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女神の呪い
第842話
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砂漠の国にある男子校、アー君から正式に理事長として許可を得るためなのだろう、シヴァさんが大量の高級チーズ各種を持って我が家を訪問した。
チーズパーティーを前に揃えるところがショタ守護神の本気を感じますね。
「ほああああ」
『おやつ、おやつ!』
「とりあえず一個食べよう!」
感動するアー君、はしゃぐシャムス、涼玉は興奮のあまり口からちょっと炎が漏れている。
「神薙様にはこちらを、最高級の『グラナ・パダーノ』です」
そういって机の上に置かれたチーズは直径1mはありそうなチーズの塊だった。
キラキラしているのは金箔か何かだろうか。
「うん。涼玉、火」
「神薙さん家の中で業火はだめですよ、外に出てくださいね」
「ん」
奉納された巨大チーズを持って庭に出ていく神薙さん、僕が留守の間は当然のごとく砂漠の国に出張し、騎士様が命じるままに食べ放題していたそうです。
人間の恐怖をたっぷり食べ、邪神としてパワーアップしたって本当だろうか。
「あれって本来はもうちょっと小さいですよね?」
「ええ、倍のサイズで作りました。邪神へ賄賂ですから」
「もう一個ありますか? あれでカルボナーラとか作ったら神薙さん喜びそう」
「ええありますよ、5つほど持ってきましたので後でドリアンに渡しておきますね」
子供達が神薙さんを追って庭に出てしまったのでシヴァさんにお茶を出し、ちょっと休憩。
「パーティーはいつ?」
「食材が大体揃ったらやります、ただ迷惑かけたお詫びも兼ねて魔王様から神様まで招くので、チーズ以外のメニューも考えなきゃいけなくて」
神様はお酒とおつまみあれば良さそうだけど、僕が帰宅した反動でみんなよく食べるから中々ストックが貯まらないオチが。
お肉は一応アカーシャにも発注してある、もふもふズも張り切って狩りに勤しんでくれているけれど、何せ消費量が凄くて……。
特に庭で巨大チーズを溶かして流し込むように食べている邪神様の食欲がいつもの倍、あれ?
「どうしました?」
優雅にお茶を飲みながらシヴァさんが首を傾げた。
「神薙さんもしかしたら妊娠中かも」
「……主の心労が絶えませんねぇ」
そう言えば僕のこの子はいつ生まれるんだろう?
もう家に帰ってきたから何も怖いことはない、ドリちゃんがいるしね!
「ひゅんひゅん」
「ルドどうしたの?」
お腹を撫でてご機嫌伺いしていたら、ルドが悲しげな声をあげながら座敷に上がってきた。
口には中が空洞のあのお菓子が咥えられている。
「硬くて食べれないの?」
いやさすがにそれはないか、僕でも噛めるし。
「きゃぅきゃぅ!」
お菓子を床に置いて何やら抗議している。
「もー、兄ちゃんったらまだ文句言ってるのか?」
「きゅぅぅ」
「アー君なにか知ってる?」
「一口香の中身、俺が食べたと思われているんだ」
「ルド、これはそういうお菓子だよ」
「ぎゃうぎゃぅ」
不満らしい。
涙目でめちゃくちゃ文句を言っている。
「エムとローの反応は?」
「エム兄ちゃんは嫁にあげて食べてない、ロー兄ちゃんは飲み込んで中身なんて確認してない」
ロー……噛もう、喉に詰まったら危ないよ。
「ルド兄ちゃんがあまりに文句言うから、新しく取り寄せたのがそれ」
お兄ちゃんがアホの子でごめんよ。
牛の骨をあげるから、弟を冤罪で疑ったことを素直に謝りなさい。
「きゅーん」
「え、いや、こんな涎まみれのお菓子もらっても……」
骨を咥えるとアー君に向かって軽く鳴き、足取り軽く縁側のクッションコーナーに移動していった。
