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女神の呪い
第817話
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明るい月の光の下、ボスが僕を真っ直ぐに見つめている。
そのまま顔が近付いて唇が重なって――
ゴチン!!
「――いったぁぁ」
「今、何時だと思っている」
重なったのは唇ではなく額でした。
ボスの石頭!
すっごく痛かったんですけど!!
ポンチョ着てるのに何でダメージ通ってるんだろう、もしやボス、シャムスに気に入られたでしょ!
子供達から加護を与えられると、僕にお仕置きダメージという謎のダメージは通るんだからね!
「こんな真夜中にふらふらと! シャムス様が途中で起きたらどうする!」
小声で怒鳴るとか器用ですね。声に出したら正座で説教されそうなので心の中で呟いた。
「全く、部屋に帰るぞ!」
「はぁい」
オカン怖い、怖い。
せっかく異国にいることだし非日常感を味わうため、こっそりと一人で夜のお散歩したけど怒られて終わりました。
七色の羊をお供にすれば良かったのかな? でもあの子はシャムスがベッドに使ってるしなぁ、あと薄っすら発光してるから速攻でばれるよね。
「ところでボス、お願いがあります」
「あぁ!?」
メンチ切らないでください、怖いでーす。
「シャムスを家族の所に送ってください」
「は?」
何か足元に魔法陣が出現してグルグル回転しているんですよ、逃げればいいと思うだろうけど動けない。
呼び出している相手は大体分かるけどさぁ、地雷踏むのが上手いというか、竜の逆鱗に好き好んで触れる性癖だとしか思えない。
「カイちゃんが魔王じゃなく魔神に覚醒しないといいけど」
あとアー君とかセティとかシャムスが闇落ちしないといいなぁ、ああ双子もちょっと危ないかな、出来れば学生は学業に専念して欲しいなーって無理かなぁ。
ダメだ。
うちの子、怒らせたらまずい子しかいない!
「金ちゃんと銀ちゃんがパパ呼ぶかもしれないけど、その場合は全員連れてダッシュで逃げてね」
確実にその場が死地になると思う。
それにしてもこの魔法陣、効果発動するの物凄く遅くない?
普通は妨害入る前に一瞬で飛ばすものじゃ?
足首に巻き付いている黒い触手がねっとりと気持ち悪い……うーん、残念神の弱体化が影響してるのかなぁこれって。
「ボス、今気付いた」
ボスと僕を隔てるように薄い膜が魔法陣の周囲を囲っているけど声は届いているよね?
「僕の周囲って怒らせたらアウトな人しかいないや」
その一言を最後にやっと魔法陣が発動して僕は転送された。
「……よし、シャムス様に土下座しに行くか」
だから僕が消えた後、ボスが胃を押さえながらそう呟いたことも知らない。
そのまま顔が近付いて唇が重なって――
ゴチン!!
「――いったぁぁ」
「今、何時だと思っている」
重なったのは唇ではなく額でした。
ボスの石頭!
すっごく痛かったんですけど!!
ポンチョ着てるのに何でダメージ通ってるんだろう、もしやボス、シャムスに気に入られたでしょ!
子供達から加護を与えられると、僕にお仕置きダメージという謎のダメージは通るんだからね!
「こんな真夜中にふらふらと! シャムス様が途中で起きたらどうする!」
小声で怒鳴るとか器用ですね。声に出したら正座で説教されそうなので心の中で呟いた。
「全く、部屋に帰るぞ!」
「はぁい」
オカン怖い、怖い。
せっかく異国にいることだし非日常感を味わうため、こっそりと一人で夜のお散歩したけど怒られて終わりました。
七色の羊をお供にすれば良かったのかな? でもあの子はシャムスがベッドに使ってるしなぁ、あと薄っすら発光してるから速攻でばれるよね。
「ところでボス、お願いがあります」
「あぁ!?」
メンチ切らないでください、怖いでーす。
「シャムスを家族の所に送ってください」
「は?」
何か足元に魔法陣が出現してグルグル回転しているんですよ、逃げればいいと思うだろうけど動けない。
呼び出している相手は大体分かるけどさぁ、地雷踏むのが上手いというか、竜の逆鱗に好き好んで触れる性癖だとしか思えない。
「カイちゃんが魔王じゃなく魔神に覚醒しないといいけど」
あとアー君とかセティとかシャムスが闇落ちしないといいなぁ、ああ双子もちょっと危ないかな、出来れば学生は学業に専念して欲しいなーって無理かなぁ。
ダメだ。
うちの子、怒らせたらまずい子しかいない!
「金ちゃんと銀ちゃんがパパ呼ぶかもしれないけど、その場合は全員連れてダッシュで逃げてね」
確実にその場が死地になると思う。
それにしてもこの魔法陣、効果発動するの物凄く遅くない?
普通は妨害入る前に一瞬で飛ばすものじゃ?
足首に巻き付いている黒い触手がねっとりと気持ち悪い……うーん、残念神の弱体化が影響してるのかなぁこれって。
「ボス、今気付いた」
ボスと僕を隔てるように薄い膜が魔法陣の周囲を囲っているけど声は届いているよね?
「僕の周囲って怒らせたらアウトな人しかいないや」
その一言を最後にやっと魔法陣が発動して僕は転送された。
「……よし、シャムス様に土下座しに行くか」
だから僕が消えた後、ボスが胃を押さえながらそう呟いたことも知らない。
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