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帝国編
47 ローゼンクロイツ
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「薬草栽培を主な産業にしている国家はないのですか?」
「国家全体でそれを産業にしているところは帝国傘下の国にはないですね。高品質な薬草には魔力が必要ですし、一部の地域で魔力が豊富でも、国全体の土地が魔力が豊富というところはありませんから」
「それに」と、ハンザスは魔塔主をチラリと見た。
「魔塔の森以上に高品質な薬草を育てることはできませんので、魔塔と争いたいと思う国はありませんよ」
「でも、魔塔がエトワール王国に移ってしまうとあの森は帝国のものですので、帝国が薬草販売をすることになりますよね?」
私の言葉に魔塔主はむむっと渋い顔で考える。
「では、森ごとエトワール王国に移しましょうか」
「魔塔を移すのにも魔力を溜めるのが大変だったじゃないですか」
「なので、分割で移動ですね」
「あの森を移す土地なんてエトワール王国の城の横にないですよ?」
「離宮潰せばいいじゃないですか?」
「あー」
あの変態がいる離宮なら確かに潰したい。
「リヒト様、あーじゃないですよ!」
常識人のハンザスにつっこまれて私は我に返った。
「危ない。流されるところでした!」
「今のどこに流される要素があったのですか?」
「離宮にはリヒト様を狙う獣がいるのです」
カルロがガルルッと小さな牙を剥き出しにする。
小さな犬歯が愛らしい唇からのぞいていて大変可愛らしい。
エトワール王国の悍ましい慣習を知っているらしいハンザスが「ああ……」と少し遠い目をした。
「ハンザス先生にまでエトワール王国の恥を知られていてお恥ずかしいです」
「いや、まぁ、そのような性癖のある学者もいますからね……」
私は驚きに表情を取り繕うのも忘れて目を見開く。
「え……もしや、国外の者も買ったりするのですか……」
「さすがに帝国内に持ち込むと処罰されるので、エトワール王国で遊んで帰ってくるみたいですよ」
「……まさか、そのような娼館があるということですか……」
「もしかして、知らなかったのですか?」
ハンザスの疑問の言葉に魔塔主が眉間に皺を寄せた。
「リヒト王子はまだ6歳ですよ? 誰もそのような場所には連れていきませんし、そのような場所の話も聞かせませんよ」
ハンザスは慌てて謝罪してくれた。
「そうでしたね。リヒト様は6歳でしたね……申し訳ございません。あまりの聡明さにまだ幼いということを失念しておりました」
帰ったら速攻でゲーツやジムニに実情を確認しなければならないだろう。
「えっと……何か美味しいものでも食べて帰りましょうか?」
ハンザスの提案に私は自国の悍ましい慣習を一旦忘れるように努力しながら答えた。
「せっかくここまで来たのですから、農作業を行う魔導具を見てから帰りたいです!!」
ひとまずは食事をしてから農園で動く魔導具を見に行くことにした。
朝市は午前中までだったようで、私たちが地面に降りた頃には先ほどの喧騒が嘘だったように市場から人がいなくなっていた。
市場だった場所から離れて店が立ち並ぶ道を歩く。
店内からいい香りのしてきた食堂に入ると昼時で賑わっていた。
鍛冶屋通りの食堂と比べるとメニューは豊富で……いや、一種類しかメニューがないところと比べるのもおかしな話だけど……他の席で食べている料理を見ると野菜がふんだんに使われていることがわかった。
さすがは農業国。
私はサラダと野菜がたっぷり入った鶏肉のシチューとパンのセットを注文した。
カルロがいつも通りに私と同じものを頼もうとしたので、他のメニューも試してみたかった私はカルロの代わりに注文させてもらった。
すると、魔塔主が自分の分も注文してほしいと言い、私はまた別のメニューを頼み、それを面白がったハンザスまで注文を私に任せた。
結局、メニュー表にあるほとんど全てのメニューを頼むことになった。
注文を取りに来たウェイトレスは笑っていた。
「こんなことなら上から順に一つずつ頼めばよかったです」
「それだと幾つもサラダを頼むことになって私はほとんど食べれませんでした」
魔塔主のためにかぼちゃのポタージュスープとマカロニグラタンといくつか甘いものを注文したけれど、いっそのこと、サラダづくめにしてやればよかった。
「リト、意地悪なことを考えてますね?」
「人の心を読むなんて、クロイツ兄さんは魔法使いみたいですね」
私の言葉に隣の席で食事をしていたおじさんたちがびくりと体を揺らしてこちらを見た。
もしや、冗談のつもりで言った魔法使いという言葉を本気にされてしまったのだろうか?
いや、まぁ、本当に魔法使いなのだけれど。
けれど、それは冗談で流されるような会話の流れで言ったのだが……
「あんた、クロイツって名前なのか?」
どうやら、おじさんたちが反応したのは魔法使いという言葉ではなく、魔塔主の名前だったようだ。
「ええ。まぁ」と、魔塔主が返答を返す。
「じゃ、この国の者じゃないんだろうけど、あんまりその名前は名乗らない方がいいぞ?」
「どうしてですか?」と私は隣の席のおじさんたちに聞いた。
「この国は百年ほど前にローゼンクロイツって名前の魔法使いを怒らせて、国土の半分を燃やされたんだよ……」
私は思わずじとりと魔塔主を見た。
「まぁ、そのおかげで当時暴政を強いていた王様は引っ込んだし、高い税を取り立ててた領主も派手な暮らしをしていた貴族も大人しくなったし、いくつかの街が消えたからこうして広々と農地に使えて農業大国になったんだけどな!」
「それでも、ローゼンクロイツは讃えるべき英雄ではなく、この国にとっては恐怖の対象なんだ」
それはそうだろう。
一人で大国の国土の半分を燃やすなんて、大災害と同じ扱いだ。
川の氾濫があるから大地に栄養が行き渡り農業ができる場所もあるが、しかし、川の氾濫はその瞬間ただの恐怖でしかないわけで、氾濫などしてくれないことに越したことはない。
「だから、ローゼンクロイツを思わせるその名前はあまりこの国では言わない方がいいぞ」
私は隣の席のおじさんたちに子供らしい無邪気に見える笑顔でお礼を言った。
もちろん、「この人がそのローゼンクロイツさん本人だと思いますよ」なんて不親切なことは教えない。
サラダが運ばれてきたので早速食べてみると、やはり城で食べていたものよりも鮮度がよく瑞々しい野菜が美味しかった。
しかし、野菜本来の味だけで言えば、エトワール王国の野菜の方が美味しかった気がする。
「エトワール王国の野菜の方がもっと味が濃かった気がする」
私の言葉にカルロも頷いた。
「土地の違いかもしれないね」
「言ったでしょう? 魔力が豊富だって」
「魔力が野菜の味に関係するのですか?」
「少なくとも、魔法使いは魔力に敏感ですからね」
つまり、魔法が使える私とカルロの舌は魔力を含んだ野菜の方が美味しく感じるということだろうか?
という確認はここではできない。
また隣の席のおじさんとか他の人たちに聞かれてしまう可能性があるからだ。
「ちょっと研究したいことができたかも」
他の料理も美味しかったけれど、どれも際立って美味しいというものはなかった。
肉料理に関しては完全に鍛冶屋通りの食堂のステーキに軍配が上がる。
やはり、刃物の切れ味と火加減がとても大切だということだろうか。
食堂を出ると私たちは魔塔主の転移魔法でテル王国内のキャベツ畑へと転移した。
これがまた、ものすごく広大だった。
一面が瑞々しい緑の絨毯だ。
しかし、いかんせん、そうタイミングよく魔導具が動いているところなど見られるはずがなかった。
「収穫の時間は早朝ですし、国が使用料を取って貸与している高価な魔導具ですから、関係者以外が見学する場合には正式に依頼しないといけないかもしれませんね」
周囲には私たちしかいないためハンザスは口調をいつものものにした。
「魔導具を実際に使っているところも見たいですから、収穫の時間にまた来たいです」
「これだけ広い農地ですから、他の魔導具もきっとあるでしょう。探してみましょうか」
ハンザスの言葉に魔塔主は首を横に振った。
「魔塔にテル王国から畑を監視するための魔導具の制作依頼が来ていました。今は試作品を提供してデータをとっている段階のはずなので、あまり怪しい行動はしない方がいいでしょう」
「畑を監視する魔導具などこれまで導入はされてきませんでしたが……」
そこまで言ってハンザスは何かに気づいたように私を見た。
「……なんですか?」と、私は首を傾げてハンザスを見上げる。
「監視の魔導具の導入をテル王国に決めさせたのはリヒト様でしょうね」
「え? どうしてですか?」
「盗賊国家の一件です」
ああ! と私は納得した。
金品宝石だけでなく農作物も盗まれる対象になると気づいて危機感を持ったということだろう。
「では、残念ですが、今日はこのまま帰って、早朝にまた来ましょう。それから、どのような農業用魔導具があるのか、私はその資料を探してみますね」
ハンザスの言葉に私はお礼を言った。
