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湯水のごとくお金を使おう

第652話

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 満腹になり、舟をこぎだしたシャムスとアー君をキーちゃんともふもふズの背に乗せ、子供部屋に連れて行って寝かせる。
 涼玉はマールスが、イネスはラーシャが部屋に連れていったし、ネヴォラはもふもふズが住処に送って行ったので、宴席に残っているのはお酒が飲める大人と学園に通っている子供達かな。

 カイちゃんとマシュー君らは主役だから仕方ない、アカーシャが残ったのはギレンへのサービスみたいなものだろう。
 ずっとネヴォラが張り付いていて近付けなかったからなぁ。

 様子見て、カオスだったら見なかったことにしてお風呂に入って寝よう。
 ドリアンがいるから大丈夫、大丈夫。

「……」

 こっそり座敷を覗いたら案の定カオスでした。
 よし、一人ゆっくりお風呂に入って寝よう。

 出来る限り足音と気配を殺してその場を立ち去る。
 お風呂は自分の部屋で入ればいいかな、お風呂ないけど部屋付きドリアンに相談してみよう。

 ……なんで周防くんがカイちゃんに跪いていたんだろう?
 種族的な理由だろうか。

「ただいま」
「おかえりなさい」
「お風呂入りたいけど、どうにかなる?」
「少々お待ちを」

 どうにかなるらしい。

 ドレッシングルームに通じる扉を一度閉め、コンコンと軽くノックして次に扉を開けたらガラス張りの一人用お風呂がそこに!
 浴槽は日本の一般家庭ぐらいの大きさ、洗い場は子供達がわちゃわちゃしても大丈夫なぐらい十分な広さがある。
 何でもありだねこの家!

 黒っぽいタイルで統一された浴室は大人っぽいしなんかカッコイイ!
 ウキウキと服を脱ごうしたらすでに全裸でした。ドリアン仕事早い。

 まぁいいやありがとう、さっそく入ってきます。

 一人でゆっくり入るぜ! と思ったら、取り出した椅子に座らされ、頭から爪先まで丁寧に洗われました。

「痒いところはありませんか?」
「んーん、大丈夫」

 強過ぎず、弱過ぎず、絶妙な力加減。
 専属ドリアンが有能でダメ人間になりそう。

「すごく、気持ち良かった」
「光栄です」

 レイアさんや魔王様の奥様がエステにはまる理由が理解できました。

「ふは~」

 ほわ~っと力が抜けた所でようやくお風呂に、寝ちゃうだろうなぁと思ったらスライム風呂でした。
 邪魔にならない程度に体を支えてくれる親切さ、これなら溺れる心配はない、ぬるいから湯あたりの心配もないかな。

 お風呂気持ちいい。
 全身から力が抜けていく。

「イツキ様、水分を」
「ありがと~」

 少し経ったところでドリアンに水を渡され水分補給、至れり尽くせりで極楽です。
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