お菓子を置いていったと思ったら、どうやらアー君にあげたらしい。
まぁ魂の本質がワンコだから骨を優先するのは仕方ない。
許してあげてねアー君。
チーズパーティーを前に揃えるところがショタ守護神の本気を感じますね。
「ほああああ」
『おやつ、おやつ!』
「とりあえず一個食べよう!」
感動するアー君、はしゃぐシャムス、涼玉は興奮のあまり口からちょっと炎が漏れている。
「神薙様にはこちらを、最高級の『グラナ・パダーノ』です」
そういって机の上に置かれたチーズは直径1mはありそうなチーズの塊だった。
キラキラしているのは金箔か何かだろうか。
「うん。涼玉、火」
「神薙さん家の中で業火はだめですよ、外に出てくださいね」
「ん」
奉納された巨大チーズを持って庭に出ていく神薙さん、僕が留守の間は当然のごとく砂漠の国に出張し、騎士様が命じるままに食べ放題していたそうです。
人間の恐怖をたっぷり食べ、邪神としてパワーアップしたって本当だろうか。
「あれって本来はもうちょっと小さいですよね?」
「ええ、倍のサイズで作りました。邪神へ賄賂ですから」
「もう一個ありますか? あれでカルボナーラとか作ったら神薙さん喜びそう」
「ええありますよ、5つほど持ってきましたので後でドリアンに渡しておきますね」
子供達が神薙さんを追って庭に出てしまったのでシヴァさんにお茶を出し、ちょっと休憩。
「パーティーはいつ?」
「食材が大体揃ったらやります、ただ迷惑かけたお詫びも兼ねて魔王様から神様まで招くので、チーズ以外のメニューも考えなきゃいけなくて」
神様はお酒とおつまみあれば良さそうだけど、僕が帰宅した反動でみんなよく食べるから中々ストックが貯まらないオチが。
お肉は一応アカーシャにも発注してある、もふもふズも張り切って狩りに勤しんでくれているけれど、何せ消費量が凄くて……。
特に庭で巨大チーズを溶かして流し込むように食べている邪神様の食欲がいつもの倍、あれ?
「どうしました?」
優雅にお茶を飲みながらシヴァさんが首を傾げた。
「神薙さんもしかしたら妊娠中かも」
「……主の心労が絶えませんねぇ」
そう言えば僕のこの子はいつ生まれるんだろう?
もう家に帰ってきたから何も怖いことはない、ドリちゃんがいるしね!
「ひゅんひゅん」
「ルドどうしたの?」
お腹を撫でてご機嫌伺いしていたら、ルドが悲しげな声をあげながら座敷に上がってきた。
口には中が空洞のあのお菓子が咥えられている。
「硬くて食べれないの?」
いやさすがにそれはないか、僕でも噛めるし。
「きゃぅきゃぅ!」
お菓子を床に置いて何やら抗議している。
「もー、兄ちゃんったらまだ文句言ってるのか?」
「きゅぅぅ」
「アー君なにか知ってる?」
「一口香の中身、俺が食べたと思われているんだ」
「ルド、これはそういうお菓子だよ」
「ぎゃうぎゃぅ」
不満らしい。
涙目でめちゃくちゃ文句を言っている。
「エムとローの反応は?」
「エム兄ちゃんは嫁にあげて食べてない、ロー兄ちゃんは飲み込んで中身なんて確認してない」
ロー……噛もう、喉に詰まったら危ないよ。
「ルド兄ちゃんがあまりに文句言うから、新しく取り寄せたのがそれ」
お兄ちゃんがアホの子でごめんよ。
牛の骨をあげるから、弟を冤罪で疑ったことを素直に謝りなさい。
「きゅーん」
「え、いや、こんな涎まみれのお菓子もらっても……」
骨を咥えるとアー君に向かって軽く鳴き、足取り軽く縁側のクッションコーナーに移動していった。
お菓子を置いていったと思ったら、どうやらアー君にあげたらしい。
まぁ魂の本質がワンコだから骨を優先するのは仕方ない。
許してあげてねアー君。
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