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女神の呪い

第843話

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 チーズパーティーを前にシヴァさんが納品してくれたチーズですが……神薙さんが食い尽くしていました。
 机の上にあったチーズが消えていたのはドリアンが片付けたからではなく、一瞬で神薙さんが食べてしまったのが真相らしい。
 試食を作ろうとして発覚した。

 アー君が驚愕の事実に涙目でぷるぷるしています。

「ごめん、つい」

 さすがに悪いと思ってくれたのか、神薙さんが軽く謝っているけどアー君がショックから抜け出す様子はない。
 チーズレシピ集を肌身離さず持ち歩くぐらい楽しみにしていたから、肝心のチーズが消えてなくなったダメージが大きいんだろうな。

 これ、何とかしないと騎士様が八つ当たりされるやつだ。

「神薙様ひどいです、アー君泣いちゃいます!」

 本日は家にいたイネスがプンプン怒っています。
 小さい豹が威嚇する姿、なんて可愛らしいのでしょう。

 でも前掛けしている時点で試食会が目当てだね、ラーシャにやってもらったのかな。

「泣かない……ひっく」
「シヴァに追加のチーズ頼む」
「あい」
「最高級の肉も用意する」
「パーティー用の食材はドリちゃんに預けるです」
「わかった」

 そういう訳で試食会もなくなってしまったため、本日は食材集めに精を出すことになりました。
 パーティー用食材集め班と昼食用の食材班の二手に別れると、近場にいたもふもふズが早速家の外に飛び出して行った。

「お昼はエビフライ定食が食べたいです!」
「じゃあ大量のエビが必要だね」
「任せて!」
「俺も池に行く、イカ飯食べたい」

 目をこすりながらアー君が本から短剣に装備を変更した。
 拝啓、クラーケンさん。アー君の相手をお願いします。

『僕はお兄ちゃんと菜園行ってくるの』
「俺はマールスと隠れ家の裏庭行ってくる!」
「承知!」

 砂漠の国でお世話になったボスを筆頭とした獣人達も呼ぶ予定なので、シャムスがいつも以上に張り切っています。
 噂では胃に穴が開いて吐血したらしいから、胃に優しい料理も用意しておこう。

 セティ来るかな?
 お酒が入ってその辺で乱交始めないように一応部屋を用意しておこう、それとも人間相手にバトルして少しはスッキリして収まっているだろうか。

(私スパークリングワインが飲みたいなぁ)

 ご機嫌で語り掛けてきたのは女神様。
 裸エプロンの神託したこのエロ女神は、説教や謹慎を食らうどころかボーナスが出たらしくとてもご機嫌です。納得いかない。
 でもポイント補充の為に女神様を活用したいので、素直にスパークリングワインをポチッとして納品。

 あとは何かちょっとおしゃれなお弁当でも献上して……とメニュー画面を見ていたら、ちょうど良いタイミングで騎士様が座敷に入ってきた。
 真剣な表情で読んでいるのはエプロンカタログ、睡眠を必要としない騎士様はみんなが寝静まった時間もあれを読んでいるらしい。

 僕、着ても二枚ぐらいかなーって勝手に思っていたけれど、それじゃ済まないかもしれない。
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