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三食昼寝、家族付き

第966話

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 セバツーが「このままじゃダメだ」と呟き、一人旅立つ決意をした。
 なんでもここにいると家事能力ばかりが上達し、お茶スキルを伸ばす暇が見つからないから、まずお茶の葉を探す旅に出ることにしたようです。

「アップルティーとかの果実茶なら原材料家で手に入るよ?」
「……聖属性強過ぎて……」

 果実園に足を踏み入れることすら出来なかったそうです、聖域通り越して神域になってる?
 イネスが黄金のリンゴを食べるために居座って延々と聖なる光を垂れ流している時あるから、そのせいで聖属性が強化されているのかもしれない。

「仙桃ならどう?」
「いただきます」

 いてくれると子供達が喜ぶので旅立ちを阻止したい所存。
 爪を伸ばして皮を剥き、ガブッと一口食べたセバツーがほわっと表情を緩めた。

「胃がスッキリする。あっ、何ですかその「苦労してるなぁ」って同情する表情は! 私がしている苦労の八割以上は貴方の家族のせいですからね!!」

 仙桃を食べるセバツーを見守っていたら、僕の視線に気付いて文句を言ってきた。
 苦労の八割以上が僕の家族、だけど逃げられないのか。悪魔って大変ね。

「悪魔の中の悪魔、大公爵ディアボロス、それが今やただのセバツー……うぅ、胃は荒れるし、家事能力ばかり上がって目的に近付けないし、悪魔としての威厳がぁぁ」
「ねぇえっちゃん、悪魔って聖属性で酔うの?」
「キィ?」

 一口食べただけでこれかぁ、しかも愚痴が長い。
 女神様の腐語りぐらい延々と語ってる。

 適当に相槌を打ちながらメニュー画面を展開、何か美味しいものでも与えて誤魔化そう。
 おっと久々に女神御用達マークがビッカビカとうっとうしいぐらい主張している、はいはいただいま確認しますのでお待ちくださいね。

 チラッとセバツーを確認したら、仙桃片手に机を睨みながらグチグチ言っていた。
 いや違う、あれは仙桃に愚痴を聞いてもらっている?
 冗談半分で言ったけど、もしや本当に酔っぱらった?

 まぁいいや今のうちに新メニューの確認しよう。
 ……まさかのネットスーパーでした。
 ここにきて新機能追加!?

 ピコピコと光るアイコンは形からしてメッセージ系の機能だよね、ポチっとな。
 案の定女神様からのメッセージが入っていました。

 なになに「いつもメニュー画面ご利用ありがとうございます。このたび当機能に新機能が追加されました。ラノベで大人気『ネットスーパー』、ネット通販を利用して日本の商品をお取り寄せする異世界チートの一つであるあれです!! 利用方法は簡単、メニュー画面と同じ!
 なお、新機能追加に際し、メニュー画面で利用されていた店舗がネットスーパーに統合されました。
 購入はポイント、お金、どちらでも可能です。
 今後も女神ヴィシュタル、女神ヴィシュタルをよろしくお願いいたします」

 知らない所でメニュー画面が大幅アップデートされていました。
 しかも最後に自分を押し売りしている。なんで僕にゴマをすってるんだこの人?

 あれ、でもこれって……お茶問題一気に解決した?
 だってネット通販なんでも売ってるよね、お茶なら東西南北どころか和洋中問わずいけるんじゃない?

 ひゃーー!
 女神様ありがとー!
 アカーシャの悩みがこれで解決しました!
 女神様すごーい、ネット通販最強ー、さっそくカタログお取り寄せして、ここからお茶選ぼうっと!

 画面から目線を上げたらセバツーは仙桃に向かってまだ愚痴っていた。
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