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試合開始と恐怖の魅力

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 俺の試合まで後十分。その間暇なので観客席でアリスを犯す。
「ちょっとあんた……いつまでおかしてんのさ……そろそろしあいでしょ?」
「お前を他の奴らに見せびらかしたいのさ」
 椅子に座り、背面座位で体をゆっくり揺らしながら、ゆったりとアリスの子宮と膣を楽しむ。
「しょうじき……わたしせっくすきらいなのよ……だからはなしてくれない」
「さっきまであんなに乱れていたのに嫌いなのか?」
「きらいよ……いたくて……こわくて……きたなくて」
「でも俺は好きだろ?」
「どのくちでいうのよ……わたしをさんざんおかしたくせに」
 アリスは深くため息を吐く。
「わたしはね……おかねがすきなの……おとこよりも」
「俺よりも金のほうが好きなのか?」
 乳首を柔らかく撫でる。キュッと中が締まる。
「おかねのほうがすきよ……」
 くすりとアリスが笑う。
「わたしがあんたといるのはおかねのため……それいじょうでもそれいかでもないわ」
「じゃあ、これを渡したらもっと俺のことを好きになるのか?」
 鞄から宝石と札束を取り出して、アリスに持たせる。アリスは力なく宝石と札束を落とす。
「どうして捨てたんだ?」
「つかれておとしただけ……あんたのせっくすはすごくつかれるの」
「逝きぐるうからか?」
「はは……そうね……ふかんしょうだったのに……」
「体の相性がいいんだよ」
「ばかいわないでよ……あんたがばけものなだけ」
 ブルっとアリスが体を震わせる。軽く逝った。
「ほんと、ほかのおんなはよくあんたをすきになれるね」
 アリスは息絶え絶えなサテラたちを見て苦笑する。
「おんなずきで……ひとごろしで……いいところなんてなんにもないのに……」
「セックスは上手いし、金もあるぜ」
 グッグッと子宮を押すとアリスが前の座席に手をついて呻く。
「い、いぐ!」
 だらだらと蜜が金玉まで流れる。
「はっは……もうかんべんして……つらい……いっそいつもみたいにきぜつさせて」
「今日はお前と仲良くしたい気分なんだ」
「ほんと……さいてい……うわきしまくってるのに……さてらとか……かわいそうだと……おもわないの……」
「俺が女を犯すのは、女を幸せにするためだ」
「さいてい」
 アリスの半開きの口からどろりと涎が糸を引いて落ちる。アリスの体を抱きかかえる。メリメリと子宮にチンポが食い込む。
「んーーーー!」
 ぎゅっと体を縮こませて快楽に耐える。
「もうすっかり、体は俺の物だな」
 アリスはぎりぎりと歯を鳴らして耐え続ける。そして快楽の波が落ち着くと、ゆっくりと体を弛緩させる。
「みとめるわ……もうわたしのからだはあんたにくっぷくしてる……でもこころはちがうわ……」
「つまり、まだ俺が好きじゃないのか?」
「だいきらいよ」
「そうか。ならご機嫌を取らないとな」
 鞄を逆さにして宝石と札束をぶちまける。
「これ全部お前にやる。だから好きになってくれ」
 アリスは力なく笑う。
「いや……だって……こんなの……あんたにとっちゃはしたかね……」
「金庫は俺の貯金箱。銀行は俺のために金をかき集める。そう考えるとはした金だな」
「よくいうわ……ぜんぶとうひんでしょ……」
「悪党から奪ったものもある」
「やっぱりぬすんだんだ……」
「盗まれたことすら気づかないから安心しろ」
「なにいってんだかわからないわ」
 ズリズリとチンポを動かす。アリスの体がぴくぴく痙攣する。
「ねえ……もうやめて……わたしはあんたがきらい……それでいいじゃない……すきなだけおかせるんだから」
「そんなに男が嫌いなのか?」
「きらいよ……あんたもふくめて……」
「嫌いになった切っ掛けは、男に捨てられたから」
 ピクリとアリスが動きを止める。
「お前は、ここに来て不安だった。記憶も無い、力も無い、おまけに文明も無い。だから初めて会った男に靡いた。男は良い奴だった。しかし、夜盗に脅されて、お前を売った」