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「国家全体でそれを産業にしているところは帝国傘下の国にはないですね。高品質な薬草には魔力が必要ですし、一部の地域で魔力が豊富でも、国全体の土地が魔力が豊富というところはありませんから」
「それに」と、ハンザスは魔塔主をチラリと見た。
「魔塔の森以上に高品質な薬草を育てることはできませんので、魔塔と争いたいと思う国はありませんよ」
「でも、魔塔がエトワール王国に移ってしまうとあの森は帝国のものですので、帝国が薬草販売をすることになりますよね?」
私の言葉に魔塔主はむむっと渋い顔で考える。
「では、森ごとエトワール王国に移しましょうか」
「魔塔を移すのにも魔力を溜めるのが大変だったじゃないですか」
「なので、分割で移動ですね」
「あの森を移す土地なんてエトワール王国の城の横にないですよ?」
「離宮潰せばいいじゃないですか?」
「あー」
あの変態がいる離宮なら確かに潰したい。
「リヒト様、あーじゃないですよ!」
常識人のハンザスにつっこまれて私は我に返った。
「危ない。流されるところでした!」
「今のどこに流される要素があったのですか?」
「離宮にはリヒト様を狙う獣がいるのです」
カルロがガルルッと小さな牙を剥き出しにする。
小さな犬歯が愛らしい唇からのぞいていて大変可愛らしい。
エトワール王国の悍ましい慣習を知っているらしいハンザスが「ああ……」と少し遠い目をした。
「ハンザス先生にまでエトワール王国の恥を知られていてお恥ずかしいです」
「いや、まぁ、そのような性癖のある学者もいますからね……」
私は驚きに表情を取り繕うのも忘れて目を見開く。
「え……もしや、国外の者も買ったりするのですか……」
「さすがに帝国内に持ち込むと処罰されるので、エトワール王国で遊んで帰ってくるみたいですよ」
「……まさか、そのような娼館があるということですか……」
「もしかして、知らなかったのですか?」
ハンザスの疑問の言葉に魔塔主が眉間に皺を寄せた。
「リヒト王子はまだ6歳ですよ? 誰もそのような場所には連れていきませんし、そのような場所の話も聞かせませんよ」
ハンザスは慌てて謝罪してくれた。
「そうでしたね。リヒト様は6歳でしたね……申し訳ございません。あまりの聡明さにまだ幼いということを失念しておりました」
帰ったら速攻でゲーツやジムニに実情を確認しなければならないだろう。
「えっと……何か美味しいものでも食べて帰りましょうか?」
ハンザスの提案に私は自国の悍ましい慣習を一旦忘れるように努力しながら答えた。
「せっかくここまで来たのですから、農作業を行う魔導具を見てから帰りたいです!!」
ひとまずは食事をしてから農園で動く魔導具を見に行くことにした。
朝市は午前中までだったようで、私たちが地面に降りた頃には先ほどの喧騒が嘘だったように市場から人がいなくなっていた。
市場だった場所から離れて店が立ち並ぶ道を歩く。
店内からいい香りのしてきた食堂に入ると昼時で賑わっていた。
鍛冶屋通りの食堂と比べるとメニューは豊富で……いや、一種類しかメニューがないところと比べるのもおかしな話だけど……他の席で食べている料理を見ると野菜がふんだんに使われていることがわかった。
さすがは農業国。
私はサラダと野菜がたっぷり入った鶏肉のシチューとパンのセットを注文した。
カルロがいつも通りに私と同じものを頼もうとしたので、他のメニューも試してみたかった私はカルロの代わりに注文させてもらった。
すると、魔塔主が自分の分も注文してほしいと言い、私はまた別のメニューを頼み、それを面白がったハンザスまで注文を私に任せた。
結局、メニュー表にあるほとんど全てのメニューを頼むことになった。
注文を取りに来たウェイトレスは笑っていた。
「こんなことなら上から順に一つずつ頼めばよかったです」
「それだと幾つもサラダを頼むことになって私はほとんど食べれませんでした」
魔塔主のためにかぼちゃのポタージュスープとマカロニグラタンといくつか甘いものを注文したけれど、いっそのこと、サラダづくめにしてやればよかった。
「リト、意地悪なことを考えてますね?」
「人の心を読むなんて、クロイツ兄さんは魔法使いみたいですね」
私の言葉に隣の席で食事をしていたおじさんたちがびくりと体を揺らしてこちらを見た。
もしや、冗談のつもりで言った魔法使いという言葉を本気にされてしまったのだろうか?
