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可愛い子には旅をさせよ
第313話
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出汁スライムを三つほど作って貰い、一つは滞在のお礼にエヴァ君に渡しました。
これで白ちゃんに美味しいものを作ってあげてね。
「これでいつでもとと様と同じ味!」
「そうだよ」
最初の一匹は我が家に連れて帰るからね、元になった粉末は同じなので作られる味も同じです。
これで離れていても同じ味が再現可能!
「シャムス様ありがとー、好きだぞー」
『うふふ』
白くて小さな蛇がシャムスの頬っぺにすりすりしている。
可愛い、眼福です。
残り二つのうち一つは黒ちゃん、もう一つはナーガにあげる予定。
ナーガはドリちゃんの足元にある温泉で保護中、もうじき帰るのでもうちょっと待ってほしい、マシュー君ともちょっと口裏合わせした方がいいかな?
邪神一家の皆さまって拗ねるとご機嫌取り大変だからね。
「シャムス、名前をつけてやれ」
『お名前?』
「出汁の取れるスライム……だし丸」
僕は今、アー君と騎士様の血の繋がりを確かに感じた。
騎士様イイネって言わないでください、本気にしたらちょっと嫌。
「ダーキュ」
もうそれで。
ハイ決まりー。
シャムスが「違うの」と言いながら首をふりふりしているけど、スライムが受け入れちゃったのでこの出汁が取れるスライムは『ダーキュ』です。
『違うのー、ダー君って言いたかったの、やーん』
「次だ、また新しいスライム作った時に頑張ろう!」
ぷるぷるしているシャムスをアー君が必死に励まし、その横では四匹のスライムが円陣を組んでダンスを踊っている。
今日も元気にツッコミが追いつきません。
「エヴァ、エヴァ、とと様とお揃いスライム」
「はい、大事にしましょう」
「なんかエヴァと俺の子供みたいだな!」
「……っ!!」
「ひゃーー! イツキー! エヴァが、血塗れー!!」
怖い怖い、エヴァ君が顔を真っ赤にして鼻血流してる。
「はい上を向いて」
「白様と僕の子供……」
あ、ダメだこれ、腐語りしてる女神様と同じ表情してるわ。
当分帰ってこないねこれは。
クリーンをかけて服だけは綺麗にして、鼻には布詰めておこう。
「今なら気合で産める」
世界観的にいけそうだけど、それ白ちゃんの血を引いてないよ?
『僕のスライム、白ちゃんとお嫁ちゃんの子供?』
「養子か、まあ大事にしてくれるなら問題ないだろ」
「シャムス様、ぜひ俺にもシャムス様のスライムを一匹!」
『ほしーの?』
「俺とアルジュナの子として育てます!」
「落ち着けダロス、お前と俺の子はちゃんと産んでやるから」
なんか知らないけどアー君が男前な発言をしている。
「今すぐ子作りしたい!」
「俺、幼児」
白熊さんのテンションがアー君と再会してからずっと高いまま、レイアさんがそろそろ黙らせようと拳を素振りしているので早めに静かにした方がいいと思うよ。
「むしろ俺が産んでも――」
「落ち着け」
ッゴ
暴走しかけた白熊さんの後頭部にレイアさんのツッコミが入りました。
「漁船に乗せてくる」
気絶した白熊さんを担いでレイアさんがどこかへ出掛けて行った。
どうやら自主的に漁船に乗っていたわけではなく、強制的だったみたいだ。
アー君もため息をつきつつそれを見送っていた。
これで白ちゃんに美味しいものを作ってあげてね。
「これでいつでもとと様と同じ味!」
「そうだよ」
最初の一匹は我が家に連れて帰るからね、元になった粉末は同じなので作られる味も同じです。
これで離れていても同じ味が再現可能!
「シャムス様ありがとー、好きだぞー」
『うふふ』
白くて小さな蛇がシャムスの頬っぺにすりすりしている。
可愛い、眼福です。
残り二つのうち一つは黒ちゃん、もう一つはナーガにあげる予定。
ナーガはドリちゃんの足元にある温泉で保護中、もうじき帰るのでもうちょっと待ってほしい、マシュー君ともちょっと口裏合わせした方がいいかな?
邪神一家の皆さまって拗ねるとご機嫌取り大変だからね。
「シャムス、名前をつけてやれ」
『お名前?』
「出汁の取れるスライム……だし丸」
僕は今、アー君と騎士様の血の繋がりを確かに感じた。
騎士様イイネって言わないでください、本気にしたらちょっと嫌。
「ダーキュ」
もうそれで。
ハイ決まりー。
シャムスが「違うの」と言いながら首をふりふりしているけど、スライムが受け入れちゃったのでこの出汁が取れるスライムは『ダーキュ』です。
『違うのー、ダー君って言いたかったの、やーん』
「次だ、また新しいスライム作った時に頑張ろう!」
ぷるぷるしているシャムスをアー君が必死に励まし、その横では四匹のスライムが円陣を組んでダンスを踊っている。
今日も元気にツッコミが追いつきません。
「エヴァ、エヴァ、とと様とお揃いスライム」
「はい、大事にしましょう」
「なんかエヴァと俺の子供みたいだな!」
「……っ!!」
「ひゃーー! イツキー! エヴァが、血塗れー!!」
怖い怖い、エヴァ君が顔を真っ赤にして鼻血流してる。
「はい上を向いて」
「白様と僕の子供……」
あ、ダメだこれ、腐語りしてる女神様と同じ表情してるわ。
当分帰ってこないねこれは。
クリーンをかけて服だけは綺麗にして、鼻には布詰めておこう。
「今なら気合で産める」
世界観的にいけそうだけど、それ白ちゃんの血を引いてないよ?
『僕のスライム、白ちゃんとお嫁ちゃんの子供?』
「養子か、まあ大事にしてくれるなら問題ないだろ」
「シャムス様、ぜひ俺にもシャムス様のスライムを一匹!」
『ほしーの?』
「俺とアルジュナの子として育てます!」
「落ち着けダロス、お前と俺の子はちゃんと産んでやるから」
なんか知らないけどアー君が男前な発言をしている。
「今すぐ子作りしたい!」
「俺、幼児」
白熊さんのテンションがアー君と再会してからずっと高いまま、レイアさんがそろそろ黙らせようと拳を素振りしているので早めに静かにした方がいいと思うよ。
「むしろ俺が産んでも――」
「落ち着け」
ッゴ
暴走しかけた白熊さんの後頭部にレイアさんのツッコミが入りました。
「漁船に乗せてくる」
気絶した白熊さんを担いでレイアさんがどこかへ出掛けて行った。
どうやら自主的に漁船に乗っていたわけではなく、強制的だったみたいだ。
アー君もため息をつきつつそれを見送っていた。
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