神様のポイント稼ぎに利用された２

湯水のごとくお金を使おう

第753話

　どうしようかなぁ、これ。

　目の前には邪悪な雰囲気を発する卵が二個、正反対の神聖な雰囲気な卵が一個。
　ヨムちゃん……産み過ぎ！

　騎士様呼んだらアー君も来てカオスになりそうだから、ここは理性と知性に定評のある雷ちゃんに助けてもらおう。
　そういう訳で朝から刀雲達を巻き込んでおやつ作り。

「俺、神位爆上がりしたのかな、邪神なのにリンゴ畑入っても平気だった。信心スゲー」
「神の実が採り放題、涼玉に感謝せねば」
「精力は回復しないんだな」

　セティのセリフは無視してヨムちゃんから果物を受け取ってスラちゃんに渡します、次に皮を剥いてお皿に盛られたそれらを机の上に並べます。

「イツキ、出来たぞ」
「刀雲ありがとー、ちょうどいいタイミング」

　刀雲に作ってもらったのはパンケーキとプリン、刀雲の手作りプリンが大好きな雷ちゃんだからね、これだけでも媚売りは可能だけど、厄介ごとを相談するのでここでもう一工夫。

「タイガ先生お願いします！」
「うむ任せよ！」
「タイガ、余ったら俺のもー」
「分かった」

　用意したお皿はタイガ作、繊細な絵が描かれたこちらの大皿、皿立てにかければ芸術品として展示も可能です！

　タイガが盛り付ける横でヨムちゃんの涎がボタボタしてきたので、慌てて通常サイズのプリンを渡して意識を逸らした。
　まぁ一口だったけどね。

「ほらヨムちゃん、パイン食べない？」
「食べる！」
「ヨム、リンゴを切ったぞ」
「うひゃー」

　左右から食べさせてもらってヨムちゃんがご機嫌です。

「ヨムちゃん大丈夫、聖なる果実でダメージ受けてない？」
「平気、ジュッってしない」

　兄弟の属性が都合良い感じに作用してるのかな？

「あぅぅ」
「まーま」

　赤ちゃんと幼児にクリームって食べさせても大丈夫だっけ？
　あぁ、この子達はそもそも人類枠じゃないや。

「はいあーん」
「あーー」
「ぱぱー」
「ほら、あーん」
「きゃぁー」

　美味しかったようでこちらもご機嫌です。

「セティ、生クリーム塗った俺舐める？」
「それいいな」

　タイガも参加するようだ、無言で頷いている。
　っていうか、食品の域を超えたプリンアラモードが完成しつつあるのですが、パンケーキでお城を、プリンを中心に楽園が表現されています。

　食べるの勿体ないなー。

　感心しつつ見守る中、タイガ作のプリンアラモードが完成。
　崩れるのが怖くて動かせないので、その場に置いたままお祈り態勢を取ります。

「対価は『豪華パンケーキ　プリンアラモード、聖なるフルーツ各種添え』！　助けて雷ちゃん！！」
「――うむ良かろう！」

　少し間をおいて雷ちゃんが応え、腰巻一つの全裸に近い格好で落雷と共に登場した。
　雷ちゃんが、野生に帰りつつある！？