上 下
439 / 1,127
保護者の居ぬ間に

第435話

しおりを挟む
 家に帰ってきてまずしたのはお茶の用意。
 我が家で用意できるもので最高級のものですよ、お茶も高級中の高級、肉でいうとシャトーブリアンだっけ?あのぐらい高級!

 僕はパックお茶で十分美味しいと思うような平凡な人間なので、こう言った高級品は違いの分かる神薙さん用です。
 アー君も高級志向っぽいけど、今はまだジュースやミルクで済んでいる。

 お茶請け菓子はケーキ、タルト、バームクーヘンをホールでドン。
 これだけあればいいかな。
 足りなくても仕方がない、メインはおやつではなく起こったことの報告だからね。

 用意したこれらを駆け付けた邪神一家の前に置きます。

「イツキ、イツキ、食べていーか?」

 目をキラキラさせながら聞いてくるのは白ちゃん。
 食べる量が神薙さん並みだけど、お嫁さんのおかげで味わうことを覚えたらしい。

「ナーガのばぁむの方が美味しそうに見える」

 じーーーーっと隣のナーガのバームクーヘンをガン見しているのは黒ちゃん。
 普段の主食は魔物なため、こういった美味しいものを食べれる機会は逃さない。

「あげませんよ」

 ナーガは兄弟の中では一番小食。
 一度休眠する羽目になってからは、二度と寝込むまいと食べる量にも気を使っているとか。

「ととの涎が大変なことになってる! もう食べていい?」

 手掴みで食べたいのを、シャムスの前だからとフォークを構えているのはヨムちゃん。
 神様としての格が上がり続けているため、食べる量と消化速度が上がったと嬉しそうに報告された。
 養っているギレンの懐は大丈夫だろうか。

 出来るだけたくさん用意したけど足りるかな?

「母様、食べてもらいながら話した方がいいんじゃない?」
「そんな余裕あるとは思えないけど、まぁいいか」

 チラリとドリアンを見たらいつでもどうぞと頷かれた。

「じゃあ召し上がれ」
「「いただきます!」」

 僕としては全員ここに集まる必要はなかったと思うんだよね、おやつの用意大変だし、いやアカーシャの心配よりおやつが目当てで集まったのか?
 ナーガはどちらかと言うとシャムス目当てっぽいけど。

「ととズルい、それ俺も食べたい!」
「もがもがもが」
「ナーガそれ一口くれー」
「これはシャムス様の分です」
『あーん』
「イツキお代わり」
「っは、難産の気配、でも今はおやつ優先!」

 ヨムちゃん神様のお仕事優先して欲しいなぁ。

「母様、足りるかな?」
「おやつだから足りなくてもいいや、アカーシャは神薙さんにお茶追加」
「はいっ」

 結論だけ言うとアカーシャは傷一つなく保護された。
 心身ともに傷一つなく、邪神のお世話に走り回れるぐらい元気です。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

拝啓、王太子殿下さま 聞き入れなかったのは貴方です

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:113pt お気に入り:4,307

幸せはあなたと

BL / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:390

この街で

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:18

住めば都

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:53

ママをいじめるな!

絵本 / 完結 24h.ポイント:1,562pt お気に入り:4

あなたの事はもういりませんからどうぞお好きになさって?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:291pt お気に入り:7,623

魔風恋風〜大正乙女人生譚

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:1,669pt お気に入り:14

処理中です...