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巡り合い
第564話
しおりを挟むトラちゃんはトラウトサーモンもどき、生まれたてのご子息は焼いて朝食や、おにぎりに混ぜる食べ方が主かな。
お嫁さんはギレン曰く、クロマグロ並みの高級魚らしい。
クロマグロは女神様ウンチクによると「海のダイヤモンド」と称される超高級魚、どう料理しても美味いけど、刺身にして日本酒で飲むのが最高だとか。
そんな二匹から生まれる子孫はトラウトサーモンかクロマグロ、またはその二つが混ざって、とても美味しくなるか、恐ろしく凶暴になるかのどれか。
凶暴なのが生まれ、間引くのが遅れると他の兄弟を食べてしまうのが悩みなんだよね。
魔物の養殖難しい。
日本の高級魚で第二位はサケ科の鮭……なんだっけ?
女神様が前に一方的に語っていたんだけど、長くて忘れちゃった。
簡潔に言うと、使える伝手を全て使って手に入れてみせるから、是非我が家で増やしてほしいとか大体そんなセコイ内容だった気がする。
あの人が妄想で世界の平和を支えているのか、アー君が呆れるのも分かるよ。
「樹、捕れたよ」
『まぐろ!』
「幸先いいですね、神薙さん用にマグロは最低十匹以上はお願いします」
「ノルマが容赦ない」
『さーもんじゅっぴき』
「シャムスも容赦ない」
騎士様が捕ったマグロはスラちゃんが素早く回収、庭に台を用意していたドリアンの元へと運び、流れるように始まる解体。
頭の部分は丸焼きにして神薙さんが食べるのでドリアンがアイテムボックスに保管、イネスも好きなので騎士様にはぜひ頑張っていただきたい。
解体したマグロはドリちゃんの元へと運ばれ、ここから味付け加工に入ります。
「漬けマグロは外せないと思うんだ」
温かいご飯の上に乗せて食べるのが美味しいのだけど、今日は手巻き寿司、乗っけて食べるのは朝食にしよう。
残らないなら狩ってもらえばいいじゃない。
楽しそうなシャムスと騎士様を見守りながら、僕は座敷でテーブルの上に蒲鉾やいくら、生ハムなどのこちらでは売ってないものをメニュー画面で出しています。
梅肉とシソの葉、カニカマでしょ、あっ! 納豆!!
ローストビーフもいいかも、寿司と合わなければそのまま食べればOK!
そう言えば最近はエビフライや天ぷらも寿司の上に載ってるよね。
でもイネスがいないのにエビフライ出していいものだろうか、いや、いないからこそシャムス達が思う存分食べれるのか、よし沢山出しちゃうぞ。
「わふ!」
「ローが一番?」
口に咥えたカゴの中身は瑞々しいキュウリ。
「浅漬けもいいけど、このまま味噌をつけて食べたい」
「わん!」
「素材の味を楽しむために塩もみも捨てがたいね」
「きゅん」
同意してくれているローだけど、本人は何もつけずそのまま食べるのがお気に入りです。
ドリアンがカゴを受け取り、調理場へと持って行った。
「きゅぅぅん」
「全部持っていかれちゃったね、お昼の楽しみにしよう」
「きゅん」
その後、刀雲と涼玉らが菜園から野菜を特盛。
エムとルド、神薙さんが肉を狩ってきた。
さて。
神薙さん専用巻き寿司どうしようか。
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