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三食昼寝、家族付き
第897話
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お見合いは成功した。
勇者のお姉さんはマシュー君と、魔法使いのお姉さんは翡翠君と無事婚約を結んだ。
そして聖職者のお兄さんとグラちゃんはというと。
「子供が出来ました」
「ママって呼んでください」
「ほあーーーー!?」
「涼玉様しっかり!」
婚約すっ飛ばしてご成婚です。
涼玉良かったね、きっと元気な男の子だと思うよ。
お見合いから一週間、お兄さんの肩を抱きながらグラちゃんがした報告内容に涼玉がひっくり返った。
この一週間ずっとこもっていたのは想像に難くない。
「ねぇアー君」
「ん?」
「お姉さん達とお兄さんで何というか差がないかな?」
グラちゃんは出会った瞬間に恋に落ちて子まで成したのに、お姉さん二人はスタートラインに立っただけ。
「あれだよ、女神効果」
『男女差があるのはお約束なの』
「男女の恋愛に興味薄いから女神の影響を受けないんだよ、だから自分達で関係を築くしかない。実際、俺らの周りに男女の夫婦ってほぼいないだろ」
『のろいよね』
レイアさんや魔王夫妻など、異世界で婚姻している夫婦を除くと確かにアー君の言う通りかもしれない。
「いや、でも確かネリちゃんが婚約したって」
「婚約止まりだろ、あれだってシャムスがネリの後ろ盾になってなきゃ成立しなかった」
『えへへ』
もし男同士だったなら、目が合った瞬間背景に花が咲き乱れ、その場で結婚するか寝室に直行ですね。
ただでさえ人数が少ないのに女神様のせいで恋愛すらしにくいとは……女性って大変だなぁ。
「男女の夫婦、えーっと、白ちゃん?」
「エヴァは男だ」
『ついてるよ』
「女を娶ったのは黒だろ」
『ママったらうっかりさん』
そうだった白ちゃんのお嫁さんのエヴァは男の子でした。うっかり。
「謎能力が効力を出すのは男同士の出会いのみだな、いらん忖度してんなー」
うん、僕の能力のはずなのに女神様の妄想の後押しをするとか謎だね。
「まぁ今回はママが直接斡旋したから成立したんだろうな、じゃなきゃ普通に成立不可能な見合いだった」
「お手数をお掛けしました」
「俺にも利益出たからいいけどな」
「えっ」
「ふふん」
ドヤ顔のアー君が言うには、ギルドを通して冒険者に「ダンジョンボス近辺で神子と遭遇出来たら、極稀に結婚相手を斡旋してくれる」という噂を流す予定だそうです。
それはこれからもダンジョンに遊びに行って良いということだよね?
えっちゃんとこっそりハイタッチした。
「これで遠巻きにされていたダンジョン攻略が盛り上がる。もし奴らと出会った時、気が向いたらでいいから話聞いてやって」
「気が向いたらでいいの?」
「うん、片っ端から聞く必要はない。ママの負担になるからな、強引に願いを押し付ける相手はえっちゃんが消してくれるから、俺も安心」
よし、不快な相手だったらえっちゃんが動く前に帰ろう。
「ダンジョンの難易度とか指定ある?」
「特にないかなー、新ポンチョの防御力とえっちゃんが一緒なら世界の終末でも生き残れるよ。ああでも出来れば国内を中心にお願いしたい」
暗に国外は遠慮してと言われているのだろうか。
どうしようかな、出来れば砂漠のダンジョンとか行ってみたい。
チラリとえっちゃんを見たら、ダンジョンカタログを開いて読み込んでいた。
……いや待って、ダンジョンカタログってなに?
勇者のお姉さんはマシュー君と、魔法使いのお姉さんは翡翠君と無事婚約を結んだ。
そして聖職者のお兄さんとグラちゃんはというと。
「子供が出来ました」
「ママって呼んでください」
「ほあーーーー!?」
「涼玉様しっかり!」
婚約すっ飛ばしてご成婚です。
涼玉良かったね、きっと元気な男の子だと思うよ。
お見合いから一週間、お兄さんの肩を抱きながらグラちゃんがした報告内容に涼玉がひっくり返った。
この一週間ずっとこもっていたのは想像に難くない。
「ねぇアー君」
「ん?」
「お姉さん達とお兄さんで何というか差がないかな?」
グラちゃんは出会った瞬間に恋に落ちて子まで成したのに、お姉さん二人はスタートラインに立っただけ。
「あれだよ、女神効果」
『男女差があるのはお約束なの』
「男女の恋愛に興味薄いから女神の影響を受けないんだよ、だから自分達で関係を築くしかない。実際、俺らの周りに男女の夫婦ってほぼいないだろ」
『のろいよね』
レイアさんや魔王夫妻など、異世界で婚姻している夫婦を除くと確かにアー君の言う通りかもしれない。
「いや、でも確かネリちゃんが婚約したって」
「婚約止まりだろ、あれだってシャムスがネリの後ろ盾になってなきゃ成立しなかった」
『えへへ』
もし男同士だったなら、目が合った瞬間背景に花が咲き乱れ、その場で結婚するか寝室に直行ですね。
ただでさえ人数が少ないのに女神様のせいで恋愛すらしにくいとは……女性って大変だなぁ。
「男女の夫婦、えーっと、白ちゃん?」
「エヴァは男だ」
『ついてるよ』
「女を娶ったのは黒だろ」
『ママったらうっかりさん』
そうだった白ちゃんのお嫁さんのエヴァは男の子でした。うっかり。
「謎能力が効力を出すのは男同士の出会いのみだな、いらん忖度してんなー」
うん、僕の能力のはずなのに女神様の妄想の後押しをするとか謎だね。
「まぁ今回はママが直接斡旋したから成立したんだろうな、じゃなきゃ普通に成立不可能な見合いだった」
「お手数をお掛けしました」
「俺にも利益出たからいいけどな」
「えっ」
「ふふん」
ドヤ顔のアー君が言うには、ギルドを通して冒険者に「ダンジョンボス近辺で神子と遭遇出来たら、極稀に結婚相手を斡旋してくれる」という噂を流す予定だそうです。
それはこれからもダンジョンに遊びに行って良いということだよね?
えっちゃんとこっそりハイタッチした。
「これで遠巻きにされていたダンジョン攻略が盛り上がる。もし奴らと出会った時、気が向いたらでいいから話聞いてやって」
「気が向いたらでいいの?」
「うん、片っ端から聞く必要はない。ママの負担になるからな、強引に願いを押し付ける相手はえっちゃんが消してくれるから、俺も安心」
よし、不快な相手だったらえっちゃんが動く前に帰ろう。
「ダンジョンの難易度とか指定ある?」
「特にないかなー、新ポンチョの防御力とえっちゃんが一緒なら世界の終末でも生き残れるよ。ああでも出来れば国内を中心にお願いしたい」
暗に国外は遠慮してと言われているのだろうか。
どうしようかな、出来れば砂漠のダンジョンとか行ってみたい。
チラリとえっちゃんを見たら、ダンジョンカタログを開いて読み込んでいた。
……いや待って、ダンジョンカタログってなに?
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