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三食昼寝、家族付き

第965話

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 イグちゃんに指差されながら爆笑されたり、シヴァさんに持ち歩かれている悪魔に心底同情されたり、神薙さんに下僕として扱われて抵抗もできずにストレスを溜めたりしながらセバツーは頑張った。
 今じゃすっかりドリアンに溶け込んで我が家の台所を支えている。

「あれ? お茶は?」
「そんな暇が私にあると!?」
「開き直った!」

 朝は早くから僕ら一家のために朝食を作り、お弁当作って、その日に在宅する人数に合わせたおやつとお昼の用意、夕食のメニューに頭を悩ませ、晩酌用のつまみを作り……。

「しかも無の境地で食事を作ると、美味しくないと神薙様に私自身を食われるんです! 再生能力がなかったら今頃両手足無くなってましたけどぉぉぉ!!」
「大丈夫だよセバツー」
「神子様分かってくれ……」
「再生能力なかった場合は春日さんに再生してもらえるから」
「分かってねぇよこのお人!!」

 セバツーのツッコミが煩い、ネヴォラとは別方向でテンション高いよね。

「イツキいるかー?」
「春日さんいらっしゃい」
「とうとうこの家、悪魔を飼い始めたのか?」
「飼われてなどおりません、お茶を研究するためにセティ様より派遣されました。全くお茶に触れてませんけどね!」
「コイツよく喋るな、普段どれだけストレス溜めてるんだ?」
「分かってくれるなんて優しい。貴方は神か!! お待ちください、今すぐお茶を用意いたします。さぁさぁ座ってお待ちください」

 丁寧に春日さんの座布団を整えると、軽い足取りで調理場へと向かって行った。

「思ったことを言っただけで凄い好待遇、まぁいいや、それよりイツキ、閻羅なんだけどさしばらく俺の所で預かるよ」
「どうかしましたか? お泊りで遊びに行くとか?」
「いや、連日アイツに付き合って遊び回ってたら家にいるチビどもが拗ねてな、ご機嫌取り兼ねて家に連れて行って遊んだんだよ。そしたら……本当にごめん」

 春日さんが目を逸らしたと思ったら突然の謝罪、何があった。

「言い訳をすると閻羅は遊ぶ楽しさを知らない人生を歩んでいまして、つい同情心から甘やかしてたけど、少々加減を間違えたようでして」

 春日さん、春日さん、目を逸らしながら言い訳するところが騎士様やアー君そっくりですよ!

「お茶です」
「ありがと」

 優雅な動作で春日さんの前にお茶と抹茶のロールケーキが置かれた。
 ちょっと理解を示しただけでこのゴマのすりよう、普段苦労してるんだね。

「最初はこうや雪と一緒に大人しくカードゲームやってたんだ、けど俺が暇でタブレットでゲームやってたらそれに気付いて、そこからは流れるようにゲームにドハマりした」
「春日さん何のゲームやってたんですか?」
「戦国時代を舞台にした戦略ゲーム」

 この神様って相当なゲーマーだと思う、しかもやりこみゲームのプレイ率が高いような。

「しかもアイツ、睡眠いらずの体だから寝ずにずっとやってるんだ」
「ゲーム奪って寝かせてください、子供は寝て育つんです、食事はちゃんと取ってますか?」
「……」
「春日さん?」
「あとで食べるが口癖になりつつあります」
「セバツー、子供が好きそうなものを重箱に詰めて。春日さん、もしこれで食べないでゲーム続けるようならゲーム禁止にするってエンラに伝えてください」
「はい、すみません」

 その脅しも通じないようなどうしようかな。
 やっぱりあれかな、シャムスの泣き落とし。あれが効かない子は我が家にはいない。
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