いや、まぁ、本当に魔法使いなのだけれど。
けれど、それは冗談で流されるような会話の流れで言ったのだが……
「あんた、クロイツって名前なのか?」
どうやら、おじさんたちが反応したのは魔法使いという言葉ではなく、魔塔主の名前だったようだ。
「ええ。まぁ」と、魔塔主が返答を返す。
「じゃ、この国の者じゃないんだろうけど、あんまりその名前は名乗らない方がいいぞ?」
「どうしてですか?」と私は隣の席のおじさんたちに聞いた。
「この国は百年ほど前にローゼンクロイツって名前の魔法使いを怒らせて、国土の半分を燃やされたんだよ……」
私は思わずじとりと魔塔主を見た。
「まぁ、そのおかげで当時暴政を強いていた王様は引っ込んだし、高い税を取り立ててた領主も派手な暮らしをしていた貴族も大人しくなったし、いくつかの街が消えたからこうして広々と農地に使えて農業大国になったんだけどな!」
「それでも、ローゼンクロイツは讃えるべき英雄ではなく、この国にとっては恐怖の対象なんだ」
それはそうだろう。
一人で大国の国土の半分を燃やすなんて、大災害と同じ扱いだ。
川の氾濫があるから大地に栄養が行き渡り農業ができる場所もあるが、しかし、川の氾濫はその瞬間ただの恐怖でしかないわけで、氾濫などしてくれないことに越したことはない。
「だから、ローゼンクロイツを思わせるその名前はあまりこの国では言わない方がいいぞ」
私は隣の席のおじさんたちに子供らしい無邪気に見える笑顔でお礼を言った。
もちろん、「この人がそのローゼンクロイツさん本人だと思いますよ」なんて不親切なことは教えない。
サラダが運ばれてきたので早速食べてみると、やはり城で食べていたものよりも鮮度がよく瑞々しい野菜が美味しかった。
しかし、野菜本来の味だけで言えば、エトワール王国の野菜の方が美味しかった気がする。
「エトワール王国の野菜の方がもっと味が濃かった気がする」
私の言葉にカルロも頷いた。
「土地の違いかもしれないね」
「言ったでしょう? 魔力が豊富だって」
「魔力が野菜の味に関係するのですか?」
「少なくとも、魔法使いは魔力に敏感ですからね」
つまり、魔法が使える私とカルロの舌は魔力を含んだ野菜の方が美味しく感じるということだろうか?
という確認はここではできない。
また隣の席のおじさんとか他の人たちに聞かれてしまう可能性があるからだ。
「ちょっと研究したいことができたかも」
他の料理も美味しかったけれど、どれも際立って美味しいというものはなかった。
肉料理に関しては完全に鍛冶屋通りの食堂のステーキに軍配が上がる。
やはり、刃物の切れ味と火加減がとても大切だということだろうか。
食堂を出ると私たちは魔塔主の転移魔法でテル王国内のキャベツ畑へと転移した。
これがまた、ものすごく広大だった。
一面が瑞々しい緑の絨毯だ。
しかし、いかんせん、そうタイミングよく魔導具が動いているところなど見られるはずがなかった。
「収穫の時間は早朝ですし、国が使用料を取って貸与している高価な魔導具ですから、関係者以外が見学する場合には正式に依頼しないといけないかもしれませんね」
周囲には私たちしかいないためハンザスは口調をいつものものにした。
「魔導具を実際に使っているところも見たいですから、収穫の時間にまた来たいです」
「これだけ広い農地ですから、他の魔導具もきっとあるでしょう。探してみましょうか」
ハンザスの言葉に魔塔主は首を横に振った。
「魔塔にテル王国から畑を監視するための魔導具の制作依頼が来ていました。今は試作品を提供してデータをとっている段階のはずなので、あまり怪しい行動はしない方がいいでしょう」
「畑を監視する魔導具などこれまで導入はされてきませんでしたが……」
そこまで言ってハンザスは何かに気づいたように私を見た。
「……なんですか?」と、私は首を傾げてハンザスを見上げる。
「監視の魔導具の導入をテル王国に決めさせたのはリヒト様でしょうね」
「え? どうしてですか?」
「盗賊国家の一件です」
ああ! と私は納得した。
金品宝石だけでなく農作物も盗まれる対象になると気づいて危機感を持ったということだろう。
「では、残念ですが、今日はこのまま帰って、早朝にまた来ましょう。それから、どのような農業用魔導具があるのか、私はその資料を探してみますね」
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