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可愛い子には旅をさせよ
第314話
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あれこれあって一週間とちょっと滞在したかなぁ、そろそろ帰ろうかなと思っていたらアカーシャ達の合宿も終わりそうだと連絡がきたので、お家に帰ることにしました。
「僕らは帰りますけど、神薙さんはどうしますか?」
「帰る。ドリちゃんのご飯食べたい」
「じゃあ明日帰りましょう」
『ドリちゃんのご飯ー』
「俺はパンケーキかな」
「我は何を食べようか」
雷ちゃんがアー君に続き、食いしん坊キャラになりかけている。
そしてアー君は雷ちゃんに食の楽しみを教える名目で、美味しいものを片っ端から食べようとしているような。
『カレーかな』
「カレーだな」
「あの刺激臭がすごい食べ物か?」
『違うの、あれはとーうんの特別製よ』
「幼児の舌には無理だ、泣く」
ふむ、子供用カレーを作れって事ね、了解。
ドライカレーとか作ってみようかなぁ、あとせっかくだからシーフードカレー。
「米と食べるのもいいけどナンも捨てがたい」
『僕とアー君のスプーン、タイガの手作りなのよ』
「手作り」
おや雷ちゃんがちょっと羨ましそうだ。
シャムスとアー君が目を見合わせ一つ頷くと、骨を削って道具を作っているタイガの足を叩いた。
「ちゃいがー」
「なんだ兄よ」
「雷ちゃんにもスプーンとフォーク」
「お揃いのがいい」
「うむ、帰ったらドリちゃんに木を貰って作る」
「うふー」
ああ和む。
「やっぱりシャムスのいる光景はいいなぁ」
騎士様も同じことを思ったようで、にこにことその様子を眺めている。
「シャムスがいるとアー君のデレが前面に出ていいよね」
「確かに」
「それで、樹はどんなカレー作る予定?」
「野菜たっぷりスタミナカレーにしようかなと」
「野菜よりお肉ゴロゴロカレーがいいな」
「大人が率先してワガママを言わないでください」
『にんじんやーん』
「ピーマンはいらない」
聞こえない。
「ブロッコリーも入れます」
『やーん、ブロちゃん入れないで』
「父上のばかー」
「え、俺の発言のせい?」
一緒に食べる揚げ物はカツとエビフライ、メンチカツ。
あとはサラダ、デザートはプリンにしようかな?
「もちろん隣に刀雲の地獄カレーを添えて、密室で!」
『きゃーー』
「あれは、あれは匂いが劇薬!」
「もしかして樹ちゃん、心配が落ち着いてきて、黙って冒険に出た二人にお怒りが湧いてきちゃった感じ!?」
いえいえそんな、幼児のする事に怒るわけないじゃないですか。
あはははは。
『タイガ止めてー』
「雷ちゃんも止めるんだ、あの状態の母は本当にやるぞ!」
「え、え?」
「母よ落ち着け、あのカレーは被害が大き過ぎる」
「やだなぁ僕は刀雲の好物を出すだけなのに」
『やー、かあしゃまごめんなさい』
「本当に悪かった、もう無断外泊しないから! せめて密室ではやめてくれぇ!」
幼児二人が涙目で止めてきた。
仕方がない、可愛いから止めてあげよう。
旅に出てた二人は知らないけれど、あの地獄カレーは改良されて匂いだけは普通のカレーレベルになったんだよね。
お城の食堂で食べるために有志が研究を重ね、味は激辛のまま匂いは緩和されたカレーが完成してレシピももらった。
これで家で食べても皆に逃げられないと、刀雲も嬉しそうだったなぁ。
「僕らは帰りますけど、神薙さんはどうしますか?」
「帰る。ドリちゃんのご飯食べたい」
「じゃあ明日帰りましょう」
『ドリちゃんのご飯ー』
「俺はパンケーキかな」
「我は何を食べようか」
雷ちゃんがアー君に続き、食いしん坊キャラになりかけている。
そしてアー君は雷ちゃんに食の楽しみを教える名目で、美味しいものを片っ端から食べようとしているような。
『カレーかな』
「カレーだな」
「あの刺激臭がすごい食べ物か?」
『違うの、あれはとーうんの特別製よ』
「幼児の舌には無理だ、泣く」
ふむ、子供用カレーを作れって事ね、了解。
ドライカレーとか作ってみようかなぁ、あとせっかくだからシーフードカレー。
「米と食べるのもいいけどナンも捨てがたい」
『僕とアー君のスプーン、タイガの手作りなのよ』
「手作り」
おや雷ちゃんがちょっと羨ましそうだ。
シャムスとアー君が目を見合わせ一つ頷くと、骨を削って道具を作っているタイガの足を叩いた。
「ちゃいがー」
「なんだ兄よ」
「雷ちゃんにもスプーンとフォーク」
「お揃いのがいい」
「うむ、帰ったらドリちゃんに木を貰って作る」
「うふー」
ああ和む。
「やっぱりシャムスのいる光景はいいなぁ」
騎士様も同じことを思ったようで、にこにことその様子を眺めている。
「シャムスがいるとアー君のデレが前面に出ていいよね」
「確かに」
「それで、樹はどんなカレー作る予定?」
「野菜たっぷりスタミナカレーにしようかなと」
「野菜よりお肉ゴロゴロカレーがいいな」
「大人が率先してワガママを言わないでください」
『にんじんやーん』
「ピーマンはいらない」
聞こえない。
「ブロッコリーも入れます」
『やーん、ブロちゃん入れないで』
「父上のばかー」
「え、俺の発言のせい?」
一緒に食べる揚げ物はカツとエビフライ、メンチカツ。
あとはサラダ、デザートはプリンにしようかな?
「もちろん隣に刀雲の地獄カレーを添えて、密室で!」
『きゃーー』
「あれは、あれは匂いが劇薬!」
「もしかして樹ちゃん、心配が落ち着いてきて、黙って冒険に出た二人にお怒りが湧いてきちゃった感じ!?」
いえいえそんな、幼児のする事に怒るわけないじゃないですか。
あはははは。
『タイガ止めてー』
「雷ちゃんも止めるんだ、あの状態の母は本当にやるぞ!」
「え、え?」
「母よ落ち着け、あのカレーは被害が大き過ぎる」
「やだなぁ僕は刀雲の好物を出すだけなのに」
『やー、かあしゃまごめんなさい』
「本当に悪かった、もう無断外泊しないから! せめて密室ではやめてくれぇ!」
幼児二人が涙目で止めてきた。
仕方がない、可愛いから止めてあげよう。
旅に出てた二人は知らないけれど、あの地獄カレーは改良されて匂いだけは普通のカレーレベルになったんだよね。
お城の食堂で食べるために有志が研究を重ね、味は激辛のまま匂いは緩和されたカレーが完成してレシピももらった。
これで家で食べても皆に逃げられないと、刀雲も嬉しそうだったなぁ。
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