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家族が増えました
第401話
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社務所を覗いて見たら、入って正面に特別売り場が設置されていた。
『回復アイテム試作品 現品限り』
売り場に置かれていたのは様々な回復アイテム、瓶に入ったポーションタイプから、丸く捏ねられた飲むタイプ、薬草入りクッキーなどなど。
どうやら何が作れるかあれこれ検証し、回復効果のあるものは全て売り出したようだ。
商魂逞しいですね。
「なぁなぁ、俺このオレンジ味の丸薬欲しい」
「騙されるな、味だけで回復効果は微弱だぞ」
「それでもいいんだ、嗜好品として購入したい!」
「くくく、困っているようだな」
味に釣られて丸薬を購入しようとして止められいる人の所に、外で売り子をしていたハズのグラちゃんが笑いながら近づいて行った。
あまりぼったくらないであげてね。
「あ、さっき外にいたドラゴンだ」
「喋れるドラゴンとか渋いぜ」
もふもふズや騎士団所属のもふもふで慣れているのだろう、ドラゴンの一匹や二匹で動じる様子はない。
「ちょっと耳を貸すがいい」
「ん?」
「なんだ?」
「夜のお薬、今だけ金貨一枚」
「!!!」
物価が分からないから高いのか安いのか判断付かないけど、ここで売る物ではない気がします。
「効果は?」
「一晩ドロドロになるぞ、あと子供が出来やすくなる、夫婦円満」
「俺恋人いねぇし」
「俺は買うぞ、そんでこれからプロポーズしてくる!」
「おい、これからダンジョン行くんだろうが」
「すまない、俺の一生をこれに賭ける!」
「まいどあり」
なんのドラマだろうか。
あとまだ昼前ですよ。
グラちゃんから夜のお薬を買った冒険者は、仲間を振り切って境内から去っていった。
きっとプロポーズをしに行ったんだろう、頑張ってほしい。
「……なぁドラゴン、恋人斡旋とかしてねぇか?」
「してないなぁ」
『だいじょーぶよ、お守りかってラブラブになれるから』
「ほら、このお守りでも買っていけ、ご利益あるぞ」
「縁結び……っぐ、こんなものっ……買わせていただきます!」
取り残された仲間の人は、泣きながら縁結びのお守りを購入した。
アー君なんだか手慣れているけど気のせいだろうか。
「あのお守り効果はどのくらい?」
「即効だぜ」
ニヤリと笑ったアー君が指差したので、僕だけじゃなくグラちゃんとシャムスもそちらに視線を向けた。
お守りを購入した人が出口で人とぶつかったようだ。
眼鏡をかけたインテリタイプの美人さん、ローブ着ているし魔法使いとかかな。
「……」
「……」
ぶつかった体勢のままお二人さん動かないですよ。
「あー、その、そこの茶屋にでも」
「……ええ」
動いたと思ったら手を握り合ったまま、敷地内にあるお茶屋へと消えていった。
「なっ!」
『らぶらぶー、きゃー』
「本当に即効果があったね」
「あの茶屋、別料金払うと個室使えるらしい」
グラちゃんが僕よりお店に詳しいのですが。
「っちょ、俺にも一個!」
「私にも私にもくれ!!!」
「押すな、店に迷惑かけたら神薙様が来るぞ!」
「だが買いたい!」
僕らと同じく店内にいた人達も一連の出来事を見守っていたようで、縁結びのお守りに冒険者の群れが殺到した。
一人冷静な人がいたけどちゃっかり手にはお守りが握られており、直後、おみくじで大当たりを引いてスライムをゲットしていた。
縁結びのお守り。
効果は必ずしも恋人とかそういうのではないらしい。
『回復アイテム試作品 現品限り』
売り場に置かれていたのは様々な回復アイテム、瓶に入ったポーションタイプから、丸く捏ねられた飲むタイプ、薬草入りクッキーなどなど。
どうやら何が作れるかあれこれ検証し、回復効果のあるものは全て売り出したようだ。
商魂逞しいですね。
「なぁなぁ、俺このオレンジ味の丸薬欲しい」
「騙されるな、味だけで回復効果は微弱だぞ」
「それでもいいんだ、嗜好品として購入したい!」
「くくく、困っているようだな」
味に釣られて丸薬を購入しようとして止められいる人の所に、外で売り子をしていたハズのグラちゃんが笑いながら近づいて行った。
あまりぼったくらないであげてね。
「あ、さっき外にいたドラゴンだ」
「喋れるドラゴンとか渋いぜ」
もふもふズや騎士団所属のもふもふで慣れているのだろう、ドラゴンの一匹や二匹で動じる様子はない。
「ちょっと耳を貸すがいい」
「ん?」
「なんだ?」
「夜のお薬、今だけ金貨一枚」
「!!!」
物価が分からないから高いのか安いのか判断付かないけど、ここで売る物ではない気がします。
「効果は?」
「一晩ドロドロになるぞ、あと子供が出来やすくなる、夫婦円満」
「俺恋人いねぇし」
「俺は買うぞ、そんでこれからプロポーズしてくる!」
「おい、これからダンジョン行くんだろうが」
「すまない、俺の一生をこれに賭ける!」
「まいどあり」
なんのドラマだろうか。
あとまだ昼前ですよ。
グラちゃんから夜のお薬を買った冒険者は、仲間を振り切って境内から去っていった。
きっとプロポーズをしに行ったんだろう、頑張ってほしい。
「……なぁドラゴン、恋人斡旋とかしてねぇか?」
「してないなぁ」
『だいじょーぶよ、お守りかってラブラブになれるから』
「ほら、このお守りでも買っていけ、ご利益あるぞ」
「縁結び……っぐ、こんなものっ……買わせていただきます!」
取り残された仲間の人は、泣きながら縁結びのお守りを購入した。
アー君なんだか手慣れているけど気のせいだろうか。
「あのお守り効果はどのくらい?」
「即効だぜ」
ニヤリと笑ったアー君が指差したので、僕だけじゃなくグラちゃんとシャムスもそちらに視線を向けた。
お守りを購入した人が出口で人とぶつかったようだ。
眼鏡をかけたインテリタイプの美人さん、ローブ着ているし魔法使いとかかな。
「……」
「……」
ぶつかった体勢のままお二人さん動かないですよ。
「あー、その、そこの茶屋にでも」
「……ええ」
動いたと思ったら手を握り合ったまま、敷地内にあるお茶屋へと消えていった。
「なっ!」
『らぶらぶー、きゃー』
「本当に即効果があったね」
「あの茶屋、別料金払うと個室使えるらしい」
グラちゃんが僕よりお店に詳しいのですが。
「っちょ、俺にも一個!」
「私にも私にもくれ!!!」
「押すな、店に迷惑かけたら神薙様が来るぞ!」
「だが買いたい!」
僕らと同じく店内にいた人達も一連の出来事を見守っていたようで、縁結びのお守りに冒険者の群れが殺到した。
一人冷静な人がいたけどちゃっかり手にはお守りが握られており、直後、おみくじで大当たりを引いてスライムをゲットしていた。
縁結びのお守り。
効果は必ずしも恋人とかそういうのではないらしい。
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