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ダンジョン
第329話
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ヘラ母さんに敵わないと判断した騎士様が下した判断、それは――。
「情けない男だの」
「利用できるものはなんでも利用する、それで会話が続行出来るなら!」
若干情けないセリフを言う騎士様は現在、僕の背後に隠れていらっしゃいます。
僕の方が小さいから隠れられてないけどね、母さんの追撃からは逃れられている。
どうやらこの状態で話を進めるようだ。
「はぁ、それで? 子供しかいない領地とはどういう事か説明を聞こうか」
『暇なのー』
「マシューに世話をかけるからな、何か土産を探して来よう」
「それがいい、レイアがいれば安心、主はどうぞごゆっくり」
「見捨てる気か!」
「「まぁな」」
迷うことなく騎士様の手を振り払い、幼児はレイアさんと共に遊びに行ってしまった。
「それで?」
「大人が一人しかいないのは理由あるんだよ? 人間はいないけど人外ならいるし」
「主に魔王様が派遣してくれた魔物さんたちですね、国王様が伝手を使って何とかすると言うあれはどうなりました?」
「それね、国王が使った伝手が魔王なんだよ」
なるほど、国王様から話が行って、それで魔物さんたちが派遣されたってわけか。
結局、人間の大人が一人も居ないのは同じだけどね。
「子供しかいないのは、領主が子供なのもあるけれど、守護している奴の趣味が偏っているせいもある」
「男の子専用守護神なんだよ」
「……」
母さんがチベットスナギツネのような表情で固まってしまった。
「各地から孤児などを集めたと思ったら、男の子のみの孤児院経営し始めちゃってね」
「女子は放置かい」
「眼中にないからね」
性的対象じゃなく、ただ純粋に愛でる対象なのは救いなのだろうか。
「そこに来て王太子やってる俺の子が国家事業を始めてね、マシューって子が領主として指定されて、守護神の孤児院の子もその領地に越したんだ」
「子供への負担が酷い」
ごもっとも。
「お前さんの子も中々の無茶を言う、子がいるって事は嫁もいるのだろう? 嫁はどこだい?」
「嫁ではないけど、生んだのは……あれ、死亡フラグ」
婚姻関係なしで子供産んだのは僕です、白状すると子供の大半がそんな感じです!
でも今は騎士様が本格的にヤバイ。
「嫁ではない」発言でヘラ母さんが立ち上がり、背後に黒い炎を燃え上がらせたんだ。
「嫁ではない者に手を出し、孕ませたと言う事だね」
「待って、待って、愛はあるよ! 本当だって!」
「え、あったんですか?」
「好意もない相手に手を出す趣味ない――ぎゃあああああ」
黒雷と轟音にかき消されちゃったけど、何かとんでもないセリフを聞いた気がする。
騎士様、今のもう一回。
ヘラ母さんちょっとストップ、騎士様にトドメ指すの後にしてーー!
「情けない男だの」
「利用できるものはなんでも利用する、それで会話が続行出来るなら!」
若干情けないセリフを言う騎士様は現在、僕の背後に隠れていらっしゃいます。
僕の方が小さいから隠れられてないけどね、母さんの追撃からは逃れられている。
どうやらこの状態で話を進めるようだ。
「はぁ、それで? 子供しかいない領地とはどういう事か説明を聞こうか」
『暇なのー』
「マシューに世話をかけるからな、何か土産を探して来よう」
「それがいい、レイアがいれば安心、主はどうぞごゆっくり」
「見捨てる気か!」
「「まぁな」」
迷うことなく騎士様の手を振り払い、幼児はレイアさんと共に遊びに行ってしまった。
「それで?」
「大人が一人しかいないのは理由あるんだよ? 人間はいないけど人外ならいるし」
「主に魔王様が派遣してくれた魔物さんたちですね、国王様が伝手を使って何とかすると言うあれはどうなりました?」
「それね、国王が使った伝手が魔王なんだよ」
なるほど、国王様から話が行って、それで魔物さんたちが派遣されたってわけか。
結局、人間の大人が一人も居ないのは同じだけどね。
「子供しかいないのは、領主が子供なのもあるけれど、守護している奴の趣味が偏っているせいもある」
「男の子専用守護神なんだよ」
「……」
母さんがチベットスナギツネのような表情で固まってしまった。
「各地から孤児などを集めたと思ったら、男の子のみの孤児院経営し始めちゃってね」
「女子は放置かい」
「眼中にないからね」
性的対象じゃなく、ただ純粋に愛でる対象なのは救いなのだろうか。
「そこに来て王太子やってる俺の子が国家事業を始めてね、マシューって子が領主として指定されて、守護神の孤児院の子もその領地に越したんだ」
「子供への負担が酷い」
ごもっとも。
「お前さんの子も中々の無茶を言う、子がいるって事は嫁もいるのだろう? 嫁はどこだい?」
「嫁ではないけど、生んだのは……あれ、死亡フラグ」
婚姻関係なしで子供産んだのは僕です、白状すると子供の大半がそんな感じです!
でも今は騎士様が本格的にヤバイ。
「嫁ではない」発言でヘラ母さんが立ち上がり、背後に黒い炎を燃え上がらせたんだ。
「嫁ではない者に手を出し、孕ませたと言う事だね」
「待って、待って、愛はあるよ! 本当だって!」
「え、あったんですか?」
「好意もない相手に手を出す趣味ない――ぎゃあああああ」
黒雷と轟音にかき消されちゃったけど、何かとんでもないセリフを聞いた気がする。
騎士様、今のもう一回。
ヘラ母さんちょっとストップ、騎士様にトドメ指すの後にしてーー!
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