題はないか…
説明には、僕の作った曲と、僕の声ですとあった。
曲の方は可もなく不可もなく、ちゃんと曲になっていた。
問題のもう一曲…これが舞花には強烈な印象だった。
恐ろしく歌は下手なのに、よく通る聴いたこともないような独特の歌声だった。
まるで声優さんがわざと声を変えて歌っているような、そんな印象を受ける地声。舞花は今までこんな歌声を聴いたことがなかった。
ギターを奏でる白くて長い指と、歌う度に揺れる喉仏を計らずもセクシーだと感じていた。
ちょうど書き上げたばかりの、フォーク調の歌詞があったので、舞花はそれを渡し、曲をつけてくれるように頼んだ。
舞花は、今まで音楽とは無縁の生活だったが、なぜかその歌詞だけは、サビの部分のフレーズが頭に浮かんだので、アカペラで歌ったものを添付して、彼にサビだけはこのフレーズを使ってもらうように頼んだ。
少し時間を下さいと言われたので、まあ一週間位かかるだろうと思っていたが、舞花の予想に反して、数時間後に曲の一部をあげてきた。
早っ!初心者のTatsuyaとはレベルが違うのか?それよりもっと、驚いたのは、その曲が自分のイメージ通りの仕上がりだったからだ。
その歌詞は特別珍しいテーマでもなく、どちらかというと陳腐だなと自分でも思っていたのだが、歌詞を殺されることなく、見事にマッチしていた。
この曲が仕上げられるのは彼しかいない!この時、舞花は確信していた。
歌の下手さはまるで気にならなかった。
最初は彼の歌声が随分変わっていると思っただけだったが、2度目に聴いた瞬間に、舞花はその独特な声帯に堕ちていた。
そろそろ、作曲家募集のハッシュタグも外さないとねと募集専用のメールBOXをなんとなく覗いてみたら、一通の未読メールが残っていた。
え?もう誰からも来ないと思って放置してた(・・;)舞花は慌ててメールを開くと、そこにはこう書かれていた。
「初めまして。LANDYと申します。
作曲家募集のハッシュタグをみて連絡いたしました。是非仲良くして頂きたいです。趣味で作曲をしています。
主にアコギの弾き語りです。」
舞花は少し首をかしげた。
今まで連絡をくれた人はみな、
「貴女の歌詞に曲をつけさせてください」
だったのに、
「仲良くしてください」
と言われたのは初めてだったからだ。
出合い系じゃあるまいし、仲良くって…
舞花は戸惑いながらも返事をした。
まず、貴方の曲をいくつか聴かせてくださいと。打ち合わせはメールだとかったるいので、コミュニケーションアプリのRailに連絡をくれるように頼んだ。
LANDYからの連絡があったのは、翌日の夕方だった。
サンプルはてっきりMP3で来るものだと思っていたが、彼から届いたのは、MP4 つまり画像つきのデータだった。
そこには、首から下の本人が写っていた。
一曲は爽快な感じのするインストゥルメンタルで、一曲はLANDY自ら歌っている曲だった。が、これは一体、歌なのか…?(・・;)と舞花を戸惑わせるほどに音程が外れていた。
この曲は、有名なグループサウンズの名曲で、元歌は全く違う印象の歌であることに気づくのは、もう少し後の話である。
まあ、作曲家なのだから、本人が歌うわけじゃないし(・・;)問題はないか…
説明には、僕の作った曲と、僕の声ですとあった。
曲の方は可もなく不可もなく、ちゃんと曲になっていた。
問題のもう一曲…これが舞花には強烈な印象だった。
恐ろしく歌は下手なのに、よく通る聴いたこともないような独特の歌声だった。
まるで声優さんがわざと声を変えて歌っているような、そんな印象を受ける地声。舞花は今までこんな歌声を聴いたことがなかった。
ギターを奏でる白くて長い指と、歌う度に揺れる喉仏を計らずもセクシーだと感じていた。
ちょうど書き上げたばかりの、フォーク調の歌詞があったので、舞花はそれを渡し、曲をつけてくれるように頼んだ。
舞花は、今まで音楽とは無縁の生活だったが、なぜかその歌詞だけは、サビの部分のフレーズが頭に浮かんだので、アカペラで歌ったものを添付して、彼にサビだけはこのフレーズを使ってもらうように頼んだ。
少し時間を下さいと言われたので、まあ一週間位かかるだろうと思っていたが、舞花の予想に反して、数時間後に曲の一部をあげてきた。
早っ!初心者のTatsuyaとはレベルが違うのか?それよりもっと、驚いたのは、その曲が自分のイメージ通りの仕上がりだったからだ。
その歌詞は特別珍しいテーマでもなく、どちらかというと陳腐だなと自分でも思っていたのだが、歌詞を殺されることなく、見事にマッチしていた。
この曲が仕上げられるのは彼しかいない!この時、舞花は確信していた。
歌の下手さはまるで気にならなかった。
最初は彼の歌声が随分変わっていると思っただけだったが、2度目に聴いた瞬間に、舞花はその独特な声帯に堕ちていた。
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