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86.算盤を作るのでござる-2
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オヤジは宗長の顔をみる。
「算盤は計算をするための道具でござるが、計算を繰り返し繰り返し練習していると、段々と算術を覚えて来るのでござる」
「そんなに簡単に、計算をできる道具なのか?」
「左様、オヤジ殿がまずは使って見るのが良いでござろう」
宗長はそう言うと、懐から図面を取り出した。
「それが算盤の設計図でござる」
設計図は、マルタン商会にもどった後で宗長が描いたものである。
そろばんは、珠、枠、芯を組み合わせて作られている。枠は上下左右の枠、梁といわれる横板からなる。それぞれの芯には珠が通され、梁を挟んで外側の枠によって固定されている。珠を上下に滑らせることで計算が行われ、梁と接している珠の数が盤面に置かれている数字を表す。芯ごとの珠の数は梁の上側(天)に1つの珠、梁の下側(地)に4つの珠を配置しており、天の1珠は梁に付くと5を表し、五珠、地の4珠は梁に付くと1つが1を表し、一珠という。
「オヤジ殿は腕の良い職人だと伺って参った。作れそうでござるか?」
オヤジは宗長の図面を見つめ
「あぁ、作れると思う」
と答えた。
ジャンは宗長の肩を叩いた。
宗長もジャンの肩を叩きかえし、オヤジに向かい
「早速ではあるが、今から試作していただけないだろうか?」
と言った。
「おぃ、今からって……」
「こういうのは、早い方がいいのでござる」
「あぁ、そうだな。端材でいいか?作ってみるか」
「かたじけないでござる」
「算盤は計算をするための道具でござるが、計算を繰り返し繰り返し練習していると、段々と算術を覚えて来るのでござる」
「そんなに簡単に、計算をできる道具なのか?」
「左様、オヤジ殿がまずは使って見るのが良いでござろう」
宗長はそう言うと、懐から図面を取り出した。
「それが算盤の設計図でござる」
設計図は、マルタン商会にもどった後で宗長が描いたものである。
そろばんは、珠、枠、芯を組み合わせて作られている。枠は上下左右の枠、梁といわれる横板からなる。それぞれの芯には珠が通され、梁を挟んで外側の枠によって固定されている。珠を上下に滑らせることで計算が行われ、梁と接している珠の数が盤面に置かれている数字を表す。芯ごとの珠の数は梁の上側(天)に1つの珠、梁の下側(地)に4つの珠を配置しており、天の1珠は梁に付くと5を表し、五珠、地の4珠は梁に付くと1つが1を表し、一珠という。
「オヤジ殿は腕の良い職人だと伺って参った。作れそうでござるか?」
オヤジは宗長の図面を見つめ
「あぁ、作れると思う」
と答えた。
ジャンは宗長の肩を叩いた。
宗長もジャンの肩を叩きかえし、オヤジに向かい
「早速ではあるが、今から試作していただけないだろうか?」
と言った。
「おぃ、今からって……」
「こういうのは、早い方がいいのでござる」
「あぁ、そうだな。端材でいいか?作ってみるか」
「かたじけないでござる」
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