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権力とは使う為にある
第200話
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刀羅に婚約者が出来ました。
びっくり。
学園がいつの間にか始まっていて、そこで出会った他国の公爵令嬢ですって!
あらまぁびっくり。
出会いはベタもベタ、落としたハンカチを拾って渡した瞬間、身体に電流が奔り、天使の矢が心臓に突き刺さると同時に運命のラッパが鳴り響くのを感じたんだって。
要約すると一目惚れだね。
昨日の刀雲と同じぐらい騎士様が落ち込んでいるんだけど、そこは息子の成長を喜ぶべきじゃなかろうか。
鬼羅はお兄ちゃんの初恋を応援してて、でもずっと一緒だったのに急に一人は寂しいから学園ではアカーシャにべったりしているらしい。
僕に紹介したいと言われ、連れて来ていいかと問われてとても困っています。
「どうして? 普通に通していいんじゃない?」
「騎士様はこの日常に慣れているから問題ないです、でも、彼女は異国のお姫様、多分和式は無理じゃないかなって」
そもそも靴を脱ぐ文化あるのかな?
我が家は基本的に土足禁止だから、まずそこからつまずく。
僕日本人、転生前は地球の一般人!
刀羅の婚約者は生粋のお姫様!
貴族マナーなんて小説とか漫画知識しかないよ!
「神薙さぁん」
「あれ、俺は?」
こういう時、騎士様は全く役に立たないから無視させていただきます!
「ここは僕の家」
「はい」
「だから僕がルール」
「はい」
「人間が僕に合わせるべき、大丈夫」
「神薙さぁぁぁん」
素敵! 惚れる! 夕食のメニューサービスしますね!
そして
「母様、連れて来たよ」
返事する前に連れて来ちゃいました。
けど、あれぇ?
「始めまして神子様、私はナッツ王国のアンジェル・セステロと申します」
刀羅が連れて来たのは濃い藍色の髪を後ろでひとまとめにした美少年だった。
あれ? 令嬢じゃ、ない、だと?
「エンジェルはナッツ王国の宰相の子息なんだ、頭脳明晰、冷静沈着――に見えて、実は負けず嫌いだし情熱家な所もあるんだよ」
「お前は、余計な事は言わなくていい! それに私の名前はアンジェルだ!」
「俺の天使、間違ってないだろう?」
「――っ」
これ学園でもやってるのかなあ、仲が良いのは良い事だ。って事にしておこう。
「母様、母様、僕の友達も紹介していい? って、いない、ちょっと待っててね!」
「こら鬼羅、落ち着いて」
「ごめんなさーーい」
謝りながら部屋から飛び出して行った。あれは分かってないなー。
テンションが変な事になってるけど大丈夫かな、駄目かなぁ、騎士様もたまにあの状態になるけど人の話聞かなくなっちゃうんだよねぇ。
「刀羅来るなら事前に言えってあれほど言ったでしょう、準備があるんだから」
「ごめんアカーシャ」
ちょうど帰って来たアカーシャが開口一番叱ってくれた。
ありがとう、言うタイミング逃してたから助かる。
「セステロは夕食食べてくの?」
「うん、外泊許可は貰ったから大丈夫、一緒に風呂入ろうな」
「お前は勝手に……入るわけ、ないだろう」
おや、ナッツの子の顔が赤い。
「ただいまなのだー」
「ただいま」
「ブラン、ベル君おかえり」
「ちょうど良かった。ブラン手伝って、夕食の用意しなきゃ」
「はい」
「ああああああ、ブラーーン」
テキパキと指示を始めたアカーシャにベル君が恨めしそうな視線をおくっているけれど、対するアカーシャはそれを丸っと無視している。
「母様連れて来たよ! 土足で上がろうとしてドリアンに足止め喰らってた!」
そう言って戻ってきた鬼羅の後ろには一人の少女。
貴族らしい優雅さと気品、気高さを幼いながらも持つその令嬢は――
(実在してたんだ)
髪型がドリルだった。
びっくり。
学園がいつの間にか始まっていて、そこで出会った他国の公爵令嬢ですって!