「あんた本当に最低だね!」
 アリスが覚醒して暴れ出す。抱きしめて離さないようにする。
「あんただって飽きれば捨てるでしょ! ほんと! サテラたちが可哀そうだよ! 皆あんたに騙されてるのさ!」
「俺は騙すつもりはねえ。その証拠に、お前には不自由させていないだろ?」
「ふざけるな! 男は皆最初は紳士面する! だけど飽きたら簡単に捨てる! 切っ掛けがあればすぐに!」
「はっはっは! ようやく本心が出たな! 良いぞ! もっとさらけ出せ! お前の闇を叫べ!」
「離せ! 誰か助けて! この男を殺して!」
「良いね! さあ! 誰でもいい! 一歩前に出てアリスを助けろ! 俺を殺してみろ! その時お前は英雄だ!」
 誰も何も言わない。遠巻きに見ているだけだった。
 アリスが涙を流す。
「お願い……もう許して……これ以上私で遊ばないで……」
 アリスの涙を舐めとる。
「俺が怖いか?」
 アリスは頷く。
「怖い……誰よりも……一番怖い」
「なるほど、俺が一番怖いか」
 アリスの体からチンポを引き抜く。試合が始まる。
「その言葉、忘れるなよ」
 アリスの気の抜けた顔を見届けると、会場へ飛び降りる。
「さて、恐怖の始まりだ!」

 会場が見渡せるVIPルームで、ヘクタールはくつくつ笑う。
「楽しい奴だ……本当に楽しい奴だ!」
「ヘクタール様! 笑い事ではありません! あのようなことをされては風紀が乱れます! いえ! すでに乱れています!」
「今日が奴の命日だ。最後くらい好きにさせてやれ」
 ヘクタールは笑いながら議員たちに言う。
「それに、誰もあいつを注意しなかった。お前たちも」
 ヘクタールが目を細めると、議員たちは気まずそうに眼を逸らす。
「ふふ、まあ、あのような馬鹿に手玉に取られるくらい、この国はまだまだ未熟だと理解できた。それで良いだろ」
「……おっしゃる通りです。私たちは浮かれていました」
「あのような男を制御できない。これは非常に反省すべきことです」
「ヘクタール様がいらっしゃねば、この国はあの男に壊されていたでしょう」
 議員たちは次々に謝罪を述べる。
「よいよい。その姿勢だけで十分だ。それより、これで我が国の課題点が浮き彫りになった」
「恐れながら、それは何かお聞きしてよろしいでしょうか?」
「簡単だ。わが国には娯楽がない。だから奴の余興に夢中になってしまう」
「娯楽? わが国は他の都市国家よりも先進国です。かなりの娯楽施設が揃っています」
「確かに揃っている。だが、恐怖がない。悪がない」
「恐怖? 悪?」
「人間は貪欲だ。時には悪も恐怖も味わいたくなる」
「しかし、それは神の意志に反することです。私たちは罪びとです。日々精進し、罪を洗い流さなくてはいけません」
「それを否定するつもりはない。だが適度な恐怖と悪は、神も許してくれるだろう。何せ、俺たちは神を恐れている。つまり恐怖によって支配されているのだから」
「し、しかし……」
「奴の死体がさらされた時のことを考えてみろ」
 議員たちは口を紡ぐ。そしてすぐにヘクタールを見る。
「その目が答えだ」
 ヘクタールは試合会場へ体を向ける。鎖に繋がれた男が、ゆったりと現れるところだった。
「し、しかしよろしいのでしょうか。あのような罪人たちを解き放ってしまって」
「普通の人間では狂太郎に音もなく殺されるだけだ。適役なのは、あのような死刑にすらできない奴らだ」
「ですが不安です! あいつらが狂太郎を殺したら、次は観客です!」
「その時は私が奴らを皆殺しにする。それもまた余興だ」
 議員たちはそれ以上何も言わなかった。ヘクタールはくつくつと笑い続ける。
 そして狂太郎と目が合うと、笑いが止まる。
「あいつ? どこかで見た気がする?」

 会場に降りると鎖に繋がれた男が登場した。明らかに堅気の人間ではない。体臭にしみついた血の香りから、殺人鬼だと分かる。
「どうやら、俺を殺すための罠らしいな」
 VIPルームで俺を笑う男が居ると分かれば答えは簡単だ。
「そっちのほうが大歓迎だぜ!」
 罠なら、そこら辺の屑よりも歯ごたえのある奴らが相手だ!
「感謝するぜ」
 VIPルームに視線を送る。そこに居た男と目が合う。
「あいつ? どこかで会った気がする?」
 気になるが、今は考えても仕方のないことだ。目の前の男に集中しよう。
「あんた……たくさん女が居るんだな……皆いい女だ」
 男が俺の女に舌なめずりする。
「俺の女に色目を使うとは、いい度胸だ。一瞬で殺してやる」
「やってみな。どうせ無駄だから」
「もうやったよ」
 隠し持った極細の糸鋸で男を縛る。
「死ね」
 一気に糸鋸を引っ張る。
「肉体強化!」
 男の筋肉が突然盛り上がる。糸鋸が肌も切り裂けずに千切れる。
「んふ! こうなった俺は最強だ! 銃弾もナイフも鈍器も利かない! 急所は鉄よりも頑丈な筋肉と肌で防御している!」
「なるほど、首に絞首刑の跡があるが、生き残った理由はその能力のおかげか」
「察しが良いな! 死ね!」
 筋肉の大男となった男が走る。
「速いな!」
 後ろに飛びのく。男の拳がリングに突き刺さると、リングにヒビが入る。
「筋肉は力の源! 脚力も強化される! 今の俺はチーターよりも速く走れる! 熊すら殺す一撃を放てる!」
「嬉しいね! ならさっさと殴ってみな」
「ほざけ!」
 男が拳を振り上げる。その隙に男の胸、心臓に手を当てる。
「ハートブレイクショット!」
 そして一気に力を込めて、衝撃波を心臓に送り込む。
 男の目、口、鼻、耳から血が噴き出る。
「な、なにをした……」
「ボディーアーマー越しに心臓を止める技術だ。少々コツが居るが、慣れると簡単だぜ」
 男の体が急速に萎む。
「終わりか。少しは楽しめた。礼を言うよ」
 片手で男の首を掴み、持ち上げる。
「ま、まて! もうたたかえない! ぎぶあっぷだ! こうさんする!」
「そいつはダメだ」
 ぎりぎりと真綿で締めるように手に力を込める。
「アリスと約束した。俺は一番怖い存在にならないといけない。お前にはその見せしめになってもらう」
 たっぷりと時間をかけて首を絞める。ミチミチと音が鳴り始める。男の目が圧力に負けて飛び出す。
「た……たす……け……て」
 ブチリと男の首が千切れとんだ。
「アリス!」
 観客席に居るアリスに言う。
「俺は怖いだろ。だが他の男はどうだ?」
 アリスは目をパチパチさせただけだった。
「ふむ……感想を聞かないと分からないな」
 アリスの元に急ごうと歩を進めると、審判が小便を垂れ流しにして立ちすくんでいた。
「邪魔だ。どけ」
 審判は悲鳴を上げて逃げて行った。

「どうだった?」
 物陰に隠れていたアリスを見つける。アリスは俺を見るとガタガタ震える。
「こ、来ないで!」
 アリスは俺を見ると小便を漏らし始める。
「おもらしか」
 構わず目の前に立つ。
「乳首とクリトリスが勃起してるぜ」
 軽く触れるだけでアリスの体が崩れる。アリスは支えを求めて俺にしがみつく。
「こ、ころさないで……おねがいします!」
「なら、口を開けろ」
 アリスは素直に口を開ける。そこに舌を入れる。
「股を開け」
 素直に股を開いたのでブスリと根元まで突き刺す。
「んんん!」
 アリスが絶頂する。
「入れただけで逝くなんて、いやらしい奴だ」
「そ、そんな……なんで? こわいのに……こんなにきもちいいなんて!」
 アリスが情熱的に絡みつく。
「ねぇ! ねぇ! ねえ! いっぱいだいていいから! いっぱいおかしていいから! わたしをころさないで!」
「殺さねえよ! お前は俺のもんだからな!」
 亀頭が膨らむ。先ほどの試合も手伝って相当興奮してしまったようだ。
「出すぞ! いっぱい! 腹が破裂するくらい出すぞ!」
「ひいいい! ころされちゃう! たすけて! たすけて!」
 ズンと奥を突いた瞬間、射精した。
「あぁあ……でてる……わたしのなかにでてる……」
 アリスは腹を触ってどくどくと射精する感触を確かめる。
「ねえ? これでわたしのこところさない?」
「もともと殺すつもりはない。お前は俺の女だからな」
「うれしい……」
 アリスはスウスウと寝息を立てる。
「そんな激しくしてないのに……しゃあねえ、ロゼかルーシャでも犯すか」
 お姫様抱っこしてサテラたちの元に戻る。
「あ! きょうちゃん! かっこよかったよ! あれ? アリスちゃん戻ってきた!」
 静流が手を振って迎える。
「アリスさん、良く寝てますね」
 ロゼがアリスの顔を見て呟く。
「理解しただけさ」
 サテラがアリスの顔を撫でる。
「狂は世界で一番怖い犯罪者だ。だから他の恐怖なんて寄り付かない。一番怖くて、一番安心できる人なんだ」
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