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保護者の居ぬ間に

第484話

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 露店で会った子とはそこで別れ、引き続き散策続行。

 ピヨピヨと僕の肩で鳴いているこの子、僕よりお金の扱いに慣れている上に城下の人と仲が良いのですが。
 僕、基本的に神薙さん邸に引きこもりだから仕方ない、うん。

「お昼前には家に帰らなきゃね」

 帰ったら幼児とご飯を食べて、夕食の準備して、余った時間はシャムスの読書会かな。
 ご飯を食べて、みんなでお風呂に入って、夜が来て朝になって……刀雲、早く帰って来ないかな。

「ぴょい」
「?」
「ぴぴ!」

 小さな羽で示した先には様々な食べ物が売っている屋台。

「そうだね、何か買って帰ろうか」

 出来れば皆で食べれるものがいいな。
 そう思いながら屋台に足を向けようとした所で誰かにぶつかってフラついてしまった。

「っと、悪い、大丈夫?」

 そしてぶつかった相手に助けられました。

「僕もごめんなさい」

 謝りながら相手を仰ぎ見たら、そこにいたのは中々の美少年。
 キラキラ光るような金髪に絵本から出てきたような王子様ルック、声も美声、女神様が大喜びしそうな人材だった。

「ケガはない?」
「うん大丈夫」

 心配されてしまった。
 ついでに言えば猫耳フードを撫でられている。

 無意識だろうか。

 いや待て、僕もしかしてここに来るまでずっと帽子かぶってたの?
 いやぁぁぁぁああ!!

「可愛い子猫、ぶつかったお詫びに何か奢らせて?」
「え、いや」
「ね?」

 子猫ってなんだ。
 ウィンクの似合う少年よ、僕は人妻です。
 説得力ないだろうけど!

 そして本当に奢ってもらってしまった。
 所作も優雅で本物の王子様みたいだね、将来有望!

 パンに葉物と肉を挟んだだけの簡単なものだけど、パンも肉も柔らかくて僕でも食べれました!

「美味しい」
「良かった。あの店、俺のお気に入りなんだ。こっちはカレー味、神子様と呼ばれる方が広めたレシピなんだって」
「……っ」

 吹き出すかと思った。
 あれ? カレーってなかったの?
 あってもどこか違ったとか?

 混乱していたら口元にパンが差し出され、無意識に口を開けて食べさせられていた。
 うん、カレーは万能、カレー万歳。

 じゃなくてね!

「はぁ可愛い、持ち帰りたい、連れ込みたい、孕ませてぇ」

 猫耳気に入ったのかな、食べながらずっと触ってるんだけど。

 っは、同年代(?)と二人、軽食、歩き食い……このシチュエーションはもしかして。

「なぁ猫……お前、名前は?」
「もしかして、僕ら友達になった!?」

 転生して初めての友達なんじゃないかなこれ!?
 何せ僕、友達作る前に旦那様作ったから、今まで友達作る機会もなかったんだ!

「僕は樹、君は?」
「俺は――」
「レオ様っ!!!」

 金髪美少年が名乗ろうとしたら大きな声に遮られた。

「もぅ、探したんですよぉ、こんな所にいたんですねっ!」

 そこにいたのは数人の男の子を侍らせたピンクな髪の女の子だった。

 猫撫で声でくねくねしてる全身で男に媚を売る生き物……なんかテンプレな気配がする。
 女神様呼び出したら来るかなぁ?
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