神様のポイント稼ぎに利用された２

湯水のごとくお金を使おう

第628話

　他国の使者さん達がどんな風に資金稼ぎをしているのかちょっと気になる。
　同行させてもらいたいけど誰に頼んだらいいのだろうか。

「それで俺？」
「なんとなく、賄賂通じるかなって」

　アー君に桐箱を差し出しながらお願いしてみた。

「うーん」
『アー君、アー君、開けて』
「けどシャムス、開けたら俺ら食べたくなっちゃうぞ」
「かあちゃには無敵ポンチョあるからだいじょーぶだって！」
「あっこら涼！」

　ていやーと涼玉が蓋を開け、その蓋はマールスが引き取った。
　涼玉が小さいからっていうのもあるけれど、献身的だよねマールスって、副官さんの血かな。

『お花』
「この繊細さ、まるで本物の花みたいだ」
「シャム兄、あーん」
「おいち」
「ああ、シャムスが食べたぁ」

　花びら一枚すらも美しい練り菓子にアー君が感動している間に、涼玉が一つとってシャムスの口に放り込んだ。よくやった。

「それでねアー君、こっちが依頼が達成された時の報酬」

　蓋を開けると中は九つに区切られ、本物の花よりもっと子供達の心をくすぐる形の練り菓子。

『ほあぁぁぁ』
「俺だ！　あっちシャム兄！」
「ズルいぞ母上！」

　子供達を模かたどって作ってもらいました。ドリちゃんに。

「にいちゃ、にいちゃ、あれ欲しい！」
『食べたいのーー！！』

　ふふ、おねだりしてる。
　アー君、二人のおねだりを拒否できるかな？

「わかった。依頼受ける」
「ありがとう」
「搦め手を使うとは、やるな母上」

　アー君の弱点であるシャムス達が食べ物に弱くて僕嬉しい。

「はぁ、まずは同行する相手を選んで、同行許可得なきゃだからちょっと時間もらうからな」
「うん任せるよ」

　安全圏で見学するだけだし、戦闘能力ないのも理解しているよ！

「でもなぁ、母上が一緒に行ったら魔物が無条件降伏しそうなんだよなぁ」
『あっ！』
「ああ！」
「その問題がありましたな」
「これ美味しい！　もっと食べたい！」
『ねー』
「ネヴォラいつの間に」
「今！」

　アー君への賄賂をネヴォラも食べてしまった。
　あげたのはシャムスっぽいから特に問題はないか。

「お土産にほしー！」
「それじゃ今度、皆で作ろうか」
「やった！」

　ネヴォラはすっかりゴブリンを家族と思っているようで、家に遊びに来るのもゴブリンに甘い物を差し入れるためっぽいんだよね。

「じいちゃんがまた将軍と一指ししたいって」

　ネヴォラがじいちゃんって呼ぶのって初級ダンジョンのラスボスのゴブリンロードだよね？　えっ、刀雲ってボスとそういう関係！？

「母上、将棋の話だからな」

　アー君にツッコミを入れられた。

　邪推しましたすみません。
　僕もすっかり腐女神に汚染されてるんだなぁ。