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三食昼寝、家族付き

第1104話

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 アー君が遊びに行く下準備としてドリちゃんの枝を一つもらい、現地に挿し木しに行った。
 僕は当日まで行っちゃだめなんだって、ダンジョンとか周囲の魔物の生態が変わったり、仲間に入ってしまうから狩りできなくなるというのが理由。

 見知らぬもふもふ、素敵だよね。
 会える日を楽しみにしていよう。

「ヒッポカムポスも数頭連れてくから、ママも水上リレー参加できるぞ」
「本当!? 楽しみだねぇ」

 ヒッポカムポスって確か半馬半魚の海馬だよね、去年アー君が旅の終わりに群れごと仲間として引き連れてきて今は白ちゃんの領地で暮らしている子達。
 馬に乗る自信がないから刀雲に一緒に乗せてもらおう。

「三食昼寝付きで募集掛けたから、あいつらの食事も用意しておかないとな。餌なんだっけなー」
『僕らのおやつは何持ってく?』
「果物――いや、アイス!」
「凍らせてアイテムボックスに入れて持っていきましょう! 決まれば果物狩りですね!!」
「おう、行くぜイネス!」
「わたしも行く!」

 ブツブツ独り言を呟くアー君を置いて涼玉とイネス、飛び入り参加のネヴォラが座敷を飛び出して行った。

『ママ、駄菓子選びたいなぁ』
「ん? シャムスなぁに?」
「めにゅー」
「メニュー画面見るの?」
「あい!」

 要望に応じてメニュー画面を展開したら、手慣れた様子でシャムスが画面をスライドしていき、駄菓子コーナーを表示させた。
 なるほど、旅行先で食べるおやつを選ぶんだね。
 駄菓子ならポイントもそんなにかからないし、好きなだけお選び。

『チョコとー、うんまぃ棒とー、マシュマロにー、練るねるお菓子~』

 鼻歌を歌いながら選ぶシャムスが可愛い、でもまとめ買いしているので量が可愛くない。

「お、シャムスだけずるいな、俺も~」

 そこへアー君参戦がした。

「アテナ用に粉ミルクか?」
『ドリちゃんミルクの代わりよ』
「食い物の恨みは恐ろしいからな、現地のものを使って離乳食とかも作ってやりたいな」
『持っていく絵本も選ばなきゃ、忙しいねー』

 自分の話題だと分かったのだろう、クッションコーナーでコロコロしていたアテナが二人に近付き、一緒にメニュー画面を見上げている。
 なんだあの可愛い生き物たちは。

「アテナ、旅行先でずっと同じオムツは嫌だろ、水着と一緒に選ぼうな」
「あぅ!」
『騎士様が帰ったらみんなの分の浮き輪買ってもらうの』
「それならパパよりギレンじゃないか、港を拠点にしているんだし、良さげなのきっと持ってるだろ」
『うん』

 それから暫くして、涼玉達が山のような果物を持ってきて、アー君はアイスキャンディー製造マシーンと化した。
 切るのはスラちゃんがやってたけど、アイスキャンディーにするのも任せれば良かったんじゃ?
 キャンディーに込められる魔力の問題かな?

「もう当分、アイスキャンディーは見たくない」

 大量生産が終わったアー君は真っ白に燃え尽きていました。
 今日の夕食はアー君大好きチーズカレーだよ、元気出して!
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