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巡り合い
第503話
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黒い狼のコスプレをした我が子に囲まれた白兎な僕。
誰得なんだろう、これ。
お出迎えするのは僕ら家族と神薙さんだけ、国王様を始めとしたその他の人達はお城で待ってます。
神薙さんが僕らと一緒にいるのはお出迎えの為というよりも、先に食べ始めても誰も止められないから、パーティー開始前に食べる物が無くなったら笑えないからね。
「おかわり」
「はぁい」
催促されるたびにアイテムボックスから取り出すのはホールケーキ、飽きないようにそれぞれ違うフルーツで盛り付けてある。
アップルパイ、アイス付きもあります。
(イツキ、イツキ、いるぅ?)
(はい居ますよ)
子供達と神薙さんと一緒に帰りを待ってますよ。
ただし子供達は早々に飽きてダンジョン向け屋台を覗いたり、追いかけっこをしたりと自由にさせてます。
大変なのは神薙さんの足止め。
お城に御馳走があるのが分かっているので行きたくてうずうずしてるんだよね、ホールケーキ食べ放題でここに留まってもらっている。
「神薙様、串焼きいります?」
「食べる」
「ダンジョンでゴブリンに貰った酒ですけど飲んでみてもらっていいですか?」
「うん」
幸いにも通りすがりの冒険者の方々が差し入れをしてくれるので、さほど忙しくないのが救いです。
「強いお酒、辛口」
「火酒をベースに作ったみたいです、俺ら貰ったはいいけど酒苦手で」
こんな風に差し入れと軽い会話を交わして立ち去るがさっきから繰り返されている。
中には神薙さんの姿に気付いて慌てて屋台に走り、貢いでくる冒険者の人もいるんだよね、神薙さんの御利益って強いからなぁ。
「そうか、皆さん神薙さんのご機嫌取って縁結びのお守り作って欲しいんだ」
「ふぅん」
遊び半分の子供達と違い、神薙さんは完全に気紛れだから気長に入荷をお待ちください。
「イツキ!」
「あっ」
ふわりと風が吹いたと思ったら、騎士様を筆頭に遠征に行っていた人達が広場に姿を現した。
人数が多いから珱さんの力も借りたのかな?
「とう……」
『とーーーうーーーーん!!!』
「刀雲!」
「とうちゃ!」
「父様!」
「「バウバウバウバウバウバウ」」
刀雲に駆け寄ろうとしたら子供達に先を越され、騎士様の横にいた刀雲の姿がもふもふに埋もれて見えなくなりました。
危なかった。
前回みたいに一番に抱き着いていたら、僕も一緒に潰れる所だったよ。
「みんなかえってきたはやくいこう」
「神薙さん、お帰りだけ言わせてください」
「ん」
騎士様の帰還を確認するや神薙さんがいそいそと食べ終わった皿を片付け始める、王様に神薙さん専用席を設けてもらうようお願いしてあるけど大丈夫かな?
「イツキ帰ったぞ、酒あるか?」
「レイアさんおかえりなさい。はい、レイアさん用に強いのを用意してあります」
「サンキュ!」
カクテルをマスターしたドリアンも会場に待機してます、色々なお酒を楽しんでください。
「聞け野郎ども! 遠征を乗り切り、生き残ったお前たちの為に宴席を用意してあるが、ここで解散するのも、城で飲み食いするのもお前らの自由。城に行く奴はこのままここに残れ、一緒に連れて行ってやる!」
レイアさんの言葉に帰還した人達が歓声をあげる。
ああみんな帰って来たんだな。
「……おかえりなさい」
なんだか嬉しくなってへにゃりと笑いながら小さくそう呟いた。
誰得なんだろう、これ。
お出迎えするのは僕ら家族と神薙さんだけ、国王様を始めとしたその他の人達はお城で待ってます。
神薙さんが僕らと一緒にいるのはお出迎えの為というよりも、先に食べ始めても誰も止められないから、パーティー開始前に食べる物が無くなったら笑えないからね。
「おかわり」
「はぁい」
催促されるたびにアイテムボックスから取り出すのはホールケーキ、飽きないようにそれぞれ違うフルーツで盛り付けてある。
アップルパイ、アイス付きもあります。
(イツキ、イツキ、いるぅ?)
(はい居ますよ)
子供達と神薙さんと一緒に帰りを待ってますよ。
ただし子供達は早々に飽きてダンジョン向け屋台を覗いたり、追いかけっこをしたりと自由にさせてます。
大変なのは神薙さんの足止め。
お城に御馳走があるのが分かっているので行きたくてうずうずしてるんだよね、ホールケーキ食べ放題でここに留まってもらっている。
「神薙様、串焼きいります?」
「食べる」
「ダンジョンでゴブリンに貰った酒ですけど飲んでみてもらっていいですか?」
「うん」
幸いにも通りすがりの冒険者の方々が差し入れをしてくれるので、さほど忙しくないのが救いです。
「強いお酒、辛口」
「火酒をベースに作ったみたいです、俺ら貰ったはいいけど酒苦手で」
こんな風に差し入れと軽い会話を交わして立ち去るがさっきから繰り返されている。
中には神薙さんの姿に気付いて慌てて屋台に走り、貢いでくる冒険者の人もいるんだよね、神薙さんの御利益って強いからなぁ。
「そうか、皆さん神薙さんのご機嫌取って縁結びのお守り作って欲しいんだ」
「ふぅん」
遊び半分の子供達と違い、神薙さんは完全に気紛れだから気長に入荷をお待ちください。
「イツキ!」
「あっ」
ふわりと風が吹いたと思ったら、騎士様を筆頭に遠征に行っていた人達が広場に姿を現した。
人数が多いから珱さんの力も借りたのかな?
「とう……」
『とーーーうーーーーん!!!』
「刀雲!」
「とうちゃ!」
「父様!」
「「バウバウバウバウバウバウ」」
刀雲に駆け寄ろうとしたら子供達に先を越され、騎士様の横にいた刀雲の姿がもふもふに埋もれて見えなくなりました。
危なかった。
前回みたいに一番に抱き着いていたら、僕も一緒に潰れる所だったよ。
「みんなかえってきたはやくいこう」
「神薙さん、お帰りだけ言わせてください」
「ん」
騎士様の帰還を確認するや神薙さんがいそいそと食べ終わった皿を片付け始める、王様に神薙さん専用席を設けてもらうようお願いしてあるけど大丈夫かな?
「イツキ帰ったぞ、酒あるか?」
「レイアさんおかえりなさい。はい、レイアさん用に強いのを用意してあります」
「サンキュ!」
カクテルをマスターしたドリアンも会場に待機してます、色々なお酒を楽しんでください。
「聞け野郎ども! 遠征を乗り切り、生き残ったお前たちの為に宴席を用意してあるが、ここで解散するのも、城で飲み食いするのもお前らの自由。城に行く奴はこのままここに残れ、一緒に連れて行ってやる!」
レイアさんの言葉に帰還した人達が歓声をあげる。
ああみんな帰って来たんだな。
「……おかえりなさい」
なんだか嬉しくなってへにゃりと笑いながら小さくそう呟いた。
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