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三食昼寝、家族付き
第908話
しおりを挟む刀国四大公爵に名を連ねたマシュー君。
お祝いとして領地が拡大しました。
やったね!
「騙された!! 大人達に騙された!!」
「私はただ領地の宣伝をしたかっただけなのに」
「貴族辞めてシャムス様のお世話役に戻りたい」
「シャムス様に褒められたかっただけなのに」
マシュー君とナーガが我が家にやってきて、両側からシャムスを抱きしめてうじうじしている。
『元気出してねー』
「シャムス様が可愛い、世界遺産に指定したい」
「シャムス様が世界の中心」
この夫婦の一番の共通点はシャムスなんだろうな、ふくふく頬っぺたを撫でまわしながらうっとりしている表情が同じです。
「ただの孤児が四大公爵で広大な領地の領主とか意味が分からない」
「悔しいから最上級の物は全てシャムス様に献上します!」
なんだかんだと似たもの夫婦になったなぁ。
ん?
そうすると刀雲との夫婦歴は二人より長いし、僕も刀雲と似てきた!?
「騎士様、僕ってどの辺が刀雲に似てますか?」
「え?」
「腹筋も割れる様子はないですし、肌の色もびた一文変わらない、子供からの尊敬度はなんか違う方向、なにかこう、似てる部分はないでしょうか」
ぺろんとシャツを捲ってお腹をぺたぺた、ダメだ、分かっていたけど転生した時と何も変わってない。
身長は……女神の呪いで伸びない、筋肉がつかないのも女神の呪いかしらね!
「樹、それはお誘い?」
「いいえ単純な疑問です」
騎士様、目にちょっと熱が灯ってますよ。
落ち着いてください、真っ昼間から盛る元気があるなら刀雲を手伝って昼食の魚釣ってきてください。
「今夜は俺のシャツ着てね」
「え?」
不穏なセリフを残して立ち上がった騎士様は、槍を取り出すと鼻歌を歌いながら庭で釣りをする刀雲の元へと移動していった。
夜はドリちゃんドリンク飲んでスタミナ上げておこうかなぁ。
この世界、精力増強アイテムはゴロゴロしてるけど、減退させるアイテムって激レアなんだよね、どうにか手に入れられないだろうか。
あの二人の精力をどうにか削減したい!!
無理か。
現実逃避にお昼のデザートでも作ろう。
「シャムス、デザートは何がいい?」
「ぱんきぇーき」
「盛り付けと選択式どっちがいいですかー?」
「んーんー、のしぇほーだい」
「了解。フルーツ多めに用意しておくね」
「シャムス様の為に働きたい! 手伝います!」
「私はシャムス様を独占しています!」
少し正気が戻ったらしいマシュー君が手伝いをしてくれるようだ。
ただし嫁のナーガはシャムスを抱き込んで離れない、最近多忙でシャムスに会いにこれなかった反動かな。と微笑ましく思っていたら、ナーガが卵まで戻ってシャムスに抱えられていた。
確かにその方が全身で甘えられるけども!
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