636 / 1,127
湯水のごとくお金を使おう
第629話
しおりを挟む
同行許可は案外すぐに下り、依頼して三日目にして見学が叶った。
「こちら、本日同行を快諾してくれた砂漠の民な」
「……」
無言で会釈された。
寡黙な感じがかっこいい。
「ハイダル君の所にお願いしたんだね」
「カイ経由で依頼したらすんなりいった!」
ターバンを巻いている辺りが砂漠の民っぽい、女神様のこだわりかなぁ。
「ママ……ごほん、母上無双が発動してもいいように、難易度の高いダンジョンに行きます」
「アー君、無理せずママって呼んでもいいんだよ?」
「ごほんごほんっ!!」
人前では大人ぶりたいんだね、目線が生暖かくなるのが自分でも分かった。
アー君可愛い。
僕の隣で白熊さんも頷いている。
今日はお仕事がお休みなので一緒に行くらしい、偶然だとアー君は主張するけれど、白熊さんのお休みに予定合わせたんだろうなぁって疑うのは仕方がないと思う。
ちなみに白熊さんの装備は念じれば巨大な盾が出現する腕輪だけ、レイアさんの加護を受けているので肉体そのものが凶器とのことです。
「全身が青って目立たない?」
「無茶な依頼をしたからな、あれ俺が与えた新装備。砂漠の民にとって青は神の色として尊ばれるってカイから聞いて統一してみた」
「その神ってもしかして騎士様?」
こっそり聞いてみた。
「口伝でしか残ってないみたいだけど、分析するとどうもそうっぽい」
「ねぇそれ、カイちゃん通すよりアー君が直接頼んだ方が早かったんじゃ」
「俺のパパが君達の神様だって? 証明できたとして、畏れられて依頼にならないぞ」
「それもそうだね」
ハイダル君は気付かなかったんだろうか。
……ああ、カイちゃんしか見てなかったんだね。
「にあう?」
「可愛らしいです」
「えへー」
シャムスと涼玉は置いてくるつもりだったけど、お留守番をお願いしようとしたらお弁当を楽しそうに詰めていて言えなかった。
シャムスは同行者の中でも一番筋肉モリモリな戦士が気に入ったようで、抱っこしてもらってご機嫌です。
「母上はキーちゃんの上から降りない!」
「はい!」
「シャムスは――」
『この人がいーの』
「筋肉から離れない!」
『あい!』
「えっ」
筋肉戦士がアー君の決定に戸惑っている。
そうだよね、シャムス抱えたまま前衛は無理だろうし、困るよなぁ。止めないけど。
「マールスは涼を頼むな」
「はっ!」
「ダロス、抱っこ」
「おう」
キリッと指示を飛ばした直後、当たり前のように白熊さんに抱っこをねだるアー君。
なぜだろう、高難易度のダンジョンに向かうのに、空気がピクニック。
もしかして僕の能力すでに発揮されちゃってる?
「こちら、本日同行を快諾してくれた砂漠の民な」
「……」
無言で会釈された。
寡黙な感じがかっこいい。
「ハイダル君の所にお願いしたんだね」
「カイ経由で依頼したらすんなりいった!」
ターバンを巻いている辺りが砂漠の民っぽい、女神様のこだわりかなぁ。
「ママ……ごほん、母上無双が発動してもいいように、難易度の高いダンジョンに行きます」
「アー君、無理せずママって呼んでもいいんだよ?」
「ごほんごほんっ!!」
人前では大人ぶりたいんだね、目線が生暖かくなるのが自分でも分かった。
アー君可愛い。
僕の隣で白熊さんも頷いている。
今日はお仕事がお休みなので一緒に行くらしい、偶然だとアー君は主張するけれど、白熊さんのお休みに予定合わせたんだろうなぁって疑うのは仕方がないと思う。
ちなみに白熊さんの装備は念じれば巨大な盾が出現する腕輪だけ、レイアさんの加護を受けているので肉体そのものが凶器とのことです。
「全身が青って目立たない?」
「無茶な依頼をしたからな、あれ俺が与えた新装備。砂漠の民にとって青は神の色として尊ばれるってカイから聞いて統一してみた」
「その神ってもしかして騎士様?」
こっそり聞いてみた。
「口伝でしか残ってないみたいだけど、分析するとどうもそうっぽい」
「ねぇそれ、カイちゃん通すよりアー君が直接頼んだ方が早かったんじゃ」
「俺のパパが君達の神様だって? 証明できたとして、畏れられて依頼にならないぞ」
「それもそうだね」
ハイダル君は気付かなかったんだろうか。
……ああ、カイちゃんしか見てなかったんだね。
「にあう?」
「可愛らしいです」
「えへー」
シャムスと涼玉は置いてくるつもりだったけど、お留守番をお願いしようとしたらお弁当を楽しそうに詰めていて言えなかった。
シャムスは同行者の中でも一番筋肉モリモリな戦士が気に入ったようで、抱っこしてもらってご機嫌です。
「母上はキーちゃんの上から降りない!」
「はい!」
「シャムスは――」
『この人がいーの』
「筋肉から離れない!」
『あい!』
「えっ」
筋肉戦士がアー君の決定に戸惑っている。
そうだよね、シャムス抱えたまま前衛は無理だろうし、困るよなぁ。止めないけど。
「マールスは涼を頼むな」
「はっ!」
「ダロス、抱っこ」
「おう」
キリッと指示を飛ばした直後、当たり前のように白熊さんに抱っこをねだるアー君。
なぜだろう、高難易度のダンジョンに向かうのに、空気がピクニック。
もしかして僕の能力すでに発揮されちゃってる?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
332
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる