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巡り合い

第568話

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 あの後、翌日が仕事だから帰らなきゃ行けなくなったギレンを、ダークエルフの幼児がアカーシャに抱き着きながら見送り火花を散らしていた。
 悲しいことにどうやらギレンはいじってもいい存在と認識されたらしい。

「イツキ、一分一秒でも早くアイツを里へ帰してくれよ!」
「べーー」

 そんなやり取りがあった。
 まぁその後、初めてのお風呂に入って子供達と散々はしゃいだことで体力が切れ、刀雲に抱えられているうちに寝ちゃったけどね。

 黙っていれば可愛い。
 刀雲の子供と言われても違和感ないぐらい可愛いかった。

 そして今日はアー君が騎士様、神薙さんとダークエルフの里に行く予定。
 朝から我が家の幼児とピクニックだと楽しそうに歌っているのだけど、シャムスと涼玉は僕とお家でお留守番だよ?

「アカーシャは行かないの?」
「僕は学園に行かなきゃいけないんだ、ごめんね」
「むー、とーうんは?」
「俺は仕事だ。なるべく早く帰ってくるよ」
「うん」

 大人しく見送るいい子なのだけど、アカーシャも刀雲もこの子が帰ってきてもいる前提の会話なんだよね。
 ギレンが泣くよ?

「神薙食べ終わった? え、まだ? でもさっきデザート終わったよね?」
「おかわり」
「よし、行くよ。帰ってきたらダンジョン周回付き合うから」
「アルジュナ、俺も行こうか?」
「ダロスは仕事だろ、イブにたまには帰って来いって伝えて」
「うぅ分かった」

 忍者道にどっぷりはまったイブちゃん、春日さんの茶屋に泊まり込んで帰って来ません。
 なんでも敷地内に隠れ家も作ったらしい、隠蔽レベルが高すぎてどこにあるか誰も発見出来ないと白熊さんが言っていた。

「そう言えばミニ白熊もいないね?」
「イブと一目会ったその日から親友になって忍者目指してる」

 ちょっと何言っているか分からない。
 皆さん自由過ぎません?

「はいしゅっぱーつ」
「ぎゃー、人攫いー!」

 ふぉ~んと軽い音を立てて騎士様を含めた4人が消えた。

「シャム兄きょうは何するー?」
『うーん、お兄ちゃん達とリンゴ畑にいってフルーツ収穫』
「いいな! マールス抱っこ!」
「はい喜んで!」

 子供達の予定は決まったようだ。
 さてじゃあ僕は久々にドリちゃんとレシピ製作でもしようかな、

『新しいの植える?』
「おう! 黄色いのがいいな」
「イチゴも捨てがたいですぞ!」
「わおーん!」

 どうやら果物の種類を増やすつもりらしい、涼玉が体力とか魔力枯渇を起こして倒れないよう、マールスには気を付けていただきたい。
 反動でたくさん食べるだろう涼玉に出す料理はドリアンに任せます。

「さて、ドリちゃーん、お城の食堂用に新しいレシピ考えよー」

 刀雲はピリ辛希望だったけど、それ以外にも数個欲しいところです。
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