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保護者の居ぬ間に
第469話
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嘆くグラちゃんにランチを奢ってもらったお礼を言って店前で別れ、そのまま教えてもらった畑に向かってみました。
大丈夫、大丈夫、涼玉が畑を踏み潰さないよう、手前までしかいかないから!
『野菜は興味ないのー』
「俺は採れたてというのを体験してみたい」
「母上抱っこー」
「うーん、身体強化でいけるかな? シャムスちょっとお願い」
『あい』
ホイッとシャムスに身体強化をかけてもらい、抱っこに挑戦。
「ぐ、ぐぬぅぅ」
1cmぐらいは持ち上がったと思う、その辺が限界だった。
そもそも身体強化と言うのは筋肉を強化する魔法。
僕の場合、まず強化すべき筋肉が軟弱すぎて、身体強化を使ってもアー君を高い高いするのが限界っぽい。
そんなぁ。
『なんでだろうね?』
『肉体年齢が止まっているから強化が効かないのか、母上が筋肉をつけるのを女神や父上に拒絶されているか』
『確かに母上が重いものをホイホイ持ち上げる姿は想像できないけど、にいちゃの抱っこが限界なのは残念』
なんだろう、幼児に全力で同情されている気配。
「よし、いい手がある」
『なぁに?』
「涼はちょっと動くなよ」
「うん」
「じーじーーーーー!!」
突然アー君が空に向かって叫ぶと涼玉の体がふわりと浮き上がった。
「やったぜ! さすがじーじ、世界一! っよ、風帝!」
『じーちゃんありがとー!』
「ひえぇぇぇぇ」
どうやら珱さんが風を操って涼玉を持ち上げてくれたようだ。
突然の事に涼玉はパニック気味だけどね。
「今だ母上!」
「う、うん」
僕の胸の高さまで浮き上がった涼玉を両腕で囲うようにすると、きゅっと抱き着いてきた。
「げひゃひゃひゃひゃ」
抱っこ実現の嬉しさに涼玉が変な笑い声になっちゃったけど、僕も抱っこ出来たのは嬉しいな。
珱さんありがとう。
「ぬぉ」
『きゃー』
さらにシャムスとアー君も浮かび上がった。
「……ママ、ちょっとそのままで」
「うんいいよ」
シャカシャカと空気を泳ぐように僕に近付くと、そのままアー君は背後に回った。
何をしたいのかなー?と思いながら涼玉とちゅっちゅしてたら、とすんと肩に重みが。
「ふへへ、肩車!」
『僕も僕も!』
シャムスはくるりと宙で一回転すると子犬姿に変化し、犬かきで僕の頭まで移動した。
『んふー』
どうやら僕の頭の上に着地したようだ。
これ、珱さんの援護がなかったら首が逝っただろうな。
「きゃぅきゃう!!」
それを見て調子に乗ったのがお兄ちゃんズ。
ぴょーんと飛び上がると僕の体に三匹が一斉に群がった。
現在、幼児三人は珱さんの風の力で浮いている状態、僕に負担は掛かってない。
けど三匹は違う、普通に重力があってですね。
「ま、待って、せめて子犬サイズでぇぇ!!」
声は届いたのだろう、三匹は確かに子犬サイズにはなってくれた。
けれど勢いは殺せなかったみたいで……顔面にワンコの腹毛が張り付く寸前、キーちゃんの驚いた顔が見えました。
大丈夫、大丈夫、涼玉が畑を踏み潰さないよう、手前までしかいかないから!
『野菜は興味ないのー』
「俺は採れたてというのを体験してみたい」
「母上抱っこー」
「うーん、身体強化でいけるかな? シャムスちょっとお願い」
『あい』
ホイッとシャムスに身体強化をかけてもらい、抱っこに挑戦。
「ぐ、ぐぬぅぅ」
1cmぐらいは持ち上がったと思う、その辺が限界だった。
そもそも身体強化と言うのは筋肉を強化する魔法。
僕の場合、まず強化すべき筋肉が軟弱すぎて、身体強化を使ってもアー君を高い高いするのが限界っぽい。
そんなぁ。
『なんでだろうね?』
『肉体年齢が止まっているから強化が効かないのか、母上が筋肉をつけるのを女神や父上に拒絶されているか』
『確かに母上が重いものをホイホイ持ち上げる姿は想像できないけど、にいちゃの抱っこが限界なのは残念』
なんだろう、幼児に全力で同情されている気配。
「よし、いい手がある」
『なぁに?』
「涼はちょっと動くなよ」
「うん」
「じーじーーーーー!!」
突然アー君が空に向かって叫ぶと涼玉の体がふわりと浮き上がった。
「やったぜ! さすがじーじ、世界一! っよ、風帝!」
『じーちゃんありがとー!』
「ひえぇぇぇぇ」
どうやら珱さんが風を操って涼玉を持ち上げてくれたようだ。
突然の事に涼玉はパニック気味だけどね。
「今だ母上!」
「う、うん」
僕の胸の高さまで浮き上がった涼玉を両腕で囲うようにすると、きゅっと抱き着いてきた。
「げひゃひゃひゃひゃ」
抱っこ実現の嬉しさに涼玉が変な笑い声になっちゃったけど、僕も抱っこ出来たのは嬉しいな。
珱さんありがとう。
「ぬぉ」
『きゃー』
さらにシャムスとアー君も浮かび上がった。
「……ママ、ちょっとそのままで」
「うんいいよ」
シャカシャカと空気を泳ぐように僕に近付くと、そのままアー君は背後に回った。
何をしたいのかなー?と思いながら涼玉とちゅっちゅしてたら、とすんと肩に重みが。
「ふへへ、肩車!」
『僕も僕も!』
シャムスはくるりと宙で一回転すると子犬姿に変化し、犬かきで僕の頭まで移動した。
『んふー』
どうやら僕の頭の上に着地したようだ。
これ、珱さんの援護がなかったら首が逝っただろうな。
「きゃぅきゃう!!」
それを見て調子に乗ったのがお兄ちゃんズ。
ぴょーんと飛び上がると僕の体に三匹が一斉に群がった。
現在、幼児三人は珱さんの風の力で浮いている状態、僕に負担は掛かってない。
けど三匹は違う、普通に重力があってですね。
「ま、待って、せめて子犬サイズでぇぇ!!」
声は届いたのだろう、三匹は確かに子犬サイズにはなってくれた。
けれど勢いは殺せなかったみたいで……顔面にワンコの腹毛が張り付く寸前、キーちゃんの驚いた顔が見えました。
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