あらまぁびっくり。
出会いはベタもベタ、落としたハンカチを拾って渡した瞬間、身体に電流が奔り、天使の矢が心臓に突き刺さると同時に運命のラッパが鳴り響くのを感じたんだって。
要約すると一目惚れだね。
昨日の刀雲と同じぐらい騎士様が落ち込んでいるんだけど、そこは息子の成長を喜ぶべきじゃなかろうか。
鬼羅はお兄ちゃんの初恋を応援してて、でもずっと一緒だったのに急に一人は寂しいから学園ではアカーシャにべったりしているらしい。
僕に紹介したいと言われ、連れて来ていいかと問われてとても困っています。
「どうして? 普通に通していいんじゃない?」
「騎士様はこの日常に慣れているから問題ないです、でも、彼女は異国のお姫様、多分和式は無理じゃないかなって」
そもそも靴を脱ぐ文化あるのかな?
我が家は基本的に土足禁止だから、まずそこからつまずく。
僕日本人、転生前は地球の一般人!
刀羅の婚約者は生粋のお姫様!
貴族マナーなんて小説とか漫画知識しかないよ!
「神薙さぁん」
「あれ、俺は?」
こういう時、騎士様は全く役に立たないから無視させていただきます!
「ここは僕の家」
「はい」
「だから僕がルール」
「はい」
「人間が僕に合わせるべき、大丈夫」
「神薙さぁぁぁん」
素敵! 惚れる! 夕食のメニューサービスしますね!
そして
「母様、連れて来たよ」
返事する前に連れて来ちゃいました。
けど、あれぇ?
「始めまして神子様、私はナッツ王国のアンジェル・セステロと申します」
刀羅が連れて来たのは濃い藍色の髪を後ろでひとまとめにした美少年だった。
あれ? 令嬢じゃ、ない、だと?
「エンジェルはナッツ王国の宰相の子息なんだ、頭脳明晰、冷静沈着――に見えて、実は負けず嫌いだし情熱家な所もあるんだよ」
「お前は、余計な事は言わなくていい! それに私の名前はアンジェルだ!」
「俺の天使、間違ってないだろう?」
「――っ」
これ学園でもやってるのかなあ、仲が良いのは良い事だ。って事にしておこう。
「母様、母様、僕の友達も紹介していい? って、いない、ちょっと待っててね!」
「こら鬼羅、落ち着いて」
「ごめんなさーーい」
謝りながら部屋から飛び出して行った。あれは分かってないなー。
テンションが変な事になってるけど大丈夫かな、駄目かなぁ、騎士様もたまにあの状態になるけど人の話聞かなくなっちゃうんだよねぇ。
「刀羅来るなら事前に言えってあれほど言ったでしょう、準備があるんだから」
「ごめんアカーシャ」
ちょうど帰って来たアカーシャが開口一番叱ってくれた。
ありがとう、言うタイミング逃してたから助かる。
「セステロは夕食食べてくの?」
「うん、外泊許可は貰ったから大丈夫、一緒に風呂入ろうな」
「お前は勝手に……入るわけ、ないだろう」
おや、ナッツの子の顔が赤い。
「ただいまなのだー」
「ただいま」
「ブラン、ベル君おかえり」
「ちょうど良かった。ブラン手伝って、夕食の用意しなきゃ」
「はい」
「ああああああ、ブラーーン」
テキパキと指示を始めたアカーシャにベル君が恨めしそうな視線をおくっているけれど、対するアカーシャはそれを丸っと無視している。
「母様連れて来たよ! 土足で上がろうとしてドリアンに足止め喰らってた!」
そう言って戻ってきた鬼羅の後ろには一人の少女。
貴族らしい優雅さと気品、気高さを幼いながらも持つその令嬢は――
(実在してたんだ)
髪型がドリルだった